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読書感想文の攻略法 ②書き方

夏休みの宿題に苦しむ、子どもたちに向けて。
前回の記事▼ 読書感想文の攻略法 ①本の選び方 からどうぞ。

我が子に確認したところ、小6の息子は800字以上、中3の娘には2000字程度、作文の宿題が出ているそうです。なかなかの文章量。真っ白な原稿用紙を前に途方にくれている子も多そうだなと想像できます。

まず、定番の型を知る

前回も紹介した 小麦こむぎ子 さんのツイートから。

昔は「作文は起承転結で書く」と教えられましたが、現在の 定番の型 は以下の通り。低学年の子どもや、作文に不慣れな子は、この順番で組立てると書きやすいそうです。

1、この本をえらんだわけ
2、あらすじ
3、こころにのこったところ
4、自分だったらどうするか

4番の「自分だったらどうするか」というのは、
この本を読んで「これからはこうしよう」と思ったことや、「自分が物語の主人公だったらこうした」というような 自分の意見 のことです。

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PREP法も意識しよう

大人が文章を書くときに使う PREP法(プレップ法)という手法もあります。これは作文だけでなく、言葉で何かを伝える時やみんなの前で発表する時にも役に立ちます。

P…Point(結論)
R…Reason(理由)なぜなら
E…Example(具体例)たとえば
P…Point(結論)まとめ

この順番を、読書感想文に応用するなら

P…この本は素晴らしい本です
R…私もこの本を読んで、自分を変えることができたからです
E…自分を変えることで、実際にこんな良いことがありました
P…この本に出会えて本当に良かったです

このように、アレンジして使うことができます。

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書き出しはインパクト勝負

学校の先生は、毎年たくさんの読書感想文を採点します。
小学校の先生ならひとクラス分(40人くらい)中学高校の先生なら100人以上、読書感想文コンクール選考委員の先生なら何千何万もの作品を一気に読むわけです。

全てしっかり読んでいると思いますか…?

私は先生では無いので分かりませんが、全作品を隅々まで熟読はしていないんじゃないかなぁ…と思います。(違ったらごめんなさい)なぜなら、普段から子どもの作文を山ほど読んでいる先生だからこそ、最初の数行を読んだだけで、その子の力量や、後半への文章運びまで見えてしまうからです。

ちょっと辛口な言い方をするなら、最初の数行で先生の心を掴めなかった時点で、じっくり読まれる価値のない作文 ということになります。

先生が飽き飽きしている、フツー!の型
私は「××」という本を読みました。
なぜこの本を読もうと思ったかと言うと「××」だからです。
ココがおもしろかったです。

これでは先生の心は掴めません。

書き出しはインパクト勝負

飽きるほど子どもの作文を読んでいる先生に「お?」と目をとめてもらえる読書感想文。それは、書き出しの数行がカギです。

なぜこの本を選んだか という一文を書く時、あなたならどんな風に書きますか?ここで、いくつか例をあげたいと思います。

例1、読み手をひきつけるインパクト型
自分の「××」な所を変えたい。今年の夏こそは変わりたい。
そう思い「××」という本を手に取りました。

あれ?ちょっとこの子は他の子と違うなと思いませんか。

例2、会話から始まる変化球型
「いいから騙されたと思って読んでみろよ」
と、兄に言われ私はこの本をしぶしぶ手に取った。

あら、最初はこの本に興味が無かったんだな。
と、ちょっと引きつけられませんか?

じっくり読んでもらえるかどうかは最初の数行が勝負
おそらく、8割以上の作文が「私は…」から始まると思うので、あえて少し奇をてらった演出からスタートさせるのも効果的だと思います。

内容は「本当に思ったこと」を生々しく書こう

どの作文も似たり寄ったり。
これも、採点・選考をする先生が感じることでしょう。

例えば「桃太郎」の読書感想文を小学生に書かせたら「村人を苦しめる悪いオニをこらしめることが出来て、本当に良かったと思います」と10人中9人が書きます。それは、先生が望んでいる(であろう)無難な模範解答を書くこと=良いことだと、子どもたちが暗に教えこまれているからです。

それよりも

桃太郎は、神が村人に使わした天の使いなのではないかと僕は考えました。そう考えると、桃から生まれたことや、動物たちと会話できることなど、非現実的な現象もつじつまが合い、納得できるからです。

とか

オニがどこまで悪いことをしたのか分かりませんが、鬼が島まで攻め入って金銀財宝を根こそぎ奪ってくるという暴挙はいささかやり過ぎだと思いました。争いは新たな憎しみしか生まないからです。

とか(こんな小学生いないか、笑)
ひと味違う切り口で物語をみている子の方がおもしろいですよね。

ロボットのように、どこかで聞いたような使い古された言葉を並べる読書感想文。これを読んで誰かおもしろいと思うでしょうか。読書感想文も「読みもの」です。「読みもの」である以上、読む人に興味を持ってもらわなければいけません。


まとめ

◉何から書いて良いか分からない子は、定番の型を参考にしよう
◉こう書かなきゃいけないという決まりはない!自由に感じたことを書こう
◉最初の数行がポイント!読む人の興味をひきつけよう
◉自分のリアルな体験や、感じたことを生々しく鮮やかに書こう




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