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【風呂酒日和20-1】 中延記念湯(なかのぶきねんゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


坂の多い道をてくてくと歩いていく。
しばらくすると住宅街に記念湯が見えてきた。
まだ日の高い時間。ぽかぽかと気持ちいい陽気の中、暖簾をくぐる。

タッチセンサーの自動ドアが開くとすぐ右手が受付だ。
優しそうなおじさんがいらっしゃいませと声をかけてくれる。
貸しタオルはありますか?と尋ねると、手ぬぐいをぬっと差し出してくれた。「バスタオルは?」と聞かれ、レンタルの料金表があるかなと周りを見渡していると、穏やかな口調で「どっちも無料だよ」と言いながら、バスタオルも貸してくれた。ありがたい。

入浴料を支払い、タオルを受け取って奥に進もうとすると「サウナも無料で入れますからね。よかったらどうぞ。」とおじさんが言う。
なんてこった。惚れそう。


ちょろすぎる私はタオルを抱え、るんるんと脱衣室に向かう。
入って、びっくりした。
広い。そして明るい。
上の方に窓が多い脱衣室には、時間帯も相まって爽やかに自然光が差し込む。広々とした空間に、長椅子とテレビが置いてある休憩スペースもある。
そして左手にある浴室とは反対、右手には別空間の開放的な露天が見える。
清潔綺麗で広々、タオルが無料で、露天があって、サウナまで無料...。
ここは天国だろうか。

入る前から召されそうな私の目に、もう1つすごいものが飛び込んできた。
おもちゃが置いてある。
ただのお風呂によくある、アヒルちゃんやゾウさんのじょうろなんてものではない。バイクの形をしたスプリング遊具だ。
公園によく置いてある、ぐわんぐわんと揺れるアレである。
暇を持て余して走り回りがちな幼児のテンションが爆上がりしそうな乗り物が脱衣室にどーんと置かれている。これがあるだけで「あそこのお風呂がいい!」と一票入りそうなおもちゃだ。

さすがにまたがりはしなかったものの、幼児と同じ精神年齢なのか、目を輝かせ謎にテンションが上がる私。
ここはワンダーランドかもしれない。

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