百物語33話目「心霊写真の障り」(実話怪談)
我が娘、むっちゃんの話だ。
我が家にはルールがある。
代表的なものとしては、夜お風呂で実話怪談を読まない。
水場だからね。寄ってきちゃうんだよね、多分……。
で、このルールができたきっかけの出来事。
実話怪談の「新耳袋」が私は大好きだ!
作者の木原さんのイベントも中山さんのイベントにも参加したことがある。
で、この新耳袋はいつもカバーを外すと、話のネタに関係ある写真が載っていたんだけど……
ある日、まだ保育園児のむっちゃんとお風呂に入ってたときだ。このときはまだ、私は夜お風呂で実話怪談を読んでいた。ゆっくりできるのって、バスタイムくらいなのだ。
で、何巻かは忘れたけど、カバーを外すと本に出てきた心霊写真が掲載されていると言う。
「見てみよ」
何も考えずに、カバーを外して心霊写真の男と目が合った途端、いきなりむっちゃんが爆泣き始めた。
「ど、どうしたの?」
お湯をかきあつめるようにするむっちゃんに聞く。
「ぼとぼとぼとって、ぼとぼとぼとって……内臓が全部落ちた~~!」
ということがあったので、夜の風呂での実話怪談は封印したのだ。
保育園児が内蔵?と思うかもしれないけど、むっちゃんは内臓とかが好きな子だったのね。
当時流行ってた骨子の分冊(週ごとに骨とか内臓とか届いて骨格標品になるやつ)も買ってあげてたし。
それに同じ内臓好きなお友達と会ったときも、ふたりの初対面の会話は、
「どんな内臓が好き?」
とか言ってた子だからね。
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