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AIは「今のわたし」にはなれない

フリーライター&イラストレーターの陽菜ひなひよ子です。

昨日の記事に引き続き、AIネタです。

先月9月7日、かくしごと×WEBメディア『新R25』副編集長・天野俊吉さん共同企画でライター・編集者向けトークイベント「編集力の拡張」が開催され、約60名が参加しました。会場はnote社イベント会場「note place」。

わたしは名古屋在住のため、参加はできませんでしたが、以下の記事を興味深く読みました。

受けるべき仕事・受けてはいけない仕事


AIとは無関係ですが、序盤でサカイさんが述べておられる「受ける&受けない仕事の条件3つ」は非常に興味深いです。

サカイ 僕が考える、受ける仕事の条件は3つ。
1つ目は、まず発注額がいいっていうこと。2つ目は、依頼してくれた人のことが“好き”。3つ目が、次の仕事を生む仕事であることですね。
この3つがそろうのは、めっちゃ奇跡。
逆に最悪なのが・・・

なんだかんだ言って「ギャランティがいい」ってのはすべてを制するんだなと。確かに多少つらいことがあっても「これ乗り越えたら万札がこれだけ振り込まれる!」と思えば、大抵のことは耐えられます。

2つ目の「依頼してくれた人が好き」ってのは、基本的に発注してくださる時点では「はじめまして」の方が多いので、最初は当てはまりません。でも一度お仕事して好感を持った方からリピートされたら、しっぽ振ってよだれたらしながら引き受けちゃいますね。

「次の仕事を生む」は大なり小なり、ほとんどの仕事に当てはまるので、どの仕事も手を抜かずにやることが本当に大事。でも、イラストレーターは広告の仕事以外では名前が出ないことはあまりないけど、ライターは名前が出ないことも多いので、そこはコスパでシビアに考えてよいと思います。

その上でわたしが普段から基準にしているのは以下の通り

・ギャラがいい(もしくは自分の得意分野でギャラに対してコスパがいい)
・媒体が好き(普段から愛読しているなど)
・注目度が高い(次の仕事につながりやすい)

ほぼ同じでした(笑)

引き受けない仕事は以下の通りです。先ずは「これ全部に当てはまらない」という前提で、「上記の条件のいずれ」かに当てはまれば引き受けるといった感じでしょうか。

・媒体・企業の主義思想に共感できない
・(イラストの)「著作権譲渡」「著作権人格権を行使できない」が条件
・ギャラがとんでもなく安い上に注目度も低い(もしくは匿名)

これについて書き始めると記事一本分くらいのボリュームになってしまうので、また別の機会に。


noteで取材記事を書いたらどうなった?


この記事を読んで、個人的に「おお!」と思ったのは、実はこの部分でした。

カツセ もし今会場に、取材記事を1個も書いたことがない人がいたら、タダでもいいから誰かに取材して、まずはnoteとかで記事を上げたほうがいいです。

これ、やりました!noteに載せたインタビュー記事(クリエイターインタビュー)はコチラのマガジンにまとめています。

特にこちら2本のインタビューはたくさんの方に読んでいただき、かなり好評でした。


わたしはもともと「たまに文章を書く」だけのイラストレーターでした。本格的にライターになったのは2016~2018年頃にECサイトのコピーライティングや歴史モノのライターとして執筆した頃から。

さらに2020年に出版した自著でインタビューに目覚め、2021年頃はインタビューがしたくてしたくて。

このインタビュー熱をどうしたらいいのだろう?と考えた時に「そうだ、noteに書こう」と思いついたのでした。

その結果、「noteを読んだ」と言って仕事が来たわけではありませんが、取材記事の仕事は着実に増えました。クリエイターインタビューの候補はまだまだいるのですが、時間が取れない状況です・・・(ありがたや)

やりたい仕事について発信・露出していると、どこかから仕事がやってくる。そんな「めぐり合わせ」みたいなものを、わたしは信じています。


ライター・イラストレーターは誰に向けて書くべきか


読者より編集者を大事にした方がよいという話にも共感。

カツセ 読者に好かれる仕事をやっていると、いつか嫌われると思うんです。
「こんな人だと思いませんでした!」みたいな(笑)。よくあるじゃないですか。あとは、人気商売になるとインプレッション数で判断されちゃう。
数字じゃなくて、(編集者に)「この書き手が好きだから」っていう理由で発注してもらえる存在になったほうが強いと思います。

引き受けない仕事には入れませんでしたが、わたしは基本的には「toC」の仕事は受けません。それは一般の方とのやり取りが大変すぎて懲りたのが一番の理由ですが、結局はイラストレーターもライターも「人気稼業」だとは考えていないからなんです。

作家や「絵」そのものを売る画家はファンがつくものですが、イラストレーターもライターも、ファンがいなくても編集さんに気に入ってもらえれば仕事は来ます。

カツセさんのおっしゃる通り、ファンって意外と気まぐれ。昨日まで好きと言ってくれてても、今日は別の作家に夢中だったりします。でも編集さんとの関係は、一度できてしまえば簡単には壊れません。何ならほかの編集者を紹介してくれて、仕事は倍々に増えていきます。

もちろんファンは大事です。でもクライアントは媒体であり編集者であることを忘れないようにした方が、仕事は安定すると思います。


AI時代の生き残り方2つ


最後になりましたが、今一番誰もが知りたい「AI時代の生き残り方」ですが、これも自分がうっすら考えていたこととほぼ同じで、ホッとしました。

ここまでの話とAI時代の生き残りの話は似ていると感じます。

カツセ 絶対、近いうちに「カツセマサヒコっぽい文章を書いて」ってAIに依頼する……みたいな未来は来ると思っていて。そのときに「っぽい」じゃなくて、「本人に書いてもらいましょう。ここは」って存在になれていればと思ってるんです。

AIが発達してもしなくても、作家やライターが生き残るには「唯一無二の存在」になるしかないんですよね。それがAIによってさらに過酷になるというだけ。

未来のAIがどうなるかは未知数ですが、現在のAIは過去のデータを参照しているだけ。わたしの過去の作品や発言を拾って「わたしっぽい」モノを書いているだけです。

つまり、AIには「現在のわたしが実際にどう書くか」まではわからない。「今『この瞬間の陽菜ひよ子』がどう書くかを読んでみたい」と思わせられたら「勝ち」なんですよね。

ここまでを読んで「無理!」と思った方、AIにはもうひとつ対処法があります。

ぜひそれはコチラでお読みくださいませ!


AIに関して識者に聞いてみた


この何カ月かで、AIに関するインタビューを何度かおこないました。いろんな方に話を聞くうちに、わたし自身は「AIは無駄に恐れる必要はないのではないか」という結論に至りました。

よかったら読んでみてください。


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