陽向ぽこ
うすらぼんやりとした頭で綴ったエッセイです。
自己紹介から雑記までいろいろ詰めこんでいます。
文学フリマなどで販売している詩集の試し読みです。
はじめまして、あるいはいつもありがとうございます。 絵を描いて詩集を作る白まんじゅう、陽向ぽこです。 前向きで明るいもの、おいしいごはんとあったかいおふとんが好きなオリジナル創作の民(=一次創作の民)です。 しばらく出店できていませんが、文学フリマやコミティアなどの創作系イベントを活動の中心にしています。 文芸・イラスト・デザイン・写真……と、現在でも割といろいろやっておりますが、ドット絵の海に沈んでいた時期もあれば、文学研究の畑に埋まっていた時期もあります。気分と場面で
絵を描いて詩集を作る白まんじゅう、陽向ぽこです。 早いもので、「文学フリマ東京38」から1週間以上が経ちました! 早いな。 当日ブースにお立ち寄りくださった方々はもちろん、Xにて宣伝ポストのリポストなどをしてくださった方々も、みなさま本当にありがとうございました。 2019年の秋以来、実に4年半ぶりのイベント出店でしたが、おおよそ無事に出店を終えることができてほっとしています! せっかくなので、ちょっくら振り返りめいたことなどを書いていこうかなと思います。 ■ 4年半ぶり
こんにちは、絵を描いて詩集を作る白まんじゅう、陽向ぽこです。 書き出しさっそくのお知らせとなりますが、 5/19開催の 〈文学フリマ東京38〉 に出店します!! 実に4年半ぶりの出店です……! ずいぶんとイベント出店のブランクが空いてしまいましたが、久しぶりの新刊をできたてほかほかで携えて出店いたします! さて、こちらが今回の新刊です。 エッセイ集 『こころをおにぎりにして生きていく』 文・絵・装丁デザイン・編集: 陽向ぽこ 冒頭で「絵を描いて詩集を作る白まんじ
シャン シャン シャン シャン!! サンタさんは今どこですか!! 深夜に戸締まりを破って侵入したサンタが部屋干しの靴下にプレゼントをねじこんでいくのがクリスマスじゃなかったか? 今年もぽこの厳重な戸締まりに敗したか? 世間で鳴りを潜めはじめた鈴の音とともにこんばんは。絵描きで物書きのなんでも白まんじゅう、陽向ぽこです。 サンタとプレゼントの所在は知れませんが、今年もチキンとケーキを食べるクエストをこなしました。ぽこ、「クリスマスにおけるチキンとケーキの喫食は一種の努力義務で
おいしく作れた 🍰
去年のいつだったかの、まだ日が高い時間。 疲れきって横になり、うすらぼんやりと霞んだ頭としょぼしょぼの目で、ぼーっと天井を見上げていたときのこと。 明かりのついていないシーリングライトのランプシェードが、白くてまあるくてすべすべで、「ゆでたまごみたいだな」って。 「……ゆでたまごだな?」 って。 それ以来、あおむけに寝るといつも視線の先にゆでたまごがある状態だ。 「ゆでたまご」とは言ったものの、殻をむく前のスタイルなので、それが本当にゆでたまごなのかと問われれば答えに窮す
煙草の銘柄には詳しくない。ラムネ菓子の「ココアシガレット」なら知っているけれど、それ以外はまるで知らない。 漂ってきてもある程度大丈夫なにおいと、すれ違っただけでぶっ倒れそうになるにおいがあるから、なにか差があるんだろう。遠くからキュウリのにおいを嗅ぎつける程度には鼻が利くので、やろうと思えば煙草の嗅ぎ分けもできるんじゃないかと思うが、いかんせん興味がない。図書館の古い文献に人様の煙草のにおいが染みついていたときは、「ごかんべん召されよ」と思ったものだ。 あの日、コンビニの
✿ 花紙が咲いて 散るたびに やさしいはずの春風が 少しずつ忘れさせていく 花びらたちの誕生日 夢みたいな いつかの春に みんなで好きだと話した色も かぜで熱が出たときの 自分の顔色みたいに 忘れてしまったね ぼくらは 思い出せる温もりも もう作り話かな めまいがする 風がうつむいた鼻をくすぐるから ぼくはひとりで くしゃみをした ぶわり 花冷えの吹雪で 返り咲く 足もとで寝ていた春の夢 いくつも重なる 同じ上着に だいじょうぶだよと笑って歩き ひらひ
ほおづえついた夜が冷ました ひとりぼっちの マグにはコーヒー べつに苦くはなかったけれど 砂糖は底に沈んでいった ミルクをこぼして入れるのやめた いつもよりも熱いコーヒー まだるっこしい猫舌と うらはらにまわる60分は 考えごとも半分残した 寒がり猫のしっぽがゆらす カーテンと窓のすきま時間 夜のまぶしさごまかすために 起きてなくたっていいんだよ 静かに眠ろう 静かな夜だ 難しいことは あした起きてから考えよう こぼしたミルクは戻らないけど 冷蔵庫のなか 本当はまだち
♫ 小さなドレミを背中に聞いて 校舎裏 きみと食べたポップコーン 秋空に 何度も何度も繰り返す ぜんぶ同じふりをした 似たもの同士をくっつけて 借りた言葉の空っぽドレミ ポップソングは後で聴こう ひとつの箱庭 詰められた 烏合の花束 名前はみんな 並んで揺れる揃いの服は 装う木々から目をそらし ただばらばらに指揮を見ていた あくびと叫びが混ざりあう あの子と この子と その子の涙 重なる和音の奏でる不興 キンコンカンコン チャイムが鳴れば かしげた音符も
〇 ふくろのなかにはフルーツキャンディ まんまる甘い ひいふうみっつ よっつ数えて顔上げた いっぱいあるからだいじょうぶ 味の種類も虹の数だけ 夕方チャイムが鳴るころに ペンのボールと回るキャンディ ひとりはレモン ひとりはリンゴ グラウンドでもパスが飛ぶ となりから順に ひいふうみっつ 緑はメロン? マスカット? 雨粒つけたあわてんぼ ブドウもらうねと手に取った それは遠目にブルーベリー ふたりが目を閉じふくろを探れば 見なれた向かいの赤い傘 お先にミル
陽向ぽこ の名前で、これまでに6冊の個人誌を発行しています。 制作している本のメインジャンルは「詩集」で、作品コンセプトに応じてイラスト詩集や写真詩集などの形をとることもあります。また、2024年5月には初のエッセイ集が出ました! ペンネームや表紙を見ていただければ なんとなくぼんやりざっくりわかるように、物騒な感じの作風ではありません。作者としては、前向きで明るいもの、おいしくてあったかいものが好きです。 でも、前向きといっても適度な後方確認は大事だと思うし、明るいとい
プロフィール こんにちは。 絵描きで物書きの本好き白まんじゅう、陽向ぽこです。 フリーランスのイラストレーター・デザイナーをやっています。 前向きで明るいもの、おいしいごはんとあったかいおふとんが好きなオリジナル創作の民(=一次創作の民)です。「文学フリマ」や「コミティア」などの創作系イベントを活動の中心に、個人で本を作ったり、グッズを作ったりしています。 絵描きで物書きで、デザインもしていて……と、何がメインの人なのか、一見わかりづらいかもしれません。 実際、創作のジ