【自伝的随筆】『女教皇、立腹す』
実家は決して裕福ではありません。
貧しいというわけでもありません。
普通というのがどういうものか定義するのが難しいですが、毎日3食食事ができる、普通の家でした。
両親からも暴力を受けたこともなく、もちろん言葉のそれもなく、平穏な、幸せな……それこそ幸せとはなんぞや? 定義しろ、等と言われては困りますが、子ども特有の悩みなどがあったにしても、本当に極々普通の生活を送っていたと思います。
と、思ったのですが、
「インナーチャイルドを癒しなさい」
といわれて、子どものころのトラウマなんてないと思っていた。
が、良く良く考え、思い出してみたら、忘れていたのですね。
いや、きっと嫌な思い出だから思い出さないようにしていたのでしょう。
それを思い出した瞬間、ああ、あれか……と思い当たり、確かに嫌な気分になりました。
なるほど、確かにあれがトラウマになってるのでしょう。
って、何のトラウマ?
そのときの影響で、いまどうなってるか?
思い当たることはひとつ……女性との接し方が分からない……というか、女性の扱い方が分からない? というか、女性と接するのが怖いという感じでしょうか?
女性というか、人と接するのが怖いといのがあるかもしれません。
対人関係恐怖症? とまではいかないのですが、人と接すると大変な労力が必要になります。
できれば、あまり人に接しないような環境にいたいのです。
独り暮らしが1番……家族を作るのが怖いというか、私が幸せな家族を作れるのだろうか? という疑問が常にあり、過去には結婚を考えた女性もいましたが、いざ結婚となると、将来の生活を想像して、一歩を踏み出せませんでした。
女性が苦手とか、嫌いとかではないです。
むしろ好きで、惚れっぽい性格です。
ですが、女性に接するとき、これでいいのか? 正しい接し方なのか? 特に最近はセクハラなど煩いので、緊張してしまいます。
で、表面だけの付き合いで終わってしまう。
女性だけではないかもしれません。
常に人の顔を伺い、いま間違ったことをいってないか? とか、相手が怒ってないか? とか、別れたあとに、あんなこと言って良かったのか? とか、あれはまずかったかな? とか考えます。
なんなら会う前に、こう言おうとか、ああ言おうとか、こう言われたら、こう返そうとか、事前に頭のなかでシミュレーションすることもあります。
それ、結構疲れるんです。
なんでこんなに人を気にするのか、特に女性に対して、恐らく子どものころの、「あれ」が影響していると思います。
思い出しました、幸せだと思っていた実家ですが、本当は出ていきたいほど嫌だったことを。
子どものころの実家は、喧嘩の耐えない家庭でした。
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