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夏の白布温泉〜裏磐梯ドライブ|ご当地グルメと山の幸

これぞ夏!という彩度の高い景色が見たくて。今回は山形県の米沢(白布温泉)と、福島県の裏磐梯に足を運びました。

西吾妻スカイバレー

車が運転できないので一人旅のときは公共交通機関と徒歩で移動しますが、今回は家族旅行だったので新幹線+レンタカーを利用。やはり車があると旅程がぐっと自由になりますね。

まずは東京から新幹線「つばさ」で米沢へ向かいます。

旅の醍醐味といえば移動。といっても過言ではないくらい、車窓から景色のうつろいを眺めるのが好きです。

新幹線に乗り福島県へ入ると、もともと茅葺きだった屋根を赤いトタンで覆った民家が増えてくるように思います。

そんな家々を見ていると、日常を離れ遠くへ来たなと実感します。

物理的な距離がそこまで離れていなくても、生活圏の景色とのギャップが大きいと旅のわくわく感が高まりますよね。

東京⇄山梨の移動とかまさにそうだと思います。峠を越えると“国”が違うと実感させられます。

そんなこんなで米沢駅に到着。

米沢駅前

完全に個人的な見解ですが、「その町が本拠地の銀行はないけれど、信用金庫はある」くらいの規模の町を観光するのがいちばん満足度が高いように思います。

米沢もそのひとつで、他には岐阜県の郡上八幡や群馬県の桐生、愛媛県の宇和島などが該当するでしょうか。

もちろん一概には言えないですが、ほどよく栄えていつつも人でごった返しているわけではなく、文化的体験ができる町が多いように感じます。自分の趣味嗜好に合っているのでしょうね。

