見出し画像

人生を左右する「四大苦」について

フリーライター&イラストレーターの陽菜ひなひよ子です。

私見だが、人生にはできれば避けたい「四大苦」があると思う。1つでも当たってしまうとものすごく人生が不利になるものだ。かつてのわたしはその4つに全部当てはまっていた。

(念のために伝えておくと、お食事時には読まない方がいい話題が含まれています。そんなにグロい話は書きませんが「トイレ」の文字だけでご飯が喉を通らないようなセンシティブな方はご遠慮くださいませ)


四大苦とは?


わたしの考える四大苦とは「不眠症」「雨女(男)」「乗り物酔い」そして「便秘」である。そこまで深刻ではないが、当たるとやっかいな「苦」の代表格がこの4つではないだろうか、と常々思っている。

①フリーランスの仕事に救われた「苦」

昔から寝つきが悪かった。最初に自分が寝つきが悪いと意識したのは小学校に入学した頃で、そこから40年以上不眠症とお付き合いしている。

当時は3つ上の姉と同じ部屋に寝ていた。姉は一瞬で眠れる性質たちで、すやすやと寝息が隣から聞こえてくると、取り残された気持ちでますます焦って眠れなくなる。

不眠症の人には少なくないが、明日の朝早いときなど「眠らなくてはいけないとき」には眠れないのに、授業中など「眠ってはいけないとき」には眠くなる。わたしも慢性的な睡眠不足のため、昼間はよくうとうとした。それで夜はよけいに寝付けなくなる。悪循環なのだ。

「不眠症」に関しては実は乗り越えられてはいない。ただ、今はフリーランスのライター&イラストレーターとして働き、毎日出勤する必要がない。毎日「眠くなるまで眠らない」生活をしても許されるのがありがたい。

ライターとして、たまに早朝から取材のアポが入るときがある。そんなときは、緊張もあって寝付けない。最後は開き直って、なんなら「眠らずに行く」つもりでいると、実際には数時間はうとうとしている。それでどうにかなるものなのだ。


旅行の敵の二大苦


この四大苦があると旅先で苦労するが、特に「旅行の敵」なのが「雨女」と「乗り物酔い」だろう。

20代のころ、わたしの趣味は旅行で、クラシックホテルマニアだった。今は廃墟として名高い金沢の某ホテルの華やかなりし往時に宿泊したことがあるのはひそかな自慢だ。しかし多くの旅を雨で台無しにした。

②マイナスとマイナスでプラスになる

今のオットと付き合う前、彼が絵の展示を見に来てくれた日も雨。「ボクは雨男で、いつもイベントを雨にしてしまうんです」という彼に嫌な予感がした。

この人と付き合ったら、この先どこへ行っても雨かもしれない。絶望的だ。でも、なぜかそれも悪くないと思えた。

ところが、わたしたちが一緒に出かけると、なぜか雨が降らない。カメラマンのオットとライターのわたしの2人で取材に出かけることが多いのだが、毎回ピーカンである。梅雨や台風シーズンで数日前まで雨の予報でも当日は晴れてくれる。

マイナス(雨男)とマイナス(雨女)が重なるとプラス(晴れ)になる、は数学以外でもあり得るのかもしれない、と納得している。

③慣れるより避ける

次の乗り物酔いも「閲覧注意」な内容が含まれる。できれば食事中の方は読まないでいただきたい。

乗り物酔いの悩みは、バス通園の幼稚園時代、毎日先生の隣に座らされていたときからはじまる。通園バスなんてせいぜい15分程度乗るだけなのに、わたしは毎日のように酔った。

余談だが、遠洋漁業の船乗りさんに乗り物酔いをする人はいないのかといえば、やはり最初は酔うらしい。ではどうするかといえば、答えは「慣れる」しかないのだそうだ。一旦船に乗ってしまえば逃げられないので、最初は毎日吐いても、いつの間にか体が順応するのだ。

