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筋肉の形状ごとにトレーニングの適切な負荷とレップを考えよう。

【形状による分類】

骨格筋は形状によって、 平行筋羽状筋の2つに大分できます。


平行筋は羽状筋に比べて、スピードがあり、力で劣り、四肢の伸筋には羽状筋が多く、屈筋には平行筋が多い傾向があります。人体では、平行筋に比べて羽状筋の方が圧倒的に多くあります。


筋頭が複数存在するものを多筋頭と呼び、筋腹が腱で分かれているものを多腹筋と呼びます。


1. 平行筋


平行筋は、筋線維が長軸方向に対してほぼ平行に配列していて、中央が膨らみ、両端が細いのが特徴です。
かつては紡錘状筋とか縦走筋と呼ばれていましたが、最近は欧米の用語を直訳して平行筋と呼ぶケースが増えています。


平行筋はそれぞれの筋線維がほぼ平行に走っているため、1本の筋線維が縮む距離は筋肉全体が縮む距離と同じ、という特徴があります。1秒間に筋線維が30%短くなれば、筋肉全体も30%短くなります。
平行筋は、12~20回の低~中重量で反応しやすいことが知られています。

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2. 羽状筋


羽状筋は、筋線維が腱膜に向かって斜走しています。
筋線維の斜走する角度のことを羽状角と言い、その角度も様々です。一般に羽状角は5~25°で、筋力のロスは0.99~0.91程度と小さいが、トップビルダーでは50°を超えることがあり、筋力のロスは0.57と大きくなります。


羽状筋の場合は、1本1本の筋線維は平行筋と比べて短いので、個々の筋線維が収縮して短くなった距離は、筋肉の全長からするとほんの僅かな距離になります。筋線維が1秒間に30%縮んでも、全体としては10%ほどしか短くならないので、収縮速度は平行筋の3分の1になります。


羽状筋は個々の筋線維が短い分、より多数の筋線維が筋肉の中に並列して詰まっているため、より強い力を発揮することができます。
羽状筋は、6~12回の中~高重量で反応しやすいことが知られています。
羽状筋には、まさしく羽のように左右にきれいに分かれている両羽状筋と、羽を半分に切ったような形で片方だけに筋線維が伸びている単羽状筋と、多羽状筋があります。

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① 単羽状筋


単羽状筋(半羽状筋)は、羽を半分に切ったような形で斜走する筋線維が片側のみに伸びている筋です。
ハムストリングスや前脛骨筋は羽状角が、非常に小さく、平行筋に近い羽状筋といえます。
例 半腱様筋、浅・伸指屈筋、指伸筋、長趾屈筋、長趾伸筋、肩甲挙筋など


② 両羽状筋


両羽状筋は、まさしく羽のようにきれいに、筋中央(腱膜)に向かって、分かれて斜走する筋線維が両側にある筋です。
大腿四頭筋・上腕三頭筋は、羽状角が大きく、大きな力を出すために最適の構造をしています。
例 腓腹筋、上腕三頭筋長頭、大腿直筋など


③ 多羽状筋


多羽状筋は、多くの筋が横に並び、一つの筋を作ります。1つの筋をつくる双羽状筋が幾つか並列集合した形状です。


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