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セルソース・執行役員就任までの葛藤と決意

2022年3月にセルソースに入社し、本年1月末に執行役員に就任しました。

正直想定していなかったし、打診された後も当初は固辞していましたが、自分なりに就任する理由と目的が言語化出来たので、お受けしました。

今回は、決意表明も兼ねて、それらを表現していきたいと思います。外部の方もさることながら、セルソース社員の方にも読んでいただけたらと思っています(社長以下誰にも言ってこなかったことも書いてあります)。

そもそも「執行役員」ってなに

住友商事時代は「〇〇さんが執行役員になったらしいよ!」「△△さんは理事から執行役員になれなかったかー」みたいな話を鼻くそほじりながら聞いていた人間であり、肩書にあまり興味がありませんでした。

また、事業運営も海外事業ばかりで日本の会社の経営に関与することが無く、実は「役員」・「執行役員」・「執行役」の言葉の違いも昨年までよく分かってませんでした汗(そもそもこんな分かりづらい日本語にするなよ)

ということで、先ずはそれを整理したいと思います。ご存知の方は、次の見出しからお読みください。

①役員

「役員」とは、会社法で定められている「取締役」「会計参与」「監査役」の三役を指します。

まずここから勘違いしている人いませんか。「執行役員」は「役員」じゃ無いのです。実は間違って使っている人かなり多いので、気をつけてください。

「役員」は経営を担い・司る役割であり、社員ではありません。ですので、雇用契約ではなく任用契約会社法で定められ、義務付けられた役職です。

取締役会に期待される具体的な機能は会社によって異なり、Board 1.0, 2.0, 3.0といった議論もありますが、これだけでnote一本どころかレポートが書ける論点なので省略します。

②執行役員

一言で言えば、「役員」という言葉は入ってますが、ただの一般社員です。会社経営の重要事項が決定される取締役会には出席せず(オブザーバー参加はあり)、それら意思決定には当然関与しません。

「役員が決定した事業計画や方針を実行に移す人」と理解するのが良いと思います。

③執行役

そして更にややこしいのが「執行役」という言葉。これは、指名委員会等設置会社のみで登場します。

会社法上の役員ではありませんが、取締役会から委任を受けて、本来は取締役会の権限である業務執行の決定(一部重要事項除く)と、業務の執行を行います。

おまけ:英語表記

「Executive Officerと言って良いのは執行役だけで、執行役員はExecutive Directorだ」という意見もあれば、どちらもExecutive Officerでいい、とするものもあり、この辺りからもズレが生じているようですね。

なお、取締役はDirector(Board memberという人も)、取締役会はBoard of Directors (BoD)ですね。

固辞していた背景

今、セルソースでは「エンゲージメント」をかなり重要視する形でのHR運営をしていますが、この中の重要な一つの要素に「称賛への納得」というものがあります。

これは、「自分以外の人に対して会社内で向けられる称賛(具体的にはAwardだったり昇進)に対する納得感が高いほど、エンゲージメントが高まる」というものです

HR管掌の人間として、自分の処遇を起因にエンゲージメントを下げるわけには行きません。そして、以下二つの理由から自分の執行役員就任が納得されないと思い、お断りしていました。

①明確な実績を残していない

私は今、経営企画本部長として、経営戦略/HR/PR/海外/DX/企画の6分野を管掌しています。その殆どがセルソースに入ってから関与したものであり、暗中模索五里霧中、七転八倒でやってきました。

本部全体で10名強という寡兵ながら、メンバー全員の超級支援に助けられ、全分野この1年間で相当の前進をさせた自信はあります。

然し、「これ!!」という誰が見ても明確な成果を残したものはなく、遠くで働いている人からすると「なんで細田が?何にもして無いじゃん」と思われるだろうな、と感じていましたし、そういう人事はエンゲージメントに対して直接的に負に働きます。

②元・住友商事の人多め

私が執行役員に就任すると、「社長+執行役員」の5人中3人が住友商事出身になります。

僕は、社長含めた他の二人は入社面接まで全く知らなかったですし、プライベートでの付き合いも特にありません。ですが、上記の比率だけ見ると「お友達人事」にも見えるかもしれないですし、①のポイントと相俟って、とても納得感の無い人事になるのではと危惧しました。

気にしすぎなのかもしれませんが、「属性」という要素は、今のDiversityを巡る議論を見ても分かる通り、どうしても議論の的になるものであり、十分な配慮が必要だと考えています。

就任を決めた2つの理由

こういった背景があるにも関わらず、就任を決めたのは以下2つの理由によるものでした。

①事業そのものに直接関与しない本部だからこそ、発言権が必要

ベンチャーにいると、本当に日々沢山のことが起きます。笑っちゃうような話から、即座に真剣に対応しなければならないものまで。

更に日々のグロースも極めて重要なので、どうしても経営層も意識が「目の前のこと」に向きがちです。そして、それは至極自然なことでもあります。

しかし、そればかりにリソースを費やしていては「根源的な問題解決・非連続的な成長」は難しく、意識的に目の前のこと以外に経営層のリソースを割かせる努力が必要です。

そういった「事業そのものに直接関与しないこと」を司っている経営企画本部の長として、外形的ではあれど、他本部長と同等の肩書きを持ち発言力を担保することが、セルソースのためにもなり、本部の出力を上げると考えました。

②「HR」の観点で、本当に重要な第八期

昨年12月に発表した当社の経営スタイル、「HSF経営」。これは、「事業の全ての起点を人、Humanと捉える」ということの宣言であり、所謂人的資本経営に対するオリジナルワードです。

この具体は、そう遠くない未来に発表いたしますが、「我々独自の人的資本経営」を固めていく第八期において、その経営戦略とHRを管掌する人間が執行の責任者ですらない、というのは道理が通りません。

「まだお前は執行役員には早い」といった誹りを受けようとも、自分がこの『未来を変える(Purpose)セルソースの人的資本経営を創り、実現していく』という強い想いと覚悟を持たねばならないと思い、お受けすることにしました。

先にいただいてしまった「おめでとう!」

就任が発表され、とても多くの人から「おめでとう!」と言っていただきました。

そういったお言葉を掛けていただいた方々には心から申し訳ないのですが、正直、結構違和感というか、「そういうんじゃないだけど><」と思う気持ちがありました。

やはり、今回の就任は「自分が何かを成し遂げたことへの称賛」としての出来事ではなく、「未来に大きな貢献をするための地均し」的なものであり、まだ何かお褒めの言葉をいただくような状況には無いからでしょう。

今回いただいた「おめでとう!」は私が将来成し遂げることに対して先行的にいただいてしまったもの、だと思っています。折角いただいたお言葉に対して、社会にインパクトのある形で「お返し」が出来るよう、まずは第八期、頑張ります。

今後について

今の時点でもセルソースは素敵な会社だと思っていますが、もっともっと、異次元に良い会社にできる筈、そう信じています。

その未来を実現するためのHRプロセスもこのnoteで綴っていけたらと思っています。また、それを共に実現したいと思っていただける方からのコンタクトも、いつでもお待ちしています(上部にTwitterリンクが貼ってありますので、そこからDMください)。


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