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白い十字架を背負った捜索隊が見つける遺留品とシャレコウベ - 映画「Águilas」を見た話

アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門のショートリストからThe New Yorkerの映画「Águilas」を見た。

アリゾナとカリフォルニア、そしてメキシコのソノラ州にかけて広がるソノラ砂漠(Sonoran Desert)。より良い未来、もっと言うと普通の生活を求めて中央アメリカから国境を越えた、行方不明の不法移民を探す捜索隊「Águilas del Desierto」の話である。


そもそも何故彼らは国境を超えるのか。メキシコ経由で米国への不法入国を目指す人々の大半は、貧困状態や犯罪の危険から逃れてきた貧困層。

例えば世界でも最も殺人事件が多いと言われるエルサルバドル・ホンジュラス・グアテマラなどの国々では、ギャングから狙われたら、その場に居続けることはできない。

加えてハイチでは大統領が暗殺、コロナに伴う経済の落ち込み、キューバ・ベネズエラ・ニカラグアなどでは独裁政権の締め付けが厳しくなっており、不法移民は顕著に増加している。


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そして十字架を背負った捜索隊が見つけるのは、わずかな遺留品と、野ざらしのシャレコウベ。ソノラ砂漠は気温が49度にもなる過酷な荒野だが、それでも不法入国者は後を絶たず、その数は過去最高のレベルに達している。

本作がこのタイミングで短編ドキュメンタリー部門のショートリストに入ったのは、トランプ前大統領が導入し、バイデン大統領が就任後に撤回した移民政策「メキシコ待機プログラム / Remain in Mexico program」を再開すると明らかにしたことと、決して無関係ではないだろう。



140文字の文章ばかり書いていると長い文章を書くのが実に億劫で、どうもまとめる力が衰えてきた気がしてなりません。日々のことはTwitterの方に書いてますので、よろしければ→@hideaki