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接客業スペシャリスト評価の難しさ

上記記事でマネジメントの評価の難しさについて考えてみました。

またこちらの記事でもマネジメントの評価の難しさの理由として成果が無形であることを上げました。

今回はスペシャリスト、特に接客業におけるスペシャリストへの評価の難しさについて考えてみたいと思います。

ジョブ型雇用と接客業
会社に所属して作業をしていれば大きな責任を抱えることなく一定の給料がもらえる(高給ではないとしても)、いわゆるメンバーシップ型雇用というのはアルバイトと何が違うのか私にはわかりません。

そこでいわゆるジョブ型雇用です。

接客業のスペシャリスト、ホスピタリティが高く、動きが洗練され、現代では語学の堪能さも求められるでしょうか、そういった人には通常よりも高い報酬を支払うという考え方です。

この問題はビジネスモデルにもよりますので、今回は私が長年勤めてきたホテルでのスペシャリストについて考えてみます。

無形の呪縛
ここでも立ちはだかるのが接客業スキルが無形のものであるという点です。
上記記事でも書きましたが、無形のものを評価するというのは極めて難しいです。

そうなるとやはり仕組みでうまく対応するしかなくなるでしょう。

ホスピタリティが高いとはどういう状態を指すのか、洗練された動きとはどのようなものなのか、語学力を測るツールは、などなど言葉の定義とそれに対応する尺度を考える必要に迫られます。

またそれらをしたとしても、正確にはすればするほど抜け漏れが発生します。
Aさんにとって最高の接客がBさんにとって最悪の接客である可能性は否定できません。

そのため完璧な評価制度の設立は不可能でしょう。

しかしそれでも、少なくともそういった評価制度を作成することによって会社はどんな人材を良しとしているのか、ということは従業員に伝わります。
やはり地道に人事制度を組み立てるしかありません。

ありがとうを集める
制度で対応するといっても具体例がないことには何とも説得力がないので、ホスピタリティの評価制度について以前読んだ「地域で一番ピカピカなホテル」からアイデアを紹介します。

AさんがBさんを助けるとBさんはありがとうカードを渡す、あるいはスマホ上でそのカードのやり取りができるそんなシステムを導入し、カードの数を査定に組み込むという会社も増えているようです。

私はホスピタリティ産業こそこういった仕組みを積極的に取り入れるべきだと考えています。

上記記事の通り、仕事は本質的にGiveで成立しています。

特に接客業ではそれが如実に表れます。

お客様にどれだけのGiveをお渡しできているか、接客業の経営者はそこに目を光らせておく必要性があります。

その目安として、例えばお客様にチェックイン時、対応したスタッフの名前が書かれた名刺サイズのカードをお渡しして宿泊の感想をくださいと渡してみる。

この口コミサイト全盛の時代になんでそんな前時代的なことをと思われるかもしれませんが、ホモサピエンスは元々アナログな存在です。

基本的にアナログな刺激に過敏です。

例えばあなたの接客は素晴らしかったですと100件の口コミをもらうのと、それをカードで100枚手渡されるのと、どちらが嬉しいでしょうか。また満足感があるでしょうか。私は後者だと思っています。

また記名式にしておくことで誰がどれだけのありがとうを集められたか定量化できます。
定量化できれば査定にも反映させやすいはずです。

人を評価するときの難しさはどこまでいっても無形な部分があるからだと私は思っています。

プライベートであればそれを好き嫌いで判断すれば終わりですが、オフィシャルの場合にはある程度の平等性がないと説得力を欠きます。

どんな方法であれ、みんなが納得できる仕組み作りをしていければなあと考える次第であります。

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