九十九周(つくもあまね)

よろしくお願いします。

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記事一覧

公園があってよかった

子供の頃、 特に何をするわけでもないのに 公園に一人でいる大人は やばいし、キモいなぁと思っていた。 周りのお母さん方も子供を 近づかさないようにしていたし、 ちゃ…

街の中で溺れる

これからも正解がわかるまで僕は間違い続ける。 間違い続けるその時間は本当に辛い。 世界から取り残されたような 暗闇の中で人の背中だけが見える。 みんなが簡単にクリ…

防波堤

僕は彼女に 「防波堤になるからさ」と言った。 そんな詩的な事を 格好つけて言ってみたが、 自信はなかった。 彼女が仕事に悩んでいた。 対人関係である。 話を一通り聞…

トマトと餃子

「これ、おいしいから食べてみて」 鷄の唐揚げの横に添えられていた トマトを私は高尾にあげた。 私はトマトが大嫌いだ。 「お、ありがとう」 高尾はおいしいものを食べ…

希死念慮

毎日、毎日、 悲しくて、辛くて、 上原はやりきれない。 なぜやりきれないのかはわからない。 そんな時、酒を飲む。 嫌な事を忘れるためではない。 簡単には忘れられない…

鼻毛

僕は鼻毛が出ている。 この文章を書いている今この瞬間も きっと鼻毛が出ている。 1週間前ぐらいの朝、 鏡を見ると鼻毛が出ていた。 腹を抱えるぐらい笑ってしまった。 …

遮光カーテン

「山口君、日が出てきたから 教室のカーテン閉めてきてくれるー?」 村木さんにそう言われ私は教室の 遮光カーテンを閉めた。 が、劣化により生地が薄くなり 所々、破れて…

偉業を前に私は、、。

松山英樹さんという名前の ゴルフのうまい人が ゴルフがうまい人が集まる殺し合いで 優勝したらしい。 ニュースでも新聞でもネットでも いたるところで見かけた。 ゴルフも…

お前のnoteなんか誰も見てないわ。(雑記)

辛辣なタイトルですが、 ここでいう「お前」は 自分に対して言ってます。 あなたではありません。 いたずらに私は人を傷つけません。 SNSで文章や写真などを投稿するたび…

朝6時7分頃、考えていたこと。

朝は、中島みゆきの化粧を本当は聴きたい。 でも僕は、僕がクラブミュージックや テクノを聴いてモチベーションや テンションをあげようとする行為を 嫌がるのを知っていて…

シン・シンデレラ

「あれは、魔法なんかではない、呪いだ。」 無機質で表情のない灰色の空を 眺めてはそんなことを思った。 シンデレラは12年前の "あの日"から今日までの日々を 手紙に記…

マクドナルド事件

「もう無理、疲れた...」 溢れ落ちる程ではないその涙を 瞳に溜めた女はそう言った。 "涙は世界最小の海だ" 僕はその瞳を見て、 どこかで誰かが言っていた、 その言葉を頭…

 ビー玉とラウンドワンな彼女

梶井基次郎の「檸檬」と 誕生日に貰ったBeatsの ヘッドフォンを装着し、 馴染みの喫茶店へ入った。 朝の喫茶店はあまり好きではなかった。 人の流動が激しく、 昼間や夕方…

27

2020年5月16日。 それは誕生日の前夜の出来事だった。 大学生時代の先輩である、 リョウタさんのInstagramのストーリーズから 僕のアカウントのタグ付けがされた。 そ…

雨と祈りの伊勢神宮

"神はいる、そこにきっといる。" 僕と彼女は伊勢駅を降りた。 小雨が降る道を 塗装が薄くなって 掠れた青色の文字の 看板を掲げるお土産屋さんや 「patagonia」と書かれた…

はじめての手記

その時々に思ったこと、 昔に経験して今ふと思い出したこと、 そんなことをこのnoteに つまり手記として残そうと思う。 誰のためでもなく、自分のために。 なので、今日言…

