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コロナが生んだシャムズってなんだろう


CIAMSという言葉を昨日初めて知りました。

Colonavirus-indused altered mental status

シャムズと読みます。

「Dr.國松とDr.ヤンデルの大真面目コロナトーク」 2人の奇才ドクターが“コロナ現象”を読み解き処方箋を示す!

講師:南多摩病院 國松 淳和氏 
   札幌厚生病院 病理診断科 市原 真氏
主催:株式会社ケアネット/株式会社メディカルノート ※2020年4月28日(火)20時~に配信されたものです

昨日このライブ配信を見ました。

コロナウイルスの影響でみなさんが不安だったり、恐怖を感じて生活していることで少なからず、自分の肉体や心を通常運転ができない状態になっているのではないでしょうか?

その状態をCIAMSと呼ぶようです。この意味には「揺れている状態」という意味を含んでいるらしく、その「通常」を行ったり来たりしているということを指すようです。Dr.國松は「いつものその人らしくない状態」と表現していました。

コロナの影響で不安を抱き精神科を受診する人も中にはいるらしく、「精神科はコロナの吐け口ではない」ともおっしゃっていました。これは冷たいように聞こえる方もいるかもしれませんが、そのような意味にはございません。コロナの影響で”対話”が減っていることを危惧されています。

本来は誰かと話して心に溜まった不安や不満を中和できるものが、コロナウイルスによるソーシャルディスタンスを守ることや自宅待機が長引く中で、「なんでもない話」ができなくなっているのが大きな要因ではないかとおっしゃっているのです。

zoom等のテレビ会議などで話はしているように感じますが、雑談はしにくくなっていますよね。また、テレビ会議ではなんとも間がとりにくく、やはり会って話すのとは少し違った感覚を得るとのことでした。

医師もコロナに対しては恐怖や不安を感じているとのことでしたが、知識でその恐怖を相殺しているとのことでした。

しかし、上のニュースのように医師の自殺があるのも事実です。何も変わらなそうに見える人ほど、CIAMSでいう「揺れ」の振り幅が大きく出てしまい、自死を選んでしまうということもあるようです。

この不安な状況に適応できないことが悪なのではなく、必要不可欠な不適応がCIAMSという状態なのです。それゆえ適応しているように見えている人にも対話が必要で、過剰適応を見落とさないことが大切だそうです。

田中康雄先生が以前、虐待されてしまう子へ関わる職員が肯定的に子どもを受け入れていくためには、その職員を労る役割が必要と言っていました。医療者や福祉業の方が今、心の蓄えをなくしています。文字のやり取りでも構わないので、なんでもない話をする人や時間を与えなければならないように思います。

今は何をするべきかと問われると、自分らしくいることと話す國松先生。いつもと変わらぬ「あの人」を求めている誰かがいます。いつもと変わらない自分が誰かを助けるって素敵!シャムズの状態にあっても、話していくうちにいつもと変わらない自分や相手があることに気づくと互いに安心を感じるようです。

2人の先生はライブ配信中、もうすでに「シャムズる」という動詞にまでなって親しんで使用していましたが(笑)少しでもこのことをたくさんの人が知ることで、自分の不安定さに落ち込んだりせず誰かに適切に甘え、甘えられながら落ち着きを取り戻していけると良いです。

ヤンデル先生も普段の生活の中にも刺激し合いの中で人が変わっていく過程はあるという前提で、コロナウイルス収束後にいい方向に社会や人が変容していくことがいいとお話ししていました。


医療崩壊!とテレビで何度も何度も言われている中、2人の「対話」がなにより楽しそうで面白かった!



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