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ハーブの魔女、ヒルデガルトの真実⁉︎医学史実研究でわかって来ていること 𝕳𝖎𝖑𝖉𝖊𝖌𝖆𝖗𝖙𝖊𝖓 𝕹𝖔𝖙𝖊

カトリック教会にとっては歴史上の偉大な神学者の一人であり、男性中心社会におけるヒルデガルトの自己決定と自己主張の姿勢は象徴であり、今日の「自然療法」におけるインスピレーションの源です。
このように、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、全世界の多くの人にとってのアイコン(象徴)になっています。

しかし、多くのレシピが間違って聖ヒルデガルトのものとされているといいます。
これを聞くだけでも衝撃的です!

日本で誰もが知る老舗「虎屋」には、「伝統とは革新の連続」という有名な言葉があるように、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンにおける情報も修道院療法の研究から新たな情報が出てくる事こそ、現在は大切な気がいたします。
それは、聖ヒルデガルトの姿勢と似ている気がするからです。彼女がもし現在生きているならば、現代の最新の医療と伝統療法を合わしていただろうと思えるからです。

聖ヒルデガルトの神秘性は、彼女が生きている間(1098-1179)にすでに教会の内外で拡まっており、20世紀になって様々な方面から再発見されてからも、その人気は衰えていないようです。ヴュルツブルクの研究グループ〈修道院医療〉の医学史家トビアス・ニーデンタール(Tobias Niedenthal氏)は、「ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの人生の最初の40年間については、ほとんど何もわかっていません」と言います。しかし、"ヒルデガルト・フォン・ビンゲンほど知られている中世の女性はほとんどいない "とも話します。

中世初期のヨーロッパでは、伝染病や政治的混乱によって既存の組織構造の多くが消滅した後、民間療法以外の医師や同等の医療はほとんど存在しませんでした。この時代の民間療法を「魔法」と表現する方もいますが、ほとんどが修道院での医療しかなく、その中でも、特にベネディクト派の修道院には診療所がありました(現在もあります)。


ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、自分の経験や考察を多く書き留め、素人にも理解できるように配慮して書き留めさせました。
しかし、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンが修道院長として、看護にあたっていたというイメージは妥当ではないと研究者は考えているようです。
彼女の組織的な仕事や執筆活動を考えれば、このような看護という事の多くの時間に費やすことはできなかっただろうという見解ということです。そうすることで、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンはさまざまなことができるようになったとも推測されています。

そして、研究から理解できる珍しい事は、【ヒルデガルト・フォン・ビンゲンが“女性として有名になろうとした”こと、そして彼女がビジョンのために有名になったこと】です。自然科学やヒーリングという癒しの化学は外部から見ても特別な意味を持つものではなかったというのです。
今日、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンをご存知の方は、その神学的な考察よりも、自然や治療に関する考察を知っている人の方が多いかもしれません。

では、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの医療に関する知識はどこから得たのでしょうか。
研究から少しずつわかって来たこともあるようです。


彼女は他の同時代の人々と同様に、ギリシャの知識、ヒポクラテスの教えに基づいていました。このことは、4体液説とその機能的な帰属について言及していることからも明らかです。

ヴュルツブルクの研究グループ〈修道院医療〉の医学史家トビアス・ニーデンタール(Tobias Niedenthal氏)は、『原則として貴族だけが修道院に住み、そこではかなり充実した一般教育が受けられたと思われます。彼女は高学歴ではありませんでしたが、無学でもありませんでした。彼女はあまり医学的な教育を受けておらず、明確な引用もしていませんし、明らかに他人の知識に頼っています。ヒルデガルトがコピーしたと思われる文章や節を探しても、モデルとなるものはほとんどありません。"彼女の二大著作の一つである『Physica』を比較してみると、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンはキーワードや用語は取り入れたが、文章は彼女が書いたものであることは明らかです。』と言います。

ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは後に自分のことを "indocta"(「無学」)と呼ぶことを好みましたが、医学史家トビアス・ニーデンタール(Tobias Niedenthal氏)が述べる通り、彼女は基本的な教育を受けており、自分の経験的な知識と周囲の知識をまとめていたと考えられています。
人とはまったく違うハーブの使い方をすることがあるのも、そのためで、彼女のオリジナリティが際立ちます。

このように、ヒルデガルトは「自然療法」と「医学」を扱っていました。だから、もしも、彼女が現在生きているならば、現代の最新の医療と伝統療法を合わしていただろうと思うのです。

私たちは日進月歩の植物療法をもとに、ヒルデガルトの薬草園を会員様と一緒に作りながら、現在のハーブの知識を持って中世の修道院の植物療法を学ぶ、ヒルデガルテン会員を募集しております。詳細はFacebookのイベントページをご覧ください。

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