旅をしていると町の散策に夢中になり食事をないがしろにしてしまうことも多いのですが、米沢ではしっかりご当地グルメを堪能しました。

「熊文」の中華そば

山形はラーメンの消費量や外食費で全国一位となることが多いラーメン大国。お店も地元の方らしき人で賑わっていました。

奇をてらわない優しい味の醤油ラーメンって、意外と普段の生活で食べることがないんですよね。とてもおいしかったです。

食後は上杉神社に隣接するカフェ「和庭(なごみてい)」に移動し、「つや姫」と「うこぎ」のジェラートを注文しました。

「和庭」のつや姫とうこぎのジェラート

つや姫は山形のブランド米、うこぎは米沢の伝統野菜です。ご当地食材を使ったジェラートやソフトクリーム、売っているとついつい食べてしまいます。

うこぎは、よもぎとも違う独特なほろ苦さと草の香りがあり、これまでに食べたことのない味でした。個人的にはおいしかったけれど、好き嫌いはわかれるかなと思います。

腹ごしらえをして米沢のメジャー観光スポットである上杉神社周辺を一通り散策したら、いよいよ宿へ向かいます。

今回宿泊するのは米沢の中心地から車で30分ほど南下したところに位置する、白布温泉「東屋」です。

「東屋」の外観

今回の旅の最大の楽しみは、この旅館に泊まること。

東屋は「日本秘湯を守る会」に加盟しているほか、JR東日本が厳選した名湯「地・温泉」のひとつにも数えられています。

「東屋」のロビー

福島県との県境にも近い白布温泉は山の中にあり標高が高いため、8月上旬に訪れたにもかかわらず気温は28度ほどでした。

露天風呂に入っていても涼しい風が吹いてきて心地よかったです。

温泉は源泉掛け流しで、泉質は含硫黄-カルシウム硫酸塩泉。温泉成分が濃く、豊富な湯の花が舞う様子はまるでスノードームを見ているかのようでした。

貸切で入れる温泉が2つあり、予約などはなく空いていたら入れる方式。今回は運よくどちらも待たずに入ることができました。

チェックインしてすぐに温泉に入ったのですが、入浴後は眠気に襲われ夕食の時間まで部屋の畳の上でぐっすり眠ってしまいました。

みんな大好き広縁

町歩きが好きなのでアクティブな旅行はもちろん楽しいですが、宿泊に重きを置いて旅館で何もせずゆっくりと過ごすのも良いですよね。

ローカル番組をBGMにぼーっとする時間、最高です。

さて、お待ちかねの夕飯タイム。今回は「米沢牛のすきやきコース」を選択しました。

米沢牛のすきやき

すきやきが絶品だったのは言うまでもないのですが、それ以外のお料理もとてもおいしくて。

海が身近な県で育ったからか、山の幸にはいまだに新鮮味を覚えます。

特に印象に残っているのは「鯉のあらい」。あらいはお刺身をさっとお湯に通し氷水でしめたもので、ここ米沢や福島などでよく食べられている郷土料理だそうです。

鯉のあらいと刺身蒟蒻

鯉自体は食べたことがありましたが、生に近い状態でいただくのは初めて。

刺身蒟蒻もこうして食べると上品で良い味ですね。山あいの旅館ならではのお造り、旅に出た甲斐があります。

季節の野菜や白きくらげなどが入った冷汁、玉こんにゃく、枝豆豆腐などなど…どれもおいしくとても良い食体験になりました。

「東屋」夕食

お酒は日本酒を、と思ったのですが地酒はお土産として買ったので今回は「日本秘湯を守る会」限定の「秘湯ビール」を注文しました。

秘湯ビール

普段家ではエールを飲むことがほとんどなので、久々のラガーの味が染み渡ります。

日本で唯一ブナ天然酵母が使用されているビールとのことですが、クセはなく飲みやすい一杯でした。

お腹がいっぱいになってしまったので、デザートのスイカは部屋に持ってきていただくことに。

デザートのスイカ

夕食後に再び温泉に入り、湯上がりには冷えたスイカ。夏ですね〜〜〜。

外泊だと寝付きが悪いことも多いのですが、この日は温泉の効果か、日付をまたぐ前に寝て朝までぐっすりと眠りました。

次の日も早朝から温泉に入り、ちょうど空腹を感じたタイミングで朝ごはん。

「東屋」朝食

旅先の旅館やホテルでおいしい朝ごはんを食べているときは幸せですが、もう少しでチェックアウトだ…と少し切なさも感じるのは私だけでしょうか。

私たちの他にも宿泊客の姿はそれなりにありましたが、最初から最後までとても静かでゆったりとした滞在となりました。

次はぜひ冬にも訪れたいです。

廊下に飾られていたお花
野花でしょうか

2日目は白布温泉から裏磐梯の五色沼湖沼群を目指します。

途中の道路は西吾妻スカイバレーという山岳観光道路になっており、美しい山々や湖が見渡せる絶景スポットとしても知られています。

西吾妻スカイバレーからの眺め

晴れていたのでまさに夏休みといった景色を堪能できました。

福島県に入ると、ちょうど旬を迎える桃の販売所が目に入るようになります。野菜や果物の無人販売ってなんだか郷愁を誘いますよね。

休憩がてら立ち寄った「道の駅 裏磐梯」は多くの人で賑わっていました。

道の駅 裏磐梯

旅行というと鉄道で移動することを考えてしまう私にとって裏磐梯は決してアクセスが容易な場所ではないので、正直こんなにも多くの観光客が集まっていることに驚いてしまいました。

また少し車で移動すると、五色沼に到着です。

今回は癒されることが目的の旅行なので頑張ることはせず、五色沼のうち青沼とるり沼だけに足を運びました。

青沼
るり沼

上が「青沼」、下が「るり沼」という名前なのが納得の色合いです。沼と聞くと茶色い水面が頭に浮かぶので、こんなにきれいな沼もあるのかと感動しました。

海でも湖でも沼でも、綺麗な水のある景色はやはり心が洗われますね。

最後は福島市内の農園が経営する直売所兼カフェ「よつ葉のクローバーFARMERS GARDEN」で旬の桃のパフェを食べて福島駅から新幹線で帰宅しました。

「よつ葉のクローバーFARMERS GARDEN」桃パフェ

地のものを旬の時期にいただくってとても贅沢なことですよね。

今回の旅行は1泊2日のゆったり行程で、山形や福島へ訪れるのも初めてではないので新しい発見はそんなにないかと思っていたのですが、大きな間違いでした。

まだまだ知らない景色が日本には広がっているのだと再認識し、次の旅行へのモチベーションもぐっと高まりました。

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