パリ買付け旅日記④マレはいいとこ一度はおいで
1月3日から12日まで、恒例のパリ買付け旅に行ってまいりました。その記録と共に現地で考えたこと、気付いたことを日記形式でまとめております。何かのヒントや何となく面白いと思って頂けたらしめたもの、通勤通学の暇つぶしにでもして頂ければ幸いです。マガジン形式にしておりますので、バックナンバーなどはこちらからどうぞ↓
今回は4日目の模様から。
この日は日曜日ということで朝からマレ地区へ向かいます。最寄りのSaint-Sebastien Froissart駅へ。
パリ市内は日曜がほとんどお休みなのですが、マレ〜北マレはユダヤの人たちが発展させた街なので商習慣が違い、日曜日も営業していて賑わっているんです。お洒落な地区ということもあって市内から多くの人が集まってきます。ちなみに地域のランドマークになっているセレクトショップmerciは逆に日曜休みなのでご注意を。
以前は無かった車の侵入制限のゲートが。デモの影響?
マレはピカソ博物館やギャラリー通りがあったり、落ち着いたアートの街といった一面もあります。それでいて学校が複数あって子供たちが楽しそうに歩いていたり、生活感もあって安心できる場所です。LGBTに寛容な地区としても有名なんだとか。
この日はハープ弾きのパフォーマーが音色を奏でていましたよ。以前は流しのギタリストみたいなグループも居たり賑やかです。僕は手前のお母さんのコート素敵だなぁという方に目が行ってしまいました。職業病。
メインの通りにはチェーン店から個店まで、ヨーロッパ式のうなぎの寝床作りのお店がズラリ。店構えだけ見て「小さそうだな」と思っても入ると何この空間?という感じなので、ぜひ突入してみてください。
Tシャツが本当に気持ちいいこのお店なんかは、奥行きはないけど在庫が地下にあるらしく急に下から人が出てきた時はビビりました。
お店もとりあえずひと通り見て、遅めの昼食を摂ることに。この日はキッシュロレーヌをオーダーしたのですが、、
いやボリューム!ワンカットでこの大きさってどんなサイズで焼いてるのか。味はとっても美味しかったですよ。
大食漢といえばイタリアがイメージされますが、フランスも結構なもの。とにかく一人前がすごい量。付け合わせのサラダやポテトもこれでもかという感じですが、マダムもご年配もペロッと食べちゃう。ひと月居たら確実に肥えて帰ってくること間違いなしです。
スウィーツもとっても美味しそう。ひと月居たら確実に(略
ヴォージュ広場のこちらのカフェ、雰囲気も良くオススメです。
ちなみにヴォージュ広場は地下鉄Saint -Paul駅の近くにある公園。地域の憩いの場にもなってるようです。以前TV番組「アナザースカイ」今井美樹さんの回で、初夏の広場で芝生に寝転がっていましたね。今度は違う季節にも訪れてみたいなぁ。
ということで買付け&下見再開。
馴染みのお店から新しいお店まで回っていきます。
この大きくない通りに賑わってる感じ、好きです。ウィンドウショッピングしてるだけで楽しめます。
今期の人気ルック。
トップは短めにしっかり存在感、ボトムは動きのある素材で軽めに。これも実際にパリで確認することに意味があるんです。日本に入ってきてるのは都合よく切り取られた情報なんてことも結構ありますからね。
ふとした路地で、こんなクリエイターのポップアップショップを発見。面白そうなので入ってみることにしました。
パリのクリエイターのポップアップなんて絶対オシャレでしかない。というイメージ通り、なかなか面白いアイテムが並んでいる。特にこのワンピースなんていい感じじゃないかと思っていたら、、
デザイナーさんご本人登場!
うん、流石に上手に着こなしてらっしゃる。赤の使い方が上手ですね。リサーチはするけど、こういう偶然の出会いも楽しいものです。
正直、ラファイエットやプランタンといった百貨店を見て回っても予定調和なものしか見つからなくなってきました。これ日本でも似たのあるよね、みたいな。
洋服が昔ほど売れないというのは日本だけの現象ではなく、ファッションの本場フランスでもそう。みんな外したくないから売れ筋ばっかり作る→どこも同じようなアイテムばかりになる→ワクワクしないので余計売れなくなる、という負のスパイラルになっているのに何故気付かないのか。いや気付いてるけどチキンレースになってるのか。
それでも5年前くらいは、パリに行けばそこら中にワクワクするアイテムがある!というイメージだったんですけどね。ISによるテロは世界を色々と変えてしまったのかも知れない。アイテム探しがこんなに大変になるとは。
僕が業界関係者として出来ることは、面白いアイテムや本当にクオリティの高いアイテムを買い付けたり店頭で紹介することで、まだ世界にはこんなにステキな洋服があるよ!生まれているよ!ということを伝えていくことしかないと思っています。もちろん商売上として無駄のない品揃えにすることは当然ですが、大手では出来ないやれないことをやっていかないといけないのかなと。
80〜90年代のセレクトショップは、まだ見ぬ海外のブランドをこぞって紹介していて個人店でもオーナーが買い付けに行って、顧客をワクワクさせていました。それが2000年代になり、ネットの発達で「誰も知らないブランド」を見つけることは困難になってしまった。情報も取り放題だからデザインもパク…インスパイアされ放題。みんな同じようなデザインになってしまっています。
一周まわって、今こそ新鮮なブランドを発掘しにいくことに意味があるかなと思うんです。日本に居ても売筋のありきたりなデザインしか入ってこないから、WEBの情報だけでは分からない、拾えないことを自分の目で探しに行って、自分もクライアントさんもワクワク出来るようなものを紹介したいんです。
そういうものがまだパリには、このマレにはある。
だから毎年この街に来てしまうんだなと改めて感じました。
メインの通りもいつしかライトアップ。
思えばお昼以来全く飲み食いしていなかったな、と夜ご飯へ向かったのでした。
ー翌日に続きますー
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