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君子は泰にして驕らず。小人は驕りて泰ならず(論語 子路)

(意味)

 君子は自信を持ちながら、しかも謙虚である。小人は傲慢でありながら、そのくせ自信に欠けている。

人の上に立つ者は、特に謙虚でなければならない。

「謙虚さ」は、孔子の理想とする人徳のうちの一つです。いかに才能に溢れ、アクティブで優れたであっても、履き違えて傲慢な態度でいると、いずれ諫言する人も居なくなり、かつてその優秀さで成果を上げていたものの、新しい考え方が周囲から入ることなく、やがてパフォーマンスが低下する要因になりかねません。
 「謙虚であること」とは、有能でありながらも人の意見に耳を傾けられること、という要素が強いのです。

独善的カリスマ?

 かの Steve Jobs は、その言動、時に厳しく罵声をあげるような部下に対する接し方から、非常に唯我独尊的な人物と捉えられることがあります。一方でこの稀有なリーダーには柔軟なところがあり、そして、納得さえすれば、謙虚に人の意見を受け入れる人物だったようです。 
 一見、独創的カリスマの頭の中をそっくりそのまま具現化した商品がAppleを牽引しているように思われがちですが、AppleTVの基本コンセプトや、iPhoneの強化ガラスなどの一部実装技術などは、Jobsが否定的だった考えですが、実際にはそれが採用され、ヒット商品となっているのです。
 Jobsが新しい考え方、自分とは違った意見を一切採用しない人物であったなら、Appleの商品群もまた違った形で具現化されていたのかもしれません。

 また、Steve  Jobs に意見を聞き入れさせるには、実はコツがあった、という面白い論文があります。詳しくは、ハーバード・ビジネス・レビュー (August 2021) の
「耳を貸さないリーダーに聞く耳を持たせる方法」
を参照ください。
(リンクが貼れるようになったら更新します)

(参考、引用)

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