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Nurse With Wound List掲載候補だったであろうバンド
The New Blockadersのルペナス兄弟は、TNBとしてレコードを出す前にBladder Flaskの名を使っていた。この時期の音源を2021年のNurse With Woundがリワークした『BACKSIDE』は、ペイントされたカンヴァスの破片が貼りつけられたハンドメイドスリーヴ盤として100枚ほど売りに出されただけだったが、このたびCD化が実現した。
CDにはNWWことスティーヴン・
今欲しいNurse With Wound
情報の小出しもできないくらい進みが悪い我がNWW研究。もうただの物欲リストだけど、こうして記事にした。過去に手放したもの多し。この10年くらいで中古市場も変わった。とにかく高いし数が少ない。
スティーヴン・ステイプルトン曰く「真のファースト・アルバム」な『Homotopy To Marie』の92年再発CD。ジャケットがオリジナルから、ジュリー・クルーズがデヴィット・リンチのプロデュースで作った
Nurse With Wound 2023年のリリース
2022年6月にこんな記事を上げてから1年と少し。再発のリリースは相変わらず多く、春にはダブリン市にある"GaralleyX"で初の単独展となる『Formless Irregular』が開かれた。この間に発表されたアイテムを以下に記す。円安がひどいこともあり集めるのは困難を極める。情報の多くはコレクター仲間からの提供によることを留意されたし。
※2023 11/24 『Salt / Salt Ma
Nurse With Wound年表
NWWの年表ページをホメパゲ(個人サイトのこと)内に作ったはいいが、さっそく更新を怠っている。忙しさのせいだが、またNWW関連の仕事が増えるか増えないかの話が出ているので、こちらも再開した方がいい気がしてきた。事実を書くページなのにウンチクも添えたりして、いかにも個人のページっぽいと我ながら思う。
年表でサラッと書くには語弊がある事実もある。追加取材で判明したのだが、80年代末に近畿地方から移住
『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』英訳作業進捗+論考 Nurse With Wound history
※誤字脱字や文章の乱れなどは逐次直します。以下目次。
・英語版制作の心得
・2020年代-:ラディカル・インディヴィデュアリズム
・10年代-00年代:ロマンス、ノスタルジー、憑在論
・90年代:はぐれニューエイジ・トラヴェラー
・80年代:ポストパンク・コモン
・60年代-70年代:動乱の時代の索引としてのNWWリスト
・活動支援募集
英語版制作の心得
『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』(以
スティーヴン・ステイプルトン (Nurse With Wound) インタビュー 『FEECO』vol.1 掲載分(2018) 編集版 Pt.1
前回に続いて『FEECO』創刊号収録記事をアップ。2017年にアイルランド西部のクールータで敢行したスティーヴン・ステイプルトン(Nurse With Wound)へのインタビュー。長くなってしまうのと『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』と重なる部分があるため、同書に掲載されなかった箇所を中心に公開する。例によって質問と回答を読みやすいように校正し直した箇所がある。
本編-アイルランドに移住するきっ
スティーヴン・ステイプルトン (Nurse With Wound) インタビュー 『FEECO』vol.1 掲載分(2018) 編集版 Pt.2
前回に続いて2017年にアイルランド西部のクールータで敢行したスティーヴン・ステイプルトン(Nurse With Wound)へのインタビュー転載。
本編-ジム・サールウェル (FoetusことJG Thirlwell)最初期のレコード裏面には、北ロンドンにあるあなたの実家の住所が記載してありますが何故ですか。
当時はジムもウィリアム・ベネットも定住所を持っていなかった。 手紙のやり取りが大変
Nurse With Wound list再考② 憑在論(Anarchy)の視点より
Nurse With Wound リスト(以下・NWWリスト)の膨大なラインナップは今日でも振り返るに値する内容であるが、新奇な音楽、つけくわえればDJ的な「使える音楽」という視点からの再評価は2010年代のアナログ再発ブームによってそれなりに進められたと思える。リスト作成者たるスティーヴン・ステイプルトンとジョン・フォサーギルが「1970年ごろから79年前半にかけて」集めていた音楽から選出された
もっとみるNurse With Wound 2020年以降のリリース
全体的に研究記事の更新が滞っているので、息継ぎ代わりのNurse With Wound情報を。COVID-19のパンデミックと北半球的な政情不安が深刻化しようとも不断の創作を続けているスティーヴン・ステイプルトンだが、その欲望のアウトプットには作り手の意思が(これまでと同じように)希薄である。ほぼ毎日生み出されているであろうそれらは、過去作の再発盤や超限定アイテム用のアートワークとしてお披露目され
もっとみるSteven Stapletonが日本の音楽を(少しだけ)耳にした + Voice Recordsのこと
前回の最後に書いたように、今回は筆者が2018年10月にSteven Stapleton(NURSE WITH WOUND)の自宅を訪ねた際、持参した日本の音楽を一緒に聴いた時のことを記す。場所はSteveの工房、馬小屋の隣にある小さな家屋。ライヴ時の物販スペースで売る予定のCDをパッケージする作業時のBGMとして流した。用意したものの半分ほどしか流せなかったほか、彼の感想も録音していなかったの
もっとみるNurse With Wound サンプリングあれ、これ
※(2023年12月大幅に加筆修正)
Nurse With Wound(以下NWW)の音楽とアートワークが複雑怪奇極まるところは少しでもカタログを眺めてみればおわかりの通り。しかし、長く接した上でそれらを並べてみると、今度は作品間を繋ぐ共通項というか、NWWを成立させる不文律のようなものが見つけられる。ナンセンスというセンス、あるいはユーモアとも呼べるそれはNWW世界にとっての整合性を担保する
Nurse With WoundリストとFille Qui Mousse
Nurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードから部分的に抜粋するコーナー③
Nurse With Woundのファースト・アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』(1979)には一枚のインサートが封入されていた。ファンの間でNWWリストと呼ばれるそれには、