公園があってよかった

公園があってよかった

子供の頃、
特に何をするわけでもないのに
公園に一人でいる大人は
やばいし、キモいなぁと思っていた。

周りのお母さん方も子供を
近づかさないようにしていたし、
ちゃんとした大人は
公園でちゃんとしていない大人を
怪訝そうに見ていた。

28歳になった私は
今、公園に1人でいる。
特に何もしていない。

あの頃は分からなかったけれど、
今なら何となくあの時の
ちゃんとしてない大人の
気持ちがわかる

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街の中で溺れる

これからも正解がわかるまで僕は間違い続ける。

間違い続けるその時間は本当に辛い。
世界から取り残されたような
暗闇の中で人の背中だけが見える。
みんなが簡単にクリアしていく問題に
自分だけがずっとそこでつまずいている。

間違い続けた先に正解があるのかも
実際にはわからない。
けれども、間違わないことには
確認しようがない。
間違いを重ねただけでは
先にも進んでいない。
壊れた時計のようにずっと

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防波堤

防波堤

僕は彼女に
「防波堤になるからさ」と言った。

そんな詩的な事を
格好つけて言ってみたが、
自信はなかった。

彼女が仕事に悩んでいた。
対人関係である。

話を一通り聞いた後に
格好つけててそう言った。

僕は会社勤めをした事がないから、
どんな高くて激しい波に
彼女が襲われているのかはわからない。
だから僕という防波堤の高さが
それを防ぐに足りるかわからない。

彼女だけでなく、
おおかた、こ

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トマトと餃子

「これ、おいしいから食べてみて」

鷄の唐揚げの横に添えられていた
トマトを私は高尾にあげた。

私はトマトが大嫌いだ。

「お、ありがとう」
高尾はおいしいものを食べるように
トマトを口に運ぶ。
「うーん、別に普通のトマトやけどなぁ」
高尾は真面目に味の感想を言った。

私は「これ、おいしいから食べてみて」の
意図というかボケを
高尾が理解していると思っていた。
なんなら、
「嫌いなトマト食べて

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希死念慮

毎日、毎日、
悲しくて、辛くて、
上原はやりきれない。
なぜやりきれないのかはわからない。

そんな時、酒を飲む。
嫌な事を忘れるためではない。
簡単には忘れられない。
なぜ酒を飲むのかはわからない。

何度も上原はビルから
飛び降りることを想像した。
想像の世界では、
割と簡単なことだった。

けれども、想像の上原は
簡単に死ねたのだが、
現実の上原はしぶとくも、
ここにまだ生きている。
まだ生

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鼻毛

鼻毛

僕は鼻毛が出ている。

この文章を書いている今この瞬間も
きっと鼻毛が出ている。

1週間前ぐらいの朝、
鏡を見ると鼻毛が出ていた。
腹を抱えるぐらい笑ってしまった。
なぜなら鼻毛が出ているからだ。

半端ないって、
鼻毛めっちゃ出てるもん
あんなん出えへんやん、普通
そんな出る?
言っといてや、出るんやったら。
(僕は「半端ないって」を忘れない)

あまりにも面白いので
ずっと出している事にした

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遮光カーテン

「山口君、日が出てきたから
教室のカーテン閉めてきてくれるー?」

村木さんにそう言われ私は教室の
遮光カーテンを閉めた。
が、劣化により生地が薄くなり
所々、破れてしまって、
カーテンから光が漏れていた。

"遮光カーテン"のくせに
光をお漏らししていた。

光を遮るために、
この世に生を授かり、
遮光カーテンという名前を与えられたはずだ。
私はもう友人を呼ぶように
「遮光カーテン」と呼んであげ

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偉業を前に私は、、。

偉業を前に私は、、。

松山英樹さんという名前の
ゴルフのうまい人が
ゴルフがうまい人が集まる殺し合いで
優勝したらしい。
ニュースでも新聞でもネットでも
いたるところで見かけた。
ゴルフも殺し合い(マスターズ)も
詳しくは知らないのだけれど、
偉業らしい。
サッカーが好きなので、
友達にサッカーで例えてもらったら
「日本人がバロンドールもらう感じ」と
教えてもらいました。

「偉業やん。」私は言いました。

私は誰かが

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お前のnoteなんか誰も見てないわ。(雑記)

お前のnoteなんか誰も見てないわ。(雑記)

