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大切なことは人を笑顔にすること

私の住む名古屋には独特の喫茶店文化があります。
よく言われるモーニングサービス(※1)だけじゃなくて
茶の間文化というのでしょうか。

地域の社交場としての喫茶店文化が
今も息づいているのであります。

今日は、オシャレなコーヒースタンドでありながら
名古屋の喫茶店文化のよいところを受け継ぐ
素敵なお店をご紹介したいと思います。

#私のイチオシ
(※1 朝の時間帯だけコーヒーにトーストやゆで卵などが
無料で付くサービス)


コーヒースタンドで『The Street Snap』写真展


とはいっても、今回取り上げるのは
このnoteに何度か載せたことがあるお店です。

名古屋のビジネス街・伏見駅にほど近い
MITTS COFFEE STAND さん

住所 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2丁目8-15 錦三輪ビル1F
TEL 052-222-0207
営業時間 平日 7:00~19:00 土日・祝 8:00~18:00
定休日 不定休

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実はこのお店
現在、写真家のオット・宮田雄平が覚王山スタジオで教えている
The Street Snapのクラスの修了展示が絶賛開催中。

3月2日(月)~15日(日)を1st
16日(月)~29日(日)を2ndとして
前半後半とガラッと内容が変わるため
ぜひ、一度と言わず二度、いや三度四度と、足を運んでください。

講師の宮田の写真も、前期と後期で全部入れ替えます。
お見逃しなく!

美味しいコーヒーやキッシュやマフィンもあります♡

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推される店は、先に推している、の法則


MITTSさんではほぼいつでも
写真やイラストやファッションアイテムや雑貨など
さまざまなモノづくりの展示が行われています。

MITTSの名前の元となった店主のMさんは
私が知り合ったとき、まだ30代前半でしたが
自分が応援されるためには、まず相手を応援するという
大切なことがキチンとわかっている人でした。

MITTSさんが応援したことで
活躍の場を広げて行ったアーティストはたくさんいます。

この店で出会ったことで
良い仲間となった人たちもたくさんいます。

そして気付けば
MITTSさんは「応援される店」になっていました。

でもきっと、MITTSさん自身は変わらず
常に「応援する側」で居続けようとしています。
そんな佇まいが、周りから愛される所以なのでしょう。


これは私が
2018年に個展をした際に描いたMITTSさんのイラスト。

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そう、私もMITTSさんに
応援していただいたひとり。


一ヶ月にわたる個展の様子。
ちょうどお店が締まる直前
壁に貼り付けた模造紙に毎日少しずつ描いていたライブペイント。

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このときのことは、宝物のような想い出です。


気づけばみんな繋がっている


名古屋はそこそこ都会のはず、なんだけど
住んでいると「人類皆兄弟」みたいな気持ちになってきます。

SNS、特にFacebookで繋がると
あら?ここも知り合い?ここも?この人も!
という具合に、みーんな知り合いだということに気づくのです。

私は東京に10年以上住み
その間にイラストレーターを始めたこともあって
東京にも知り合いや友人が大勢います。

東京の知人の中には
共通の知人が100人近くいるような人もいるけれど
基本、その中の属性はほぼ同じです。

出版関係者というくくりの中でも
その中でも絵本関係者のつながり、書店や営業担当者のつながりなど
割と細かく明確に分けられていて
その中で混じることはほとんどないのです。

けれど名古屋の人間関係の特徴は
属性の違う人々がつながっているということ。

私のようなフリーランスもいれば公務員も大学の先生も
NPO活動をしている人も個人事業主もいる。会社員の人ももちろんいます。

そこで重要となるのが
その人たちを繋ぐ人々がいるということ、なのでしょう。

まちづくりやNPO法人としての活動を通じて
街の営みや人を繋げようとする人が
この名古屋にはたくさんいます。

そして、MITTSさんのようなお店も
その重要な繋ぐ場としての役割を担っています。

ここにくれば、誰か知り合いに会える
誰か素敵な人と知り合える
ただコーヒーを飲むだけじゃない、プラスアルファが
そこにはあるのです。


ストリートスナップに思うこと


少し前に炎上したFUJIFILM X100Vのスナップ撮影の動画の件。

その中の鈴木氏のスナップ写真の撮影手法についての批判で
ストリートスナップそのものの是非が問われそうな展開に。

問題とすべきは
すれ違いざまにカメラを取りだし
被写体の不快な表情を撮影するというような
鈴木氏のその独特の撮影方法そのものや
個人情報の写り込んだ写真を勝手に公開することであり
ストリートスナップそのものが悪いというわけではありません。



私がストリートスナップに出会ったのは
まだ宮田と出会う前のこの一冊の写真集でした。

2006年度の第32回木村伊兵衛写真賞を受賞したこの写真集で
梅佳代さんは一気にスターダムを駆け上がります。

2010年には表参道ヒルズで個展「ウメップ」を開催、
2013年には東京オペラシティ アートギャラリーで個展「梅佳代展 UMEKAYO」を開催して、いずれも大成功を収めました。

梅佳代さんは、この写真集を出版する際に
写真に映り込んだすべての人を探しだして
連絡を取り、許可を取ったということは
よく知られています。


梅佳代さんの写真の特徴は
「観た人が皆、笑顔になること」


梅佳代さんに写真を撮られた人は
それを発表されることに恥ずかしさはあったにせよ
その写真自体に嫌悪感は持たなかったはず。

それは彼女が
人々の何気ない日常の中の
つい笑ってしまうような
幸せな時間を切り取っているから。


同じく「浅田家」で2009年に
第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した浅田政志さんが
ご自身の個展の際のトークライブでおっしゃってた話。

東日本の震災で失われた写真をがれきから探して持ち主に返すという
ボランティアさんたちとのかかわりの中で

「写真は本当に特別な、大切なもの」

という認識を新たにしたのだそうです。
家族の幸せな想い出そのものなんですよね、写真って。


写真の中には
被災地や戦場などの残酷な現状を伝える意義のあるものなど
決して笑顔では見られない物も確かに存在します。

それとは別の次元で
市井の平和な人々をわざわざ不快にした瞬間を切り取って
誰をも幸せにしない写真に
存在価値ってあるのでしょうか?


梅佳代さんや宮田のような
ほとんどのスナップ撮影者が目指すのは
見た人を笑顔にする写真です。


どうかすべてのストリートスナップが
人を不幸にするとは思わないで欲しいのです。


本日のイラストは、個展をやっていた頃に描いたランチ。
美味しいコーヒーと
笑顔になれる写真がお待ちしています。

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