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#9 予想外の言葉 「あなたは○○○のが得意だね」

今日は、ここ数年の中で、人に言われて意外な気付きがあった言葉について話そうと思う。


年度末のある日の放課後、人事面談のために校長室へ向かった。
「異動して1年間、なんとかやりきった。新しい環境の中で新しい立場。置かれた場所で、そこそこやれただろう。」
そう思いながら、校長室のドアをノックした。

1年間の振り返りをそこそこに、校長先生はこう言った。

「あなたは、子どもたちを鍛えるのが得意だよね。」

私はその言葉を聞いて、驚いた。これまでに言われた事がないからだ。

私は聞き返した。
「ありがとうございます。しかし、どうしてそのように思うのですか?」
「授業中のテンポの良い進行や生活態度、子供たちの挨拶がいいよね。学級会の様子もいいね。」
私は素直に褒めてもらったことが嬉しかった。
「私には無いものをもっているから、羨ましいんだよ。来年もよろしくね。」
お礼を言い、校長室を後にした。

仕事を終え、運転をしながら考えた。
「なぜ校長先生は『鍛える』という言葉を選んだのだろう」
『指導力がある』や『○○をしっかり身につけさせられる』という言葉でもよかったのではないか。
校長先生は、特性をもった子どもたちが良い方向へ変容する過程で、教師側から様々なアプローチをし続けてきたことをわかってくれたのだろうと考えた。
また、子どもたちの輝く姿の根底には、心の成長があることもわかっていたと思う。
こう考えると、自分がしてきたことを認めてもらい、自分がしてきたことは間違っていなかったと思った。

少し見方を変える。
個人的には『鍛える』という言葉は少し冷たい部分を感じる。
受けもったクラス全員の気持ちに共感しようとしたのか。
いつでも個の成長を願っていたのか。
振り返ると、時には感情的になり、相応しい言葉を選ぶことができなかったことがあった。

担任から見て、一見良いクラスに見えても、
成長する余地がまだまだあるはずだ。
現状に満足せず、修了式当日まで『成長させる思い』は切らさずにもっていなくてはいけない。

『君たちなら、きっとできる!』
子どもたちの可能性を信じ、この言葉をかけ続けられる存在でいたい。



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