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みんなで地球を助けよう⑥:常温冷却の小型原子炉研究が米国では進んでいる⁉

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水素は、化石燃料に代わる主力燃料として非常に有望だと思っています。

しかし、水素が、温室効果ガスの排出を削減する救世主になるためには、水素を作りだす方法に課題があること、もう一つは、経済合理性、つまり安く電気を供給できるかに問題があります。

前回、水素価格を安くする方法として、原子力発電を活用して、原子力で水素を製造することが期待されている話をしました。

今回は、日本では議論することすらタブー視される原子力発電について考えてみましょう。

✅原子力産業を成長産業に分類

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「グリーン成長戦略」より抜粋

政府の「グリーン成長戦略」において、原子力発電は、水素製造用での活用としても有望として、成長の14分野の中にも「原子力産業」として記載されています。

少し、政府が成長分野としている14分野を見ておきましょう。

この図の
1番から4番が、エネルギー関連分野
5番から11番が、輸送、製造関連分野
12番から14番が家庭、オフィス関連分野
に分かれています。

オレンジ色の枠が、足もとでの成長分野
青色の枠が2030年に向けての成長分野
紺色の枠が2050年に向けての成長分野
に分けられています。

4番の原子力産業は、2050年に向けた成長分野としていますが、福島原発事故のこともあり、単に面倒なものを先送りしているようにも見えます。

そうこうしている内に、この表の中にも書いてあるSMR、スモールモジュラーリアクターと呼ばれる、小型原子炉の実用化に向けて米国のベンチャー企業がどんどん台頭してきています。

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SMR、小型原子炉に関して「グリーン成長戦略」の中では、どんな風な記載があるのでしょうか?こんな風に書いてあります。

SMRは、炉心が小さいために自然循環を使用した原子炉の冷却機構など、自然原理を安全設備に取り入れてヒューマンエラーや機器故障による停止を回避することが可能でシステムのシンプル化を通じて、安全システムの信頼性を高めることを狙う。

SMRが採用している安全性・経済性向上に向けた革新的設計については、一部に技術開発・実証が必要であるとともに、米国が世界に先行して安全基準類や工業規格類の策定を進めている状態である。

米国に加え、英国、カナダ等では、SMRの実証炉建設、その先の第三国への展開に向けたプロジェクトが進行中である。

「グリーン成長戦略」より引用

ここまで書いているのに、なぜ日本政府は、SMR建設を推進してカーボンニュートラル社会をつくるぞと宣言せずに、米・英・カナダの動きを見ているだけなのでしょうか?

世界で主流の加圧水型原発(PWR)の最新型に比べSMRの出力は6万キロワット程度で約25分の1、炉心の大きさは20分の1だそうです。

100万kwの大規模火力発電所が、家庭だけに電力を供給することを想定すれば288万世帯分の電力を供給できます。

6万kwなら、単純計算で17万世帯分です。

公共部分の電力供給を考えると、SMRでは人口4~5万人の自治体分の電力を賄う小規模電力に過ぎません。

世の中は、コロナ、コロナで、コロナ禍の対応が1番の優先事なので、気候変動問題についての優先度が高いとは思えません。

首相がいくら「カーボンニュートラルの実現」と言っても、「水素だ」「SMRだ」と国民に説明してくれる政治家が皆無なので、官僚さんも気を遣って2050年に向けて課題先送りにしているのは残念なことです。

✅米国はSMRをモジュール設計で標準化

政治家が議論を避けている内に原子力技術でも日本は大きく遅れてしまいました。

日本が得意としてきた原子力発電所は、一つひとつが1点もので建設されてきた大型原子力発電所で、工期が長くなりがちで品質保証のために何重もの確認・認可試験を経てつくられてきました。

現在米国で実証が始まっているSMRは、米国らしく全体最適と標準化の発想からモジュール建築の手法を最大限取り入れた標準化のアイディアが生まれ、型式認証という方法で設計認可の取得が進んでいます。

これによって全体を一括で「工場生産+組み立て+輸送+設置」するという手法まで生み出しています。

SMRは単に電力供給という目的だけでなく、水素製造も目的に含まれています。

一方、日本は、2011年3月から原子力に関しては思考停止に陥りました。

私たち日本人は、原子力とどう向き合っていけばいいのでしょうか?

小型原子炉は、本当に安全なのでしょうか?

私たち日本人は、原子力活用を放棄したまま、どんな風にして2050年カーボンニュートラルを実現していくのでしょうか?

揚げ足取りの国会質疑をやめて、野党は、今こそ、2050年に向けてどんな施策でカーボンニュートラルを実現していくのか?

その議論を与党に仕掛けてください。

コロナ禍で政治も身近になりました。
WEBで見える情報も増えてきました。

これからの日本の国際競争力を左右する「水素」「燃料電池」「電力の地産地消」に関連して、河野大臣が仕切って進めている「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」の会議がWEB中継され、録画もユーチューブで公開されています。

積極的な質疑が繰り返されるこの会議中継は、日本の社会構造や地方自治の在り方、日本が発展していくための産業構造転換の在り方を考えさせてくれます。

よろしければ、一度ご覧ください。

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