ポルトを歩いて気付いた「余白時間」の大切さ
「コワーキング、近くを取るか?景色を取るか?」
私はどちらを選ぶか悩んでいる。
バルセロナの試住を終えて選んだ次の滞在先は、ポルトガルのポルト。
暖かさ・物価の安さが魅力だったが、一番の理由は「スペインとの違いを感じるため」だ。
期間はまたしても1ヶ月間。
現地の暮らし・生活を味わえるちょうど良い期間だと思っている。
今までどおりのリモートの仕事と写真事業を強化するための準備で、コワーキングを契約してガッツリ取り組もうとしていた。
いくつか視察をして、本格的に使う場所を決めようと。
街全体が世界遺産の「ポルト」
ポルトの一部の地区は「ポルト歴史地区」と呼ばれて世界遺産になっている。
ヨーロピアンな建物が並び、歩いているだけでワクワクしてくる素敵な街だ。
スランプ気味だった写真も、夢中でシャッターを切ると不調であることも忘れる。
そしてすぐに日替わりでコワーキングを試していく。
1日使ってみると自分に合っているコワーキングかわかるようになる。
私の基準はコレ。
①適度に交流できる
②コミュニティマネージャーの人柄・やる気
③長時間作業に集中できる環境(椅子の硬さ・雰囲気)
海外に住んで自分の居場所(コミュニティ)の中心がコワーキングになるので、結構慎重に選ぶことにしている。
ポルトでは「Porto i/o」というコワーキングが市内に4店舗持っていて私の中の基準もクリアので、そこを選ぶことにした。
4店舗あるし、どこも居心地が良かったので困ったが2つに絞った。
①最も近い、でも他の要因はそこそこな店舗
②ポルトの景色が一望できる素晴らしすぎるロケーション、でも片道徒歩30分で帰りは坂道が続く
悩んで②を選ぶことにした。
わかりにくいがバスもあるし、良い運動にもなるし。
あとは「余白時間」が欲しかったのもある。
歩きながら考え事をしたい。
独立してフリーランスになって、およそ半年。
毎日仕事していたし、オフは作ったが完全に仕事をしない日はほとんどない。
「成長できていない」
「お金がなくなるかも」
「ダメな自分に戻ってしまう」
常にこんな不安が付きまとうからだ。
「あ〜いまツラいんだなぁ」
と心が折れそうにだってなる。
その分、自分で道を切り開いている実感はあるし、ダメな自分を受け入れているからもっと成長したい欲求もある。
そして、なんだかんだこの状態が楽しい。
だが遊んだりリラックスの時間はあっても、頭をリセットして考える「余白時間」を作っていなかった。
考える時間が欲しかった。
会社員時代も会社の近くに住んで通勤時間を減らしていたし、移動時間は無駄だと考えていた。
でも、今は必要だと感じるのだ。
だから、コワーキングに通う時間を「余白時間」に充てることに決めた。
坂の街を歩き回ってみる
その店舗を選んだ結論から言うと、「選んで良かった」だ。
適度に交流があって友達もできたし、動画を一緒に作るプロジェクトも始めたし、素敵な景色に囲まれてリラックスしつつ集中できた。
毎日同じことを繰り返した。
朝、今後の計画やクリエイティブなことを考えてポルトを歩く。
昼、コワーキングで集中する。適度におしゃべりして休憩する。
夜、1日の反省と改善策を立て自分への活力にしてポルトの坂を登る。
運動不足もあって、最初の頃は帰りの坂道がツラかった。
1回だけUber使った。1回だけ...
慣れると「この習慣いいなぁ」と気付いた。
強制的に考える時間を作らされる。
治安が良いとはいえ、海外なので音楽もスマホもなし。
ただただ歩くのは暇だ。
だから考える。
「写真の事業どうしよう」
「井の中の蛙になっていないか」
「貴重な20代はどんなスキルと経験を積もうか」
希望から不安まで、フラットに考える。
昼に時間をきっちり取って考える時間を作ったりするけど、それとも違う。
俯瞰視点で物事を考えられる。
歩いている頭の上に違う自分が立っていて、見ているようだ。
冷静に事実として受け止めて考えられた。
運動で血の巡りが良いからかな。
余裕がないときこそ余白の時間を作る
ポルトで得られたものの一つが「余白時間の大切さに気付いたこと」だ。
独立してから(今も)余裕が全くない自分にとって、冷静に考えたり振り返りをする時間は必要なこと。
毎日その日の計画と振り返りを日報に書いているが、それとは別だ。
前のめりに走っていて、今にも転びそうになっている自分を、転ばない姿勢に立て直してくるのが「余白時間」。
どのフォームがゴール(目標)に近いのか、考え直せる。
余裕がないと上手くいくことも上手くいかない。
でも手は抜きたくない。
そのためにも強制的に「余白時間」を作ったのは良い選択だった。
だから伝えたい。
遠くを選ぶのも無駄じゃない。
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