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1日限りの永遠を。


ようやく空が白けてきた。
外の気温はわからない。

寒いので暖かい格好でと言われたけれど、一足早く冬用のコートを引っ張り出す余裕はなかった。

準備にバタバタしているのは、心がそわそわするのを隠しきれなくて、そしてそれをなんとなく誤魔化したくて、昨日飲めもしないのに少し飲んだワインのせい。

おかげで起きられるかどうかびくびくしながら目覚ましをかけた。
全部自業自得なのだけれど。

破裂しそうな気持ちに起こされて、冷たくなった廊下を歩きシャワーを浴びる。
これからの30時間くらいをうっすら想像しながら、いつもとは違う香りの石鹸を使ったりして。


なんでもない顔をして外に出る。
最初から誰も知らないのに、それでも誰かに何かを隠すように、わざとつまらなそうな顔で歩いてみる。
これは自分だけの秘密。

うまく想像できない手や顔、そのほかの色んな部分を思い描きながら眠るように電車に揺られる。

運ばれていく。
運ばれていく。

あぁ帰るのが嫌だな。
まだ着いてもいないのに。
時よ止まれなんてそんなメルヘンなことは願わないけれど、せめてこれが1ヶ月に1回くらいあればいいのに。それかもっともっと普通のことみたいに、いつもの生活の中にあればいいのに。

でも、いつもあるとこんなにキラキラしないのかもしれない。

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