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Nurse With Wound ナース・ウィズ・ウーンド

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『ナース・ウィズ・ウーンド評伝 パンク育ちのシュルレアリスト・ミュージック』(DU BOOKS)関連の記事 https://diskunion.net/avant/ct/deta もっと読む
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Nurse With Wound 2020年以降のリリース

Nurse With Wound 2020年以降のリリース

全体的に研究記事の更新が滞っているので、息継ぎ代わりのNurse With Wound情報を。COVID-19のパンデミックと北半球的な政情不安が深刻化しようとも不断の創作を続けているスティーヴン・ステイプルトンだが、その欲望のアウトプットには作り手の意思が(これまでと同じように)希薄である。ほぼ毎日生み出されているであろうそれらは、過去作の再発盤や超限定アイテム用のアートワークとしてお披露目され

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Steven Stapletonが日本の音楽を(少しだけ)耳にした + Voice Recordsのこと

Steven Stapletonが日本の音楽を(少しだけ)耳にした + Voice Recordsのこと

 前回の最後に書いたように、今回は筆者が2018年10月にSteven Stapleton(NURSE WITH WOUND)の自宅を訪ねた際、持参した日本の音楽を一緒に聴いた時のことを記す。場所はSteveの工房、馬小屋の隣にある小さな家屋。ライヴ時の物販スペースで売る予定のCDをパッケージする作業時のBGMとして流した。用意したものの半分ほどしか流せなかったほか、彼の感想も録音していなかったの

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Nurse With Wound サンプリングあれ、これ

Nurse With Wound サンプリングあれ、これ

 Nurse With Wound(以下NWW)の音楽とアートワークが複雑怪奇極まるということは、少しでも作品に触れてみればおわかりの通りである。一歩進んで、それらを並べてみると、今度は作品間の共通項というか、NWWを成立させる不文律のようなものが見つけられる。それはユーモアとも呼べるし、ある種の整合性として機能している。音楽はレコードジャケットの中で鳴っているように聞こえるし、その逆も然りという

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Nurse With WoundリストとFille Qui Mousse

Nurse With WoundリストとFille Qui Mousse

Nurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードから部分的に抜粋するコーナー③

Nurse With Woundのファースト・アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』(1979)には一枚のインサートが封入されていた。ファンの間でNWWリストと呼ばれるそれには、

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Nurse With Woundのある曲でドラムンベースが使われているのはなぜなのか

Nurse With Woundのある曲でドラムンベースが使われているのはなぜなのか

Nurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードから部分的に抜粋するコーナー⓶

2006年に発表されたNurse With Wound『Rat Tapes One』は、1983年から2006年までに「廃棄」された音楽の残骸をパッケージしたアルバムだった。いわばお蔵入り音源集なのだが、ここに1曲、古くからのリスナーを混乱させるものがある。

NWWにしては珍しいどころか過去に

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Nurse With Woundはなぜ実在の酪農企業からレーベル名をとったのか

Nurse With Woundはなぜ実在の酪農企業からレーベル名をとったのか

近刊予定のNurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードを部分的に抜粋するコーナーです。

Nurse With Woundが公式にデビューしたのは、アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』をリリースした1979年6月のこと。録音は78年9月で、リリースまで半

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Nurse With Wound List再考

Nurse With Wound List再考

その音楽やアートワークと並んで、いやもしかしたら、それ以上にNurse With Wound の名を広めたかもしれない一枚の紙、それが彼らのファースト・アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』に封入されていた、通称NWWリストである。これはメンバーであるスティーヴン・ステイプルトンと

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『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』出版のお知らせ

『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』出版のお知らせ

『ナース・ウィズ・ウーンド評伝 -パンク育ちのシュルレアリスト・ミュージック-』をDU BOOKSより上梓します。79年から今日まで活動するナース・ウィズ・ウーンド(Nurse With Wound)ことスティーヴン・ステイプルトンの個人史を、本人や関係者たちの証言と過去の資料から辿ります。
主なトピック:60年代末のフランスやドイツで芽生えた「ラディカルな」音楽との出会い、パンク前夜のロンドン・

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『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』選外作品

『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』選外作品

2021年1月29日発売予定の『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』収録のディスクガイド部分には、Nurse With Wound (NWW)のディスコグラフィや高名なNWWリストに明記されているバンドの一部を掲載している。両者を網羅するとなると、新たに一冊の本を作らねばならない。したがって『評伝』では120枚ほどに留まっていることをここに記しておく。
本記事では『評伝』本文で内容に触れていなかったり、

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