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大企業からベンチャーに行ってみて

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住友商事からセルソースに転職し、七転八倒する私の姿をそのまま書いています。
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2022年2月28日、住友商事を辞めた

2月28日、私は新卒から13年弱勤めた住友商事を辞めた。 就活を始める前から「商社マンになる」と信じていた学生・細田薫にタイムスリップして伝えたとしても、「将来、自分の意志で商社マンで無くなる決断をするよ」と言っても信じてはくれないだろう。 辞める理由は極めて前向きな理由だが、その決断に至るまで、そして至った後には色んなことがあった。「辞めたて」のこのタイミングで、それらを綴ってみる。 本編を始める前に大事なことなので冒頭に述べておくが、私はこの投稿で住友商事を批判する

【ブルーロック×人的資本経営 第四章】他人に期待しても誰も幸せにならない。「未来を変える」ことに期待せよ。これは結婚生活にも生きる。

個人の圧倒的な個性やエゴをテーマとし、「史上最もイカれたサッカー漫画」との異名も持つ「ブルーロック」(週刊少年マガジンにて連載中)。 このブルーロックから人的資本経営のエッセンスを学ぶnoteの第四弾です。 前回までは"FLOW"をテーマに、どう自分のモチベーションとパフォーマンスを高め、そしてそれを組織全体に広げていけるか、という話をしました。 今回は、「夢を実現するチームにおける、仲間との接し方」を「期待」という言葉をテーマに綴っていきたいと思います。 「氷織羊」

誉め言葉は「ありのまま」受け取ろう。謙遜は時として人生を停滞させる。

前回のnoteでは、「ありのまま」相手に伝えることの大切さ、そして「中途半端な伝達」を行った時に起こる問題点について、お話させていただきました。 前回が「伝える側」の話だったのに対し、今回は「受け取る側」の話です。 多くの人が褒められたり、称賛された時に「いやいやそんな・・・」と謙遜した反応をしますが、私はこれを非常に「勿体ない」と感じています。 そして、これまで出会ってきた「他人を否応なしに惹きつける方々」は決してそんな態度を取っていないことも、よく分かりました。

無責任な情報は容易に組織を壊す ~"おせっかい正義感マン"を放置するな~

「みんなそう言ってますよ」「匿名でこんな声が届いているのですが、どう思いますか?」 こんな言葉を聞くこと、少なくないのでは無いでしょうか。 もしそうだとしたら、それは「組織崩壊の予兆」であり、経営層は危機感を持つ必要があります。 凄い大げさに聞こえるかもしれませんが、なぜこういった発言が問題であり、対処しなくてはならないのか。 安冨氏の「ドラッカーと論語」を経由して、ドラッカーの考えを引用しつつ、解説してみたいと思います。 悪気が無くても、情報の質は簡単に落ちる「み

現在が過去を「再編成」する。歩みを止めなければ、傷は癒える

前回のnoteでは、自分が大事にしてきた「言語化」について得た気付きを表現させていただきました。 その気付きの元となった近内悠太さんの「利他・ケア・傷の倫理学」という書籍を通じ、もう一つ、「大きな学び」を得ることが出来ました。 それが、「自分の心に傷を負った時に、ヒトはどうすればいいのか(どうするしかないのか)」ということ。 この結論は「傷を負っても、辛いことがあっても、踊り続ける=行動し続けるしかない」というシンプルなものですが、その論理展開が非常に納得できるものであ

「言語化」が常に正義とは限らない。リーダーは「たた佇み、ただ聞く」

「言語化」は極めて重要である。 こう言われて、「そんなことはない」という人は少ないでしょう。事実、言語化が上手く出来ないと、ビジネスやプライベートで困ることは多いですよね。 また、私は「言語化力が高い」と言っていただけることが多く、それもあって「言語化は正であり、言語化出来ることは全てした方が良い」と真に思っていました。 ですが先日、私が尊敬する近内悠太さんの「利他・ケア・傷の倫理学」を読み、自分の考え方には大きな欠点がある、ということを痛感しました。 今回は、「言語

【考察】続・転職100日間の過ごし方

これまでの100本以上のnote記事の中で、2番目の人気記事が”【考察】転職後100日間の過ごし方”です。 この記事は、私がブラジルやウクライナ案件の「出向経験」や、それまでの転職者の人間観察を踏まえて書いたもので、多くの反響をいただきました。 この記事の執筆から2年経ちましたが、この間スタートアップの人事責任者として多くの転職者を見てきましたし、他社の人事担当者と意見を交わす機会もありました。 その知見から、新たに「転職後上手く行く人の3つの共通項」を見出したので、続

