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【不定期連載】 #在宅勤務制度 始まったので、3年6ヶ月ほど使ってみて、歩数の変化を見える化した結果

はじめに

このシリーズは、全社員対象の在宅勤務制度が利用可能になったある企業のサラリーマンが使ってみた結果を不定期に書いていくシリーズです。

ここまでのあらまし

当社で、在宅勤務制度が全社員利用可能になったのは、2018年10月からでした。

最初は「月5日まで取得可能」という制度でした。当社に限らずと思いますが、これまでの在宅勤務制度は、基本的に「配偶者が妊娠・出産している」「自宅に要介護者がいる」などの

他の誰かを定常的に支援するために『仕方なく』在宅勤務を認める

という性質の制度でした。

それが、働き方改革の文脈で(当社の場合は2018年に)制度変更がされたのです。当社は(比較的)先進的な企業であったと思います。在宅勤務という制度に対して様子見を決め込んでいた企業も多くありました。

しかし、2019年末より世界中でコロナウィルス(COVID-19)が大流行。2月過ぎには日本全体に認識され、その後「緊急事態宣言」が発令されることとなりました。これを機に、どの企業も否応なしに在宅勤務制度への対応が求められることになったというのが現実です。2022年になっても、コロナウィルスは相変わらず存在し、なんだったら変異も起こりながら、「コロナとの共存」が日常となりました。それに伴い、在宅勤務制度も「ニューノーマル」となりました。

テレワークで1日の歩数30%減少!?

通勤という日常が無くなったことにより、 通勤しなくなったことで、いかに歩かなくなったか?というネタが広く取り上げられました。たとえばNHKのニュースでは、「テレワークで1日の歩数30%減少」と報じられています。

出社日数と在宅勤務日数が逆転する(在宅勤務の方が多くなる)という状況になった人も増えました。その後、コロナウィルスの流行と鎮静化、あるいはそれに伴う緊急事態宣言(や類似の各種宣言)も発令と解除とを繰り返し、現在に至ります。

世間の状況は絶え間なく変化していますが、歩数は常に減少するものなのでしょうか? トレンドの推移というものは、ある程度長期間のデータ蓄積と、その見える化で初めてわかるものです。

3年半で常に同じような状況だったのか、それが変わったのか? 今回は、それらについて、見える化を行っていきます。

3年半で出社と在宅勤務はどれくらい変わったか

1ヶ月の勤務形態を「出社」「在宅」「休日」「出張」の4つに分け、それを100%積み上げ縦棒グラフで示します。

在宅勤務・出社・休日・出張 各日数の推移

これを見ると、この3年半でいくらか状況が変わっていることがわかります。

  • 2018年秋~:制度利用開始。利用上限(月5日)まで積極的に使おうとしている

  • 2019年夏~:制度開始1年が経ち、周りで使っている人もいないので、利用頻度が下がっている(使わない月も)

  • 2020年春~:コロナ禍顕在化。出社が抑制され、在宅勤務と出社の日数が逆転。出張は無くなる。

  • 2021年春~:出社と在宅勤務の割合が同程度に落ち着く。出張も見られるように。

コロナ禍以前だと、「在宅勤務制度を使うこと」自体をためらっていた時期もあったようですが(周りで誰も利用していなかったため)、コロナ禍になれば「在宅勤務自体が当たり前」になり、働き方の多様性が認められたのはよかったと思います。

在宅勤務で歩数は本当に30%も減少するのか

出社と在宅勤務の日数が反転している時期があるということで、まずはこれらを見える化してみました。以下は、2018年10月から2022年3月まで、在宅勤務日数(紫)と出社日数(水色)の棒グラフ、およびその月の平均歩数(オレンジ)です。

在宅勤務日数・出社日数・平均歩数の推移(コロナ禍前後で分ける)

このグラフを見ると、30%どころではなく減少しているように見えます。実際に緊急事態宣言(1回目)が出された2020年2月を境目に、次の一年との差を見ると

  • 2018/10~2020/02:平均歩数 7530.9歩

  • 2020/03~2021/02:平均歩数 3852.0歩(51.1%)

となり、30%どころでなく下がっているように見えます。

そもそも出社日数と歩数に関係はあるのか

出社日数(水色)と歩数(オレンジは)は相関がありそうな感じです。試しに、「出社」と「歩数」の相関を取ってみると以下のような図になります。

出社日数と平均歩数の相関

これを見ると、確かに出社日数(水色)と歩数との相関が強いことがわかります。しかし、本当に「在宅勤務が多いと歩数は30%も減る」のでしょうか? 勤務形態は「出社」「在宅」「休日」「出張」の4つがあったわけで、これらと歩数の関係は本当に「出社」だけに比例するのか?そもそもよくわかっておりません。

では次に、先に示した「出社」「在宅」「休日」「出張」の4つに分けた時に、本当に出社の時は歩数が多いのか?を見える化してみましょう。下図は「出社」「在宅」「休日」「出張」の4つで、月の回数と平均歩数に分けたバブルチャートです。

項目別平均歩数の推移(バブルチャート)

このチャートからみるに、

  • 「出社」時は一定でだいたい9000~10000歩/月平均

  • コロナ禍以降、「在宅」が登場し、だいたい1000~2000歩/月平均 未満

ということで、歩数の傾向は前々回(2年半)の時からあまり大きく変わっていません。

では、歩数を増やすにはどうしたらよいか

ところで、先ほどの図を見ると、2021年11月くらいから「出社(青)」時の歩数が平均2000~3000歩少し増えてきています。これは、実は「一駅歩く」を実践するようになったからです。(※モチベーションは、今まで書いてきた通り…)

表にすると、下のようになります。コロナ禍で歩数は半分程度まで減りましたが、出張などが行われるようになったら30%減まで減り、「一駅歩く」を実施するようになった2021年11月から2022年3月までの平均歩数を見ると、コロナ禍の87%くらいまで戻ってきているようです。

平均歩数の推移(2018/10~22/03)

よく、「ダイエットのために最近一駅歩くようにしました!」とかいう書き込みを見ますが、効果はこれだけ如実に表れるものなのですね…。

おわりに

2020年以前は7000~9000歩/月だった平均歩数が、コロナ禍で一度3000歩/月まで落ち込みました。しかし、在宅勤務が多くても、歩数の見える化により、だいぶ平均歩数が戻ってきました。最近では「一駅歩く」という手法により、コロナ禍以前の平均歩数に戻ってくる状況が見えてきました。在宅勤務丸4年になったら、これに届くか? が次の注目ポイントかと思っています。本活動は引き続き行っていこうと思っています。

つづく

2023/01/24追記:「4年3ヶ月継続中」です。こちらのお話も是非ご覧ください。


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