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記事一覧
けしか欄002(2021/01)-2
↑前回です。
遅くなってて、申し訳ございません。
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続けざま回送バスを見送って 行けない場所がこの世にはある
/伊奈
「回送バス」っていうものの質感、の歌だなと思います。知らなきゃどこに向かってるのかわかんない、でも間違いなくどこかへは行っている、もので、それを見て「行けない場所がこの世にはある」と思うこと、はすごくわかります。(よくもわるくも)ベタだなー、
けしか欄002(2021/01)-1
ご投稿ありがとうございました。評、遅くなってすみません。
今回も以前の企画同様、ご投稿いただいた歌を作者を見ずに選をして、評を書きました。すべての歌に評は書いてます。上の方はいいと思った順に、途中からは投稿が来た順に並べます(切りかえるとこでわかるようにします)。
また、最近の「終わったな」な出来事についても教えてくださりありがとうございました。好きだったものを最後に公開します。
やって
けしか欄002 募集します
よろしくお願いします。
過去開催記事はマガジンから
けしか欄001(2020/06)-10
続けます。
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ど田舎の夜は透明度高くてコイン精米機に襲われる
/中村佐貴
「透明度」おもしろいなー、と思います。「明るさ」だったら、街灯の少ない「ど田舎」の夜は暗いんですけど、でも「透明度」は高い感じ、はわからなくもないかなという気がします。夜の透明度、という概念をなんとなくで納得させられる感じ、おもしろいです。
で、あの急にやたらあかるい「コイン精米機」が
けしか欄001(2020/06)-9
続けます。
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ORじゃなくANDがいいね新しく買ったソファは2人掛けだし
/龍也
この「OR」「AND」の表記からは、英単語というより論理回路っぽさを感じます。どちらかひとりだけじゃ正(ポジティブ)の出力にならなくて、ふたりでないといけない。と言ってしまうとただただ甘々な感じですが、そこを論理回路的用語を持ち出して言うことによって、つまり変換を挟むことで、そ
けしか欄001(2020/06)-8
続けます。
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渋谷には美しすぎた。スーダンの青年は夏黒く艶めく
/吉澤匡馬 (よしざわきょうま)
なんで「スーダンの」ってわかったんだろう……。ざっくりと、人種というところは外見から推察できるのはわかるんですが、国まで断定できなくないですか? なんで、を考えると、まあ本人から聞いたと思うと一番間違いないですね。それくらいには距離感が近い相手であると捉えたほう
けしか欄001(2020/06)-7
続けます。
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撒きでつくった虹もうつくしく、きみの生まれた夏がまた来る
/小泉夜雨
この歌、すみません、たぶん「水撒き」だろうと思っているんですけど、この状態で届いたので、この状態で評します。
「つくった虹」なわけですから、自然に発生した空の虹に対して言わば偽物なんですよね。でも「うつくし」い、とこのひとは感じていて、そのことが、下の句の内容にうまく絡んでい
けしか欄001(2020/06)-6
続けます。
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押入れよりとりいだしたる扇風機16回の夏を迎える
/特上あいう
扇風機を使ってきた年月、ってたしかに覚えないな……って思ったんですけど、この歌は覚えてるひとの歌なのにここが「たしかに」って感想だったの すごい体験だったのかもしれないと今思ってます。
1,2年ならまあわかる。まだ2回目、3回目だな~ってなるならわかる。でも、数字が増えるにつれて
けしか欄001(2020/06)-5
続けます。
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金髪のあなたとだれかがキスをする mortalityの類義語として
/帷子つらね
「あなた」に対するけっして綺麗ではない感情……をどうにかこうにか、迂遠に描いていくことでごまかしていながら同時にしっかり言ってもいる歌だと思いました。
身も蓋もないんですが、「死ね」って言ってる、ように読めるんですね。この下の句は。それに対応する上の句で描かれてい
けしか欄001(2020/06)-4
続きです。
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泣きながら啜るラーメン砂漠では涙も砂で拭うのかしら
/枝豆みどり
雑すぎる「砂漠」の認識が、泣きながらラーメンを啜るという特異なシチュエーションから導かれたこと、の抒情らしきものが見えてくる歌だと思いました。なんでこのタイミングで砂漠のこと考えたんだというツッコミ、そんなわけないだろというツッコミが真正面から入れられ、すぎる、気がします。不可解
けしか欄001(2020/06)-3
続きです。
ここからは、ご投稿いただいた中から私が【選ばなかった】歌の評を書きます。
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条件の多い大衆食堂で夜食の麺をすするモナリザ
/きくち病院
『注文の多い料理店』の変奏のような「条件の多い大衆食堂」という舞台設定の上で、なんでしょう、継ぎはぎみたいに「夜食の麺」と「モナリザ」がくっついているようなイメージが浮かびました。
おもしろい、とは思いますが、
けしか欄001(2020/06)-1
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました。
今回も以前の企画同様、ご投稿いただいた歌を作者を見ずに選をして、評を書きました。すべての歌に評は書いてます。上の方はいいと思った順に、途中からは投稿が来た順に並べます(切りかえるとこでわかるようにします)。
また、最近の「終わったな」な出来事についても教えてくださりありがとうございました。好きだったものを最後に公開します。
よろしくお願いしま
けしか欄001(2020/06)-2
↑「-1」です。引き続き。
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けろけろと振れば稼げる万歩計、掴んでしまい、置いてしまった
/御殿山みなみ
【意志の】【弱さ】……?ってなる歌でした。
万歩計はその仕組み上、本当は歩いていなくても手で持って振れば歩数を「稼ぐ」ことができる。というのはわかるし、この歌は端的に言えばそれをやろうとしたけどやらなかった、ということを言っている歌だと読めます。
おもし
空港ポスト003-後編10 19/12/17~19/12/25
続きです。
よろしくお願いいたします。
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ドット絵に近い姿の学生がスーツを着たまま筋トレをする
/若枝あらう
スーツのあの画一的な、それを着ている人物の解像度が下がるイメージ、が「ドット絵」に変換された、うえで、それを「着たまま筋トレをする」の着替えてやれよ……な謎行動を起こしている、というおもしろさの生み出し方が良かったです。「学生」を逆にカラフルなイメ