けしか欄002(2021/01)-1

 ご投稿ありがとうございました。評、遅くなってすみません。
 今回も以前の企画同様、ご投稿いただいた歌を作者を見ずに選をして、評を書きました。すべての歌に評は書いてます。上の方はいいと思った順に、途中からは投稿が来た順に並べます(切りかえるとこでわかるようにします)。
 また、最近の「終わったな」な出来事についても教えてくださりありがとうございました。好きだったものを最後に公開します。

 やっていきますので、よろしくお願いします。

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札束をATMが数えてる時間にやれることは何もない
/カラスノ

 なんだろう、この、事実じゃないけどほんとう、な感じ。なにか、ならできるんですよ、たぶん。ちょっとスマホの通知確認するくらいなら。あの短い時間にでも、可能ではある。でもやらないよなー、とも思う。ATMの内側で数えてるから見れないんだけど、なんか目を離せない感じ。自分の金だから、というのもあるけど、なんか動いてる機械を見ていたくなる、本能なんですかね?、わかると思います。

 結果として【ほんとう】になる「やれることは何もない」の、時間がただ経過している、感覚がすごくおもしろいと思いました。見えないけど見ちゃう、なにかしようとしてもできない、ただ過ぎるだけの時間が、そのままこの文字数として現れている、ように感じることができる。

 内容に共感できる、のと同時に、主体と読者が同じ時間を過ごせる、ことの並走がひとつの説得力であり魅力になっている一首だと思います。

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 ありがとうございました。次更新分までが、今回の僕の【選んだ】歌になります。続きはまた後日投稿しますので、いましばらくお待ちください。
 よろしくお願いいたします。

平出奔
Twitter:@Hiraide_Hon
Mail:hiraidehon@gmail.com

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