【エッセイ】会いたい気持ちを大切にしたい
「会いたいと思うけど
なぜだかわからない。」
いつも同じ疑問に
悩まされて、答えは出ないままだ。
一言「好き」と言っても
色々な種類もあることだし。
友人として好きなのか、
恋愛感情なのか、
はたまたただの性欲なのか。
*
世の中にはいろいろな性的趣向の人がいる。
自分自身がいわゆる
少数派(マイノリティー)
なのだから分かっているはずなのに
やはり自分以外の物は
そう簡単に理解できない。
ゲイだとか
レズだとか
バイだとか
分かっている気になっているけど
実際はもっと複雑だ。
性的に興奮するのは
男性に対してだけど
恋愛感情を抱くのは女性に対してだ
という(生物学上の)男性の話を
聞いたことがある。
正直言って全く意味が分からないし
理解なんて出来る気がしない。
性欲と恋愛感情はニアリーイコールだと
私は思っているから。
*
そもそもそんな風に思っているから
「会いたいと思うけど
なぜだかわからない」
なんていう馬鹿げた思考が
生まれてしまうのだろうか。
好きだから触れたい
好きだから交わりたいと
思うのが普通なんじゃないのか?
もしかしてそれって
ただの綺麗事でしかない?
というか好きって何なんだろうか?
30代半ばになってもこんな
思春期真っ只中みたいな疑問から
抜け出せないでいる。
*
「好き」を重たく考えすぎなのかもしれない。
生涯でたった一人を愛するなんて
誰しもが成し遂げられることではないはずなのに。
何となくそれが当たり前で
常識で
普通であることかのように
世の中に押し付けられている。
こんなにも不倫やセックスや
嘘や裏切りで世界はあふれているというのに。
それは間違いで、
許されないことであると
世の中が大きな声で叫んでいる。
私はずっとそれに騙され続けて来た。
綺麗なものを信じようとして
汚いものに軽く嫌悪感を感じるようになった。
嫌悪感を感じながら性的なことをしているのだ。
もっと気楽に考えたって良いはずなのに。
セックスはスポーツだ!
というのはさすがに言い過ぎだが
別にそうやって楽しむこと自体
悪いことではないだろう。
私が勝手に悪だと決めつけていただけで。
(もちろん、犯罪や病気などが絡んでいなければ、だが。)
*
「好き」な相手がたくさんいたって別に良い。
人間なんて所詮動物なんだから
生存本能、子孫繁栄を考えたら
たくさんの人と子をもうけた方が良いはずだ。
社会と文化が
人間の本能を縛り付けている。
別に不倫に賛成しているわけでは無いのだけれど
あまりにも世の中が不倫だ不貞だどうのこうの
いうものだから
「もうどうでもよくね!?」
という感情になってしまったのだ。
好きなら好きで良いじゃないか。
*
結局
「会いたいと思うけど
なぜだかわからない」
という疑問の答えは何なのか。
もしかしたら、たくさんの人を好きでいては
いけないという私の頭に刷り込まれた常識が、
「好き」にブレーキをかけているのかもしれない。
もしくはセックス=汚いもの
という思い込みが
「性欲」と「会いたい」を
結びつけないようにしているのかもしれない。
本当は何となくわかっているんだ。
色々な人を好きになること
身体を求めてしまうこと
理性ではとめられないこともある。
世界は結構汚れている。
でも「汚れている」とはどういうことなのか。
それを定義づけたのは結局我々人間であり、
自分自身でしかないのだろう。
あぁ、支離滅裂だ。
何もわからない。
けど、
会いたい気持ちと向き合って
大事にできるように。
自分のことを「汚いもの」だと
嫌いにならないように。
どうにか生きて行きたい。
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