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森の本棚

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#エッセイ

「知性的」であることは、生きやすのか、どうなのか

「知性的」であることは、生きやすのか、どうなのか

鷲田清一さんの著書『濃霧の中の方向感覚』。

世の中を見る新しい視点、視座をくれる、芯のある本です。まだ序章しか読めていませんが、学びが多いのでシェアをしたいと思ってこのコラムを書いています。

鷲田さんが冒頭で語っているのは、「知性的」とは何かということ。とてもわかりやすいので、引用をさせてください。

知性は、それを身につければ世界がよりクリスタルクリアに見えてくるというものではありません。む

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吉田篤弘さん『雲と鉛筆』

吉田篤弘さん『雲と鉛筆』

「人は言葉を手で書いた。」
という帯のコピーに惹かれて。

日常と、空想と、深い深い真実と。

吉田さんが書くと、こんなにも全てが同じ世界に共鳴しあうように綴られるのだなあと、一文一文感じながら読みました。

開くときによって、感じる部分がきっと違う本だから。ふとしたときに手にとって、パラパラと読みたいなと思います。

物語の力。

物語の力。

作家・原田マハさんの著書『暗幕のゲルニカ』を読みました。この1ヶ月で『楽園のカンヴァス』や『たゆたえども沈まず』を読み、すっかり気分はアート女子に。

あまりにもおもしろかったので、友人に向けて熱狂的にレコメンド。中でも『暗幕のゲルニカ』はピカソのゲルニカを題材に戦争の愚かさや芸術の強さを伝えた一作で、特にお気に入りだった私は熱のこもった声で友人に話していました。

「すっごくおもしろくて、戦争が

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原田マハさん 『楽園のカンヴァス』

原田マハさん 『楽園のカンヴァス』

アートは私にとって、世界中、どこででも待っていてくれる友だち。そして美術館は、『友だちの家』みたいなものだったので。
                            ー本文より。

本は、私にとって、現実世界での友だちであり、夢への案内人でもあります。

授業の合間の10分間ですら、ひたすら本の世界に潜り込んで行った中学時代。あの頃、本は本当の意味で友だちでした。いつどんな心持ちで開いても

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