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「あの日、手を振ってくれてありがとう」 20.3.11

変な言い方だが、今年はコロナウイルス騒動で、東日本大震災から九年目の今日(3.11)を、純粋に悲しめなかった。
とはいえ、コロナの後に放送される福島第一原発の現状を見るとやはり気が重くなり、家族を亡くした方のドキュメンタリーに胸が痛くなる。


2011年、僕は、翌年販売されることになるBLゲームのシナリオに掛かりきりになっていて、震災直後もひたすらそれを書いていたが、のちに自分の小説がしばらく書けなくなるほど、なんらかの心理的影響を受けた。ただでさえ遅筆なのに。

震災直後は派手なイベントは控えられたが、そのとき話題になったテレビCMが、僕の心に灯火をともしてくれた。

九州新幹線CM、再び話題に 「また笑顔が見たい」2つの震災励ます

東日本大震災の翌日、九州新幹線が開通し、それを祝う目的で作られたCMである。

もちろん震災前に制作されたものだから、被災地応援の意図はないはずなのだが、ノリの良い曲『BOOM!』に合わせて、新婚さん、工場の人たち、子供を連れた夫婦、学生たち、ゆるキャラなど老若男女、すべての世代の人たちが、無邪気な笑顔で子供のようにぴょんぴょん飛び上がり、こちら(新幹線側)に大きく手を振ってくれている。
それが人生の素晴らしさを全身で語っているような気がして、忘れかけていた笑顔を思い起こさせてくれた。

当時、CMをネットで見て、涙ぐんでしまった。

この記事を書くにあたって、もう一度CMを見たが、やっぱり泣いてしまった。
ところどころ出てくる虹色が、レインボーフラッグを想起させるのも含めて。

レインボーフラッグ(直訳: 虹の旗、英語: rainbow flag, LGBT pride flag, gay pride flag)はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー (LGBT) の尊厳と LGBTの社会運動を象徴する旗。1970年代から使用された。(Wikipediaより)


いま、日本中が沈んでいるように見えるのも、イベントが軒並み中止になっていることと大いに関係があるだろう。
現在進行中の出来事なので、まだこの先どうなるかはわからないが、いつかまたあの笑顔が街なかに戻るよう、まずはうがい手洗いの励行を続けていくしかない。


ちなみに、熊本駅のシーンで、ほんの一秒ほどくまモンが映っている。
スーパーゆるキャラスターの誕生の瞬間。
東日本大震災の直後に流れた偶然。
あふれるばかりの人々の笑顔。


それらが集まった「奇跡」が、今もなお、僕たちを励ましてくれるんだろうなぁ、と。

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【CM】


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