しかし毎日幼稚園に通ってもわたしの乗り物酔いは治らなかった。小学校時代、家族で旅行した先で酔って旅行を台無しにした想い出は数知れず。

高校時代に一時期バス通学になったが、やはり酔うので地下鉄通学に変え、最終的には片道5キロの自転車通学になった。健康的だ。

不思議なのはバスや船では酔うのに、電車では酔わない。実は「乗り鉄」で、ほかに代替えがない時以外はバスでの移動は避けるようにしている。

夫婦2人で電車で旅をしていれば、我が家は平和である。

ちなみに姉は「快眠」「晴れ女」「快便」「乗り物酔いしない」四大喜(役満みたい)だ。わたしとは全く逆の恵まれた人なのだが、旅行は好きじゃないという。宝の持ち腐れ、世の中は不公平である。


「快」にはなってもコントロールはできない

④「苦」さえはねのける強運

最後が「便秘」。ここから先はさらに「閲覧注意」である。

今では解消されているが、悩んでいた歴史は長い。中学時代には苦しんでいた記憶がある。薬もたまに飲んでいたが、腹痛とともに下るように出るのが嫌で、結婚してからは飲まなくなった。

40歳くらいまでは、2週間出ないことなど普通であった。それがいつから解消されたかというと、40代半ばで毎日通勤するようになってからである。普通は業務の忙しさについ我慢をしてタイミングを逃すというが、わたしの場合そうはならなかった。

仕事自体すごく忙しかったのだが、職場の雰囲気もすごく悪くて、1時間に一度はトイレに逃げていた。したくなくてもトイレの個室に10分程度こもった。トイレと同様、席を立つために飲み物もよく飲んだ。ただそれだけで、便秘は解消したのである。

体質が変わったのか、今では3日出ないと「便秘だな」と感じるようになった。ただ昔は1週間出なくても全然平気だったのに、今は3日出ないと苦しい。

(出るとか出ないとか、ホント申し訳ないのだが、もう少しだけお付き合いいただきたい)

便秘は解消できても新たな悩みは生まれる。まれに便意が何度も訪れて頻繁にトイレに通う日があるのだ。フリーランスなので家にいられればよいが、最悪なのが取材日と重なること。

先日、取材に出かけるために支度をしていると、お腹に嫌な痛みが走った。これはヤバい奴かもしれない。予想通りトイレに入ってもスッキリしない。マズい。

そこへ取材相手からメール到着。「今日ってオンラインですよね?ZoomのURL送ってもらっていいですか?」天の助けとばかりにURLを発行して送った。そこへまたトイレに呼ばれる・・・

取材開始までは小時間あり、それまでには無事体調を整えられた。無事取材は終了し、今はその記事も公開されている(ふふふ)。

それにしてもわたしのこの悪運の強さはどうよ?スッキリしないまま取材先に向かっていたら、どうなっていただろうか。初めて伺った取材先でトイレから出てこないライター・・・想像するだけで冷や汗が出る。

四大苦の乗り越え方


四大苦を背負って生まれても、いや生まれたからこそ、わたしは運がいいのである。昔のわたしは「四大苦」をまさしく「苦しみ」だと受け取り「自分は運が悪い」と思い込んでいた。

しかし、「こんなのは大した事はない。一日くらい眠らなくても雨が降っても乗り物酔いしても便秘でも死ぬわけじゃない」と考えるようになったら、その「苦」を回避できるようになったのだ。

「囚われなくなれば解消できる」「運を信じれば運はよくなる」

そう信じていれば、世の中の苦しみの大部分は乗り越えられる気がする。しかしそれでも悩みは尽きない。快便になれてもコントロールまではできない。世の中そんなものなのだ。


追記:もしかして五大苦?


うっかり書き忘れたが、「下戸」も相当生きづらい。亡き父はコップ一杯のビールで酔っぱらう人だった。気持ちよく酔えればいいけど、悪酔いするのはたちが悪い。

わたしもコロナ禍で飲めなくなった。しかもタチの良くない酔い方をするようになった。ただ飲めなくても宴会は楽しい。

これも含めての五大苦はどうだろうか。

もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。