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#漂泊幾花シリーズのスピンオフ短編集
望まれた命、そうでない命
あたしとうっちーセンパイは、同じ布団でなんとなく朝を迎えた。
当然だけれど、直接肌が触れあってる。
暖かいし、布団から外れた部分が驚くほど冷たい。
こういう温度差は、体でなくても、心においてもあるのかもしれないな。
そんな哲学的なことを考えたのは倫子ちゃんの影響かなとふと思った。
「あ・・・はるかちゃん・・。」
うっちーセンパイが、寝ぼけた顔でこっちを見た。
あたし、ついキスしたけ
浦上咲を・・かたわらに ο (Omicron)
Episode15 知足咲がアパートに久しぶりに訪ねてきた。
「こうさく、お夕食作ってあげる。材料も買ってきたよ。」
咲は、スーパーの袋に野菜やら肉やら牛乳やら、しこたま買い込んで、流しへ向かった。
「へぇ・・・何作ってくれるの?」
「クリームシチュー、嫌い?」
「いや、僕は好き嫌いはほとんどないから大丈夫。」
「よかった、この台所も慣れておかなくっちゃ・・。って思って。」
咲はトー
浦上咲を・・かたわらに ψ (psi)ーβ
Etude23ー2 Premonition=予感咲はいよいよ「自分の肉体」の限界を感じたようだった
「耕作、あたしね、もう、ホスピスに行こうかと思うんだ。」
突然の提案だった。
確かに、最近の咲は目に見えて「細って」いた。、
人はどうしても「楽観的」な方に、
おのが運命や環境を持っていこうと思うものだ。
だけど、咲の病気は、
そもそもが「これを運命づけていた」はずじゃないか。
そんなことは