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幸福度を向上させることは可能か: ハーバード大教授の提案を自分で実験

 「ハーバードの教授だけど「幸せについて」質問ある?」というWIRED Japanがアップロードしている動画を、公開されて間もない頃にみた。

 この動画の中に「年齢が幸福度に与える影響」(七分十五秒ごろから)という話題がある。それによると二十代前半から四十代後半か五十代前半までは幸福度が下がる。けれども、五十代前半から七十歳ぐらいまでは幸福度は逆に高くなる傾向にあるようだ。
 幸福度合いを十段階で評価したとき、十が一番幸福とする。最も幸福度が下がる四十代後半か五十代前半では、幸福度は八から七へ下がるそうだ。顕著な低下ではあるが、大きな問題ではないと言われていた。とはいえ、これを見て、私は今どんどん幸福度が低下している年齢なのだと知った。そしてもうすぐ、最も幸福度が低い年齢層に突入するのだ。

 私はこれまでの自分のことを振り返り、自分が幸福度が一番下がっていく年齢なのかと妙に納得してしまった。それで、そういった事実になんとかあらがおうと同じ動画の中にあった「やってみると十週間後に十五から二十五%幸せになる方法」をやってみることにした(二分三十四秒ごろから)。
 この方法は、日曜日の夜に最も感謝していること五つをリストとして書き出し、その後、次の土曜日まで毎日このリストを見返すというものだ。一週間サイクルで繰り返す。この効果は、メタ認知で感情をコントロールすることが鍵を握るという。メタ認知とは、自分が認知していることを客観的に把握し制御することだ。作業自体は簡単なので、この動画を見た後からずっとやっている。やり始めてから、だいたい三か月ぐらい。十週は経過している。
 やってみた感想は、以下のようになる。これをやると、日中、常に感謝の気持ちで溢れたり、幸福度が増すことを感じるということは今のところない。けれど、今の自分の環境や周りの人に対して、負の感情が暴走することはかなり少なくなったように思う。また、女性は毎月、ホルモンバランスが崩れることから感情が不安定になることがある。そういった時に私はやっぱりイライラしやすい。けれど、「そうは言っても今の状態はありがたいよね」と自分を落ち着かせることが前よりも上手くなった気がする。

 これまでは週に一回リストを作り、毎日見直す作業について述べてきた。一方、毎日感謝リストを作るという作業もよく推奨されているのを耳にする。そのどちらについても、根拠となる論文(一時情報)まで自分で調べていないので、あまり質の高いことは言えず恐縮なのであるが、この二つは何が違うのかなと自分なりに妄想をしてみた。
 「週に一回感謝することを五つ書き出し、それを毎日見る」ことは「今の私の状態」に。「毎日感謝することを三つから五つ書き出す」ことは、「その日というポイントの私の状態」に焦点を当てるのではないだろうか。つまり、「状態という少し長い期間」と「その日という短い期間」の私について、それぞれメタ認知を働かせていることにならないだろうか。もしかすると鍛えられる視点が、少し変わるのかもしれない。だから「週に一回感謝していることを五つ書き出し、それを毎日見る」という行為は幸福についてのテーマで、「毎日感謝したいことを三つから五つ書き出す」という行為は自己肯定感を上げることについてのテーマで引用されたのかもしれない。(堂々と書いているが、ここは あくまでも妄想だ)

 心の状態に対しても主体性を持って関わっていく。それはメタ認知の力によって、感情を脳の前頭前野で味わうことだ。どんな頻度でやるのかは、自分が心の状態をどのように保ちたいのかで変えればいいのかもしれない。私は毎日書き出す作業はやってみたことがない。自己肯定感を上げたいときは、チャレンジしてみるといいのかもしれないなと思った。けれど、毎日書くのは面倒臭くなっちゃうんだよなぁと遠い目になるのであった。

 

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