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毎日”頑張ってる”自分に満足するな 〜ハッとさせられた柔道家・野村忠宏さんの言葉〜

ベンチャーに転職してそろそろ1年。

強烈に濃密な日々を過ごしてきて、不安や心配に負けそうになることもあるけれど、充実した日々を送ってきました。

ただ、先日参加したイベントで聞いた柔道家・野村忠宏さんのお話にハッとさせられ、強制的に日々の自分を省みさせられました。

ベンチャーや外資にお勤めの方には、特に共感してもらえるのではないかと思っています。

笑けるほどに濃密な日々

社内会議は少なくない。でも生産性はクソ高い。

自分が6分野を管掌していることもあると思いますが、放っておくと社内会議と社外商談で1日の予定がビッチリ埋まります。

(中が見えないようマスキングしていますが)以下がとある一週間のGカレで、本当に隙間なく予定が埋まっていることがお分かりいただけると思います。

社内会議というと、「えっ、ベンチャーなのに社内会議多いの?」と思われそうですが、安心してください。ちゃんと生産性は高いです。必ず冒頭に会議の目的とルールが宣言され、30分なら30分でそこに到達させる。

そして、会議で最も重要な「ネクストアクション」をキッチリ設定して終わります。到達出来ない時も、それを有耶無耶にせず、修正してネクストアクションに繋げます。

正直、前職では「ふわっと集まって、ふわっと終わる会議」も多く経験しましたが、そういうことがほぼ無いのがとても楽しく、とても刺激的です。

事業が伸びるから、「やりたいこと」と「やらなくてはいけないこと」が増え続ける

会社や個人として成長を目指さなければ、正直もっとゆっくり出来るでしょう。上場もしてるし、資金調達ラウンドが設定出来なければ”死んで”しまう状況ではありません。

ですが、僕らは「社会課題の解決を通じた企業成長」を掲げており、「成長していない=社会課題を解決できていない」と考えています。

そうすると、当然その”成長“に比例して、「やりたいこと」と「やらなくてはならないこと」が増え続けます。後者は残念ながらポジティブな話ばかりではありません。ですが、経営層の一人として、そしてHRを管掌する立場として、それらとも全力で向き合います。

そんな「やりたいことと、やらなくてはならないことに塗れた濃密な日々」を送っていることに、満足している自分がいました。

毎日“頑張ってる”自分に満足するな〜野村さんのお話〜

乱取り72分、という過酷な練習

野村さんの天理大学時代のお話です。練習は当然過酷でメニューも多く、その中に「乱取り:6分✖️12コマ」という練習があったそうです。乱取りとは、

お互いが技を掛け合う自由練習のことです。乱取りは、柔道の練習の中心となるもので、打ち込みで磨いた技や約束稽古で身につけた投げ方や抑え方を駆使して相手を攻撃したり、掛けられた技を防いだりする実践的な練習方法です。

“柔道チャンネル“より引用

言い換えると、実践形式の練習、ということです。そもそも柔道の試合は一試合4分であり、本気でやればその一試合だけでもかなり消耗します。

その乱取りを合計72分・・・。それも日本トップクラスの選手が集まる天理大学で行うわけであり、筆舌に尽くし難い過酷な練習と言えるでしょう。

無意識のうちの「ペース配分」

そんな練習もしっかりとこなしていた野村さんですが、とある日に監督に呼ばれ、こんなことを言われたそうです。

・よく練習していることは認める。
・だが、「12コマをこなせるように」練習している。
・「あとどの位体力を残しておけばいいか」を考えながら練習をしていて、一本勝負の試合で勝てるわけがない。
・12コマこなせなくていい。一回6分に全てを出し尽くす気持ちで練習をやれ。

過酷な練習であるが余り、翻って「無意識にその練習を完走することが目的になっていたし、日々の練習をこなせていることに満足していた」そうです。そして、こんなことを仰られました。

「柔道は刹那の一本で試合が決まるスポーツ。その一瞬に集中し、全てを出し尽くす気概がなければ、勝てるわけがありません。この監督の言葉で練習への意識がガラッと変わり、練習の質が一気に上がった結果、高校まで完全に無名だった私が、大学在学中のアトランタ五輪金メダル獲得を実現することが出来ました」

今回お話を伺って初めて知ったのですが、野村さんは大学2年生になるまで、インターハイ優勝といった、目を引くような戦績は残されていませんでした。それが、練習への意識が根底から変わったことで、金メダルにまで繋がった

どれだけ「一瞬一瞬の質」が大事なのか、を思い知らされるお話でした。

自分に置き換えてみると

このお話を自分に置き換えてみると、「誰かから与えられた仕事をこなしている」ことは全くありません。大半の仕事は自分起点ですし、それ以外の仕事も完全な納得感を持って取り組んでいます。

しかし、冒頭で述べたような「日々の忙しさ」自体に一定の納得感を得てしまっている自分がいることは、目を背け難い事実でした。

忘れかけてた名言とセルソース思考

“この世界に頑張ったで賞なんて無いんだから”

これは、私の大好きな「左利きのエレン」の名言の一つです。

ここでいう“この世界“とはクリエイターの世界を指しますが、どの仕事でも同じです。頑張ったことなんてどうだっていい。1時間で結果が出るなら、残り23時間は遊んでいたっていい。

社会人を14年弱やって、当たり前のように分かっていたつもりでしたが、つい日々の充実にかまけ、どこか満足感を得てしまっていた自分がいました

でも、今自分がメンバーと取り組んでいることの殆どは、まだ結果が出ていない、若しくは、もっと出せるものばかり。

僕にとっての「金メダル」に辿り着けるまで、その刹那に集中した日々を送っていきたいと思います。

セルソース思考③:時間は「自分でコントロールする」

セルソースには、”セルソース思考”という、22個の行動規範があります。その三番目の内容が以下。

セルソース思考③:時間
ノーマル思考:外部に振り回される
セルソース思考:自分でコントロールする

社長の裙本はマジでこれを体現していて、気が狂うほどに忙しい筈なのに、やれ100kmマラソンだの、アイスマラソンだの、サウナだのと、仕事以外もちゃんと満喫しています。

勿論、平日日中は裙本も私同様にバンバン詰め込まれる予定に追われています。が、「追われながらもコントロールをTryするか」「追われることに満足し、その後に帳尻を合わせるか」は全く違います。

カルチャーの浸透を司るはずの私が、セルソース思考を忘れていたことに気づかされました。濁流に飲まれるのではなく、濁流を泳ぎ切って見せます。

終わりに:講演聞くのも悪くないかも

私は「他人の話を黙って聞く」のが大嫌いです。Output無き時間は意味が無いと思っていることもあり、講演会とかには本当に行きません。ですが、今回ひょんなことで野村さんのお話を目の前で聞き、考えが変わりました。

タコツボから出るのに、講演を聞くのも悪くないかも

と。日々どうしても忙しく、つい自社・自分の価値観に染まり切ってしまう中で、外からの刺激を入れることが必要です。

私はそれを会食、読書、Pivotなどの動画コンテンツで補っていますが、普段お会いできない方の講演を聞くのも他と被らない効果が期待できるのかなと思いました。

そして、いつかは自分の講演がそういった効果を生める存在になりたい、そう思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また来週お会いしましょう。

細田 薫


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