#6 名刺は公費で作れない?
1. 得体の知れない違和感
タイトルの写真は数年前にテスラに試乗した際、テスラの躯体構造を展示してあったので撮影したものです。底の鉄板は電池です。私は車の専門家ではないので上手く言えないのですが、カッコいいけどなんか不安。中国製だからというのもありますが、自動車というより大きなプラモデルに見えてきました。あと、電気自動車とは言え日本の場合は火力発電から供給されることが多いのでCO2削減にはあまり効果なさそうだなという直感も含め得体の知れない違和感を覚えました。
ちなみに私が以前仕事をさせていただいていた半導体業界にとってEVは搭載される半導体個数が化石燃料車と比べて1.5〜2倍に増えるためEV大歓迎であった反面、3年ほど関わった油業界(エンジンオイルとか)はEVの時代が来たら死活問題。ゲームチェンジって本当に怖いです。
さて行政職に着任し最初に感じたものすごい違和感は、部署間の縦割り色の強さです。行政職員は個々の仕事が独立していて隣の人が何をやっているのか?をよく知らない人が多いし、ピラミッド組織の割に上司部下でも情報共有できていないことが多くいわゆる属人化されている状態。
”飲みにケーション”は時代錯誤となり機会はだいぶ減りましたが、それでも飲みにいく人は毎回同じになるし、昼休みとかに自席でお弁当広げてご飯食べて終わり…ではなくて、自発的に普段会話しない人と同じテーブルや空間で他愛の無い会話からお互いの仕事を知る機会を作りにいくとか…そういうコミュニケーションの場は行政職こそ必要性を感じます。まぁ、東彼杵町にはみんなでワッと集まって食事できるお店も少ないのですが…。
2. 名刺は公費で作れない?
二つ目の違和感は、名刺を公費で作ってもらえないことです。
「仕事のために使う名刺が何故自腹なの? 」
企業人として20年間、ごく当たり前の経験が一瞬でぶち壊されました。行政職員の皆さんはもっと意識変えた方がいいし、もし住民や議会から
「税金の無駄遣い」
と言われるのを恐れているならその感覚は変えた方がいいです。しかし、私に返ってきた答えは、
「ずっとこうしてきているので…」
の一点張り。なかなか手強いというか、頑固。この話題に関する記事がネット上で散見されるのでいくつか紹介しておきます。
これからは地方自治体も儲ける時代(次節参照)です。そのためには地方自治体のことをもっと域外の人に知ってもらうPRをしなくてはなりません。私が以前在籍した化学企業は自社のビジネスの範囲内に競合会社が10-20社くらいあると結構しんどい(価格競争に巻き込まれたり、技術革新のサイクルが速かったり…)と感じました。日本には1,700近い地方自治体があることを考えると、やはり知名度、認知度を知らしめるためのPR戦術として名刺は大事ですね。上記記事にある新潟県のように課長職以上とか、外部接点の多い部署に限定してでも公費での名刺は持たせて欲しいものです。
3. 儲ける感覚
自治体が儲けてはダメ?本当にそうでしょうか?
ふるさと納税は日本全国に散らばる税金のぶんどり合戦です。企業版ふるさと納税やガバメントクラファンも同様です。己の地方自治体の運転資金を他の自治体に納入されるそこの住民や企業からぶんどってくるのです。いわゆるパイの奪い合い。ビジネスの場合、パイの取り合いは消耗戦になってしまうので、新商品や改良品が出てきます。自治体は新しい町づくり、魅力づくりと言ったところでしょうか。
お話をする機会がある行政職員の方々にこの”儲ける感覚”の話をしていますが10人中1人理解してくれれば御の字。財政が苦しい時に予算を削るという守りの措置しか知らないのと、儲けようとする攻めの手段"も"持って二刀流で運転するのでは視野が全然変わってくるはずです。
大変ありがたいことに東彼杵町では私の”儲けましょう”提案を1つ受け入れてくださいました。それがコレ。
他の市町からの視察が来る時は視察費をもらいましょう
考え方はこうです。視察対応する行政職員はその日数時間拘束され、その分日常業務が止まります。場合によって残業が発生します。この残業代も税金です。他の市町の視察で利益を得るのは東彼杵町町民ではなく視察に来た市町の住民です。ならばそこからぶんどって儲けましょう。理にかなっていると思います。
私は国語のプロではないのでざっくり”稼ぐ”と表現しますし、こんな感じの説明しかできませんが、↓の方のnoteではなかなか鋭いことを言われてますね。勉強になります。
4. 次回予告
さて次回は、東彼杵が誇る(+撮り鉄な私の好みで)JR九州 大村線の千綿駅を特集してみます。そこにもまたプロジェクトのヒントがあるんです。