年収120万円。

年収120万円。

9年前の29歳、あと一歩で障がい者手帳だった私の精一杯の今の所得。

自分が精神病者であり、またそれを再発させることを知って。
【再発するタイプの症例】と言い渡され。
一生涯の通院服薬を約束させられて。
もはや、私は、自身に【健常者】の認識すら、持てなくて。

発病の度に、何度も転職を繰り返したけど。

こんなにやる気のない勤め先も、勤め方も、かつて一度もなかった。
私はただ、真面目だったから。
真面目に、適当人ぶることにした。

日増しに痩せていくような、切迫した精神状態で、我武者羅に働き勤めるつもりは、一切なかった。

年々、体重は増えていった。
35歳、曲がり角とやらを乗り越えて、
代謝が落ちた人間は、
特別、何をするわけでなくとも盛んに体重だけが増えていった。

8年勤めたパート先で、
順調に増やしたのは体重だけだ。

決まったことのように、私にだけ、クレームが入る。
大概、その人達は横柄で、感じが悪く、
私に何を言っても、何をやっても、
罪な意識は一切ない。
そんな様子に、
内心溜め息を吐く。

どちらが…
意地の悪い人間だか。

どちらが…
美しくない人間だか。

真面目なだけの私は、
けっして、他人にぶらされることのない視点で、
一人、それらを眺めている。

誰が…
わかってくれるわけじゃない。

誰に…
話して聞かせるわけじゃない。

会社の人間、一人も信用しない。
私も、信用されないから。

お互い様ね、と、心で呟きながら。

毎日、実家と会社だけを行き来している。

そんな、さもしい日常。

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