論語と算盤 志と天命
こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いて、自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てる人間になれることを目指しています。
最近、NHKオンデマンドで「100分de名著」を楽しんでいます。リアルタイムでは見たことないのですが、今は伊集院光さんが司会をしているのですね。
さて、大河ドラマで一躍時の人となった渋沢栄一の著書、「論語と算盤」の回。
ゲストは中国古典の翻訳家、グロービス経営大学院特任教授の守屋淳さん。大変わかりやすい解説でした。
よく知られたこの言葉に、大変面白い解説をします。
子曰く、
吾十有五にして学に志す。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳順う。
七十にして心の欲する所に従うて、矩を踰えず。
ここで出てくる、「志」と「天命」の違いをこのように解説します。
「学に志す」とは
〜 高い やる気と気概
若い時は、高い志をもって勉学に励み、あらゆることに挑戦し経験を積むということです。大言壮語のようなものであっても構わない。大きな志を持ちなさい、そして勉学に励みなさい、と孔子は若い人に様々な言葉で説いています。
「天命を知る」とは
〜 自分の限界を知った上でやるべき事を見つける
この解釈が秀逸だと思いました。
15歳で志を持ち懸命に生き、40歳でさらに惑うことなく一心不乱に働きます。
そして迎えた50歳でようやく自分の限界を知り、その範囲でやれるべきことを行なって人に貢献する。
これを天命と言っているのです。50に近づいている私は、思わず「う〜ん」と唸ってしまいました。
私はまだ自分の限界を決めてはいません。
いや、むしろ限界を決めたらそこで成長がストップ。
その後は廃人のようになってしまうのではないか、極端な話、
そんな風な強迫観念のようなものがありましたが、この解釈を知り、
天命とはこういうことなんだ、と肩の荷が少し降りた気がしました。
まだその域には達していないですが、少し先のことがクリアになった気がしました。
さて渋沢はどうだったのでしょうか。
徳川慶喜が大政奉還をした後、大蔵省を辞め、「論語で人生を貫いてみせる」(=商業道徳)という志で民間へ身を投じました。その活躍は周知の通りで500近くにのぼる企業や団体の立ち上げに携わりました。民間事業はまさに渋沢の天命だった、と語っています。
そして次のようにも述べています。
高い志を持ったら、達成しにくい。その過程で達成しようと努力する中に価値がある。
超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルが違う、価値ある生涯を送ることができる。
まさにこれ天命かな。
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