セルソースに転職して2年。大いなるアンラーニングの時が来た。

今回のnoteは、いつものように「テーマ」を掲げての内容ではなく「私自身」の話です。 なので、何かしらの学びが提供できる訳ではないのですが、良かったら最後まで読んでいってください。 僕にとって、とても大事な意思表明noteです。 3年前に掲げた「人生のスローガン」「目に映る人々を幸せにし続ける」、これが私が3年前に掲げたスローガンでした。その背景について、まず少しだけお話しします。 「絶対に成功させる」という意気込みで乗り込んだブラジルとウクライナ 私は2009年に

"勿体ない離職"を減らすために今日から出来ること

私は従業員数数万人(連結)の住友商事から、従業員100人台のセルソースに移り、「働き方」や「カルチャー」など多くの点での「違い」を目にしてきました。 一方、「退職に至るプロセス」はあまり変わらないと感じており、そして周囲の退職者にヒアリングしても、ほぼ似たような回答を得てきました。 それらを踏まえ、私の中で「退職」というものに対する一つの「解」のようなものに辿り着いたので、今回はそんなお話が出来ればと思っています。 そもそも「退職」「離職」をどう捉えるかプロセスの話に入

HRこそ「嫌われる勇気」を。愛されなくても愛し続ける覚悟を持て。

私がセルソースの「HR責任者」という立場に就いてから、2年が経とうとします。 全くの門外漢だった私が曲がりなりにもメンバーの成長、組織の成長に寄与出来た理由は、「愛」を持ち続けてきたからだと思っています。 しかし、「愛する=愛される」ではありません。時として、その真反対の結果に着地することもあります。 「愛されなかったとしても、愛し続けられる人間が何人いるか」。これが組織のレベルを上げ続けられるかどうかの、一つの重要な要素だと考えています。 note100本目となる本

「自責思考」は二つある。誤った理解で落とし穴に嵌るな。

経営者やHR責任者と話していて良く出てくる、「他責思考人材」に関する悩み。 「どうしたら採用を避けられるのか」「採用してしまった場合、どう対処すべきなのか」。皆さんもきっと、他責思考の人に悩まされた経験はあるでしょう。 セルソースの行動規範でも、 ✖ノーマル思考:他責思考、いつも誰かが悪い。 〇セルソース思考:自責思考、自分ならどうする。 という形で自責思考を是、としています。 ですが、この「自責思考」という言葉の定義、皆さんは如何でしょうか。僕は昨年、この定義に疑問

公式noteアカウントを通じて、僕らが得られたもの

セルソースは昨年11月中旬にnote proを契約し、公式アカウントを立ち上げました。 そこからの5ヶ月間で18記事をリリース。note専任担当はおいていませんが、note単体で4万PV、転載分を含めると20万PVほどに到達しています。 元々は「直近:1千PV/月、短期:3千PV/月」を目印としていましたが、一瞬で達成してしまったので、すぐに修正しました笑 でも、僕らの公式noteの目的は「PV数を稼ぐこと」ではありません。そしてPV数ではない部分で、しっかりと「目的」

ベンチャーで一年間七転八倒すると、何が出来るのか

2022年3月にセルソースに入社して、1年ちょっとが経過しました。 ライフワークにしていた個人note執筆が止まってしまうほど、仕事と育児に明け暮れた1年でした。次の一年に進むにあたり、一回自分の足跡を振り返ってみたいなと思い、久々にnoteを開いています。 もしいずれかの内容にご興味がある方は、いつでも私宛ご連絡ください! そして、この記事が「セルソースにおける1年」のイメージに繋がれば幸いです。しかし、こうやって書くと本当に色んな人に助けていただいているなぁ。。。

毎日”頑張ってる”自分に満足するな 〜ハッとさせられた柔道家・野村忠宏さんの言葉〜

ベンチャーに転職してそろそろ1年。 強烈に濃密な日々を過ごしてきて、不安や心配に負けそうになることもあるけれど、充実した日々を送ってきました。 ただ、先日参加したイベントで聞いた柔道家・野村忠宏さんのお話にハッとさせられ、強制的に日々の自分を省みさせられました。 ベンチャーや外資にお勤めの方には、特に共感してもらえるのではないかと思っています。 笑けるほどに濃密な日々社内会議は少なくない。でも生産性はクソ高い。 自分が6分野を管掌していることもあると思いますが、放っ