辛辣なタイトルですが、
ここでいう「お前」は
自分に対して言ってます。
あなたではありません。
いたずらに私は人を傷つけません。

SNSで文章や写真などを投稿するたびに
「誰も見てないだろうなぁ。」とか
「誰が興味あんねん。」と思っています。
もちろん誰かのために有益な情報を
発信しているわけではないから、
仕方ないのですけれども。
それでも、もしかしたら誰かが
見てくれているかもと、
一縷の望

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朝6時7分頃、考えていたこと。

朝は、中島みゆきの化粧を本当は聴きたい。
でも僕は、僕がクラブミュージックや
テクノを聴いてモチベーションや
テンションをあげようとする行為を
嫌がるのを知っていて、
わざと元メジャーリーガーの
上原投手がマウンドに行く時に
流れる音楽を聴かせてくるやつなのです。
僕は、拒否することもできるのですが、
わざとそれを聞いて、
苦しんだ顔を見せてあげる。
これで満足か?お前の押し付けで
苦しんでいる人

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シン・シンデレラ

シン・シンデレラ

「あれは、魔法なんかではない、呪いだ。」

無機質で表情のない灰色の空を
眺めてはそんなことを思った。

シンデレラは12年前の
"あの日"から今日までの日々を
手紙に記すことにした。

「私の出生から現在までが
"シンデレラ・ストーリー"と
呼ばれているらしい事を
家政婦たちがキッチンで
話しているのを耳にした。
何かをきっかけに無名の者が
突如として名声や富を得る
成功物語という意味らしい。

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マクドナルド事件

マクドナルド事件

「もう無理、疲れた...」
溢れ落ちる程ではないその涙を
瞳に溜めた女はそう言った。

"涙は世界最小の海だ"
僕はその瞳を見て、
どこかで誰かが言っていた、
その言葉を頭の中で反芻した。

3時間前、タイムカードを切り、
その日のアルバイトを終え、
近く迫っていた自らの個展の
コンセプトや作品をいくつ展示するかなど
諸々の事をノートにまとめようと
24時間営業のマクドナルドへと向かった。

少し

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 ビー玉とラウンドワンな彼女

 ビー玉とラウンドワンな彼女

梶井基次郎の「檸檬」と
誕生日に貰ったBeatsの
ヘッドフォンを装着し、
馴染みの喫茶店へ入った。
朝の喫茶店はあまり好きではなかった。
人の流動が激しく、
昼間や夕方とは違って
ゆっくり過ごすのに抵抗が出てくる。

私はお店に気を遣うタイプだ。
コーヒーだけで長居をして良いものか。
あぁ、客当単価が悪くなる。
1人なのに2名席に座っても良いのか。
あぁ、お店の回転が悪くなる。
朝ご飯は食べない

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27

27

2020年5月16日。
それは誕生日の前夜の出来事だった。

大学生時代の先輩である、
リョウタさんのInstagramのストーリーズから
僕のアカウントのタグ付けがされた。

その写真は先輩や後輩と学園祭の
準備をしている若かりし頃の写真だった。
やはり髪型や服装は今よりも大学生で
かろうじで懐かしさに軍配は上がったが
少しの羞恥心があった。
この写真に写っている僕以外は
社会人として今はも

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雨と祈りの伊勢神宮

"神はいる、そこにきっといる。"

僕と彼女は伊勢駅を降りた。
小雨が降る道を
塗装が薄くなって
掠れた青色の文字の
看板を掲げるお土産屋さんや
「patagonia」と書かれた
タペストリーのある小洒落たお店を
横目に外宮を目指した。
寂れているわけでも
活気が溢れているわけでもない
商店街を抜けた。

僕が伊勢神宮に行きたいと言った。
その理由は神を感じたかったからだ。
調べたところによると、

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はじめての手記

その時々に思ったこと、
昔に経験して今ふと思い出したこと、
そんなことをこのnoteに
つまり手記として残そうと思う。
誰のためでもなく、自分のために。
なので、今日言ったことが
明日には違うかもしれない。
それは私が日々、進化しているからだ。
ただ、そうした変化の中にも
確かにブレないものもある。
つまるところ、仮にこれから手記を
読み進めて頂いたとして、
悪しからず、お手柔らかに。
ということ

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