不登校にならないとわからない事・1
〇干渉してしまう親
先日、友人の紹介でひきこもりの親の会で講演をしてきた。
僕の不登校に至る経緯、高校進学、大学受験、そしてひきこもり体験を紹介した。
質疑応答の時間にて、親はどうしても、子どもを干渉してしまうということだった。
具体的には、子どもがゲームをしているけどやめさせたいが、どうしたらいいのか。
僕は「そのまま続けたらいいじゃないか」と答えた。
それに、羨ましいなとも思った。
夢中になれるなんて素敵だし、ゲームの延長で仕事はいくらでもありそうだから。
それでもゲームをやってる子どもに対し否定的だった。
親の世代と子どもの世代で価値観が違うのは当たり前だし、なかなか溝は埋まりそうもない。
そこで、今月は、不登校・ひきこもり経験から得た事と親との関わりについて書いてみたい。
〇本物の喜びを体験
僕は、小6で不登校になり、学校へ復帰するも、中二で再び不登校になった。
そんなある日、もともと好きだった車に興味をもち、雑誌を買ったり、親の車を洗車したり、いつか持てるであろう免許を楽しみに、親にどこかドライブに連れて行ってもらい、よく出かけていたことを思い出す。
その時、強烈に印象に残っている出来事があった。
洗車の後、入念にフロントガラスを磨き、コンパウンドと言う研磨剤で汚れを落とし、最後にコーティングをする。
そういった過程を「主体的に取り組んだこと」。
誰にも命令されず自分で考え自分の力で取り組めたこと。
これが本当に嬉しかった。
小学校の時、スイミングスクール、公文教室、サッカースクールに通って散々努力はしたけど、親からやらされたことで、なんの達成感もなかった。
公文では算数が得意で、上級生より難しい問題が解けても、まったく喜びはなかった。
不登校になり、初めて親や教師の命令から解き放たれ、「車のフロントガラスにコーティングをした」それが僕に初めて本物の喜びというものを教えてくれた。(以下に続く)
プロフィール・中二で不登校、22歳で大学合格するも体調を崩しひきこもり状態へ突入。 現在、不登校・ひきこもり経験を活かし、市民活動「ひきこもり発信プロジェクト(講演型)」代表として活動中 タウンニュース、神奈川新聞、社会福祉協議会広報誌「さくら貝」など多数掲載 冊子すぐそこにあること販売中
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