見出し画像

かぶってますよ、先生 20.2.12

そろそろ昼ドラ『やすらぎの刻~道』(脚本・倉本聰)の「異色兄妹編」が終わったようなので、結論を――と思ったのだが……。


ここまでの大まかなあらすじ。(ネタバレ)

小料理屋のママみどり(高橋由美子)に、独身と嘘をついてキスをしようとした公平(橋爪功)。そこへ、みどりの兄(マムシの三次・眞木蔵人)が突然現れ、すべてお見通しだと言い、100万円をゆすろうとする。もちろんそんな金はなく、家に逃げ帰る公平。
それを聞きつけた公平の孫・翔(元ゲーマーで引きこもり)が、産廃処理業を営む三次の元に行き、自分が働いて代わりに払う、と言う。三次が翔に与えた仕事は、バキュームカーの内部の清掃。
与えられた仕事を翔はクリアし、三次から「迷惑料」の一部を引かれた日当を受け取って、すべては丸く収まった。


……えぇぇぇ……


誰もおとがめなし??

マジで?

まずは、“容疑者”を一人ずつチェック。

みどり。
ドラマで観る限りでは、公平との関係をちっとも嫌がっておらず、公平(橋爪功)を「(高倉)健さんに似ている」とおだてるなど、むしろ積極的に公平をたぶらかしているようにも見える。なので、彼女に何の責任も無いというのはやや苦しい。
ちなみに、昼は兄の会社の事務を担当している模様。
切なげな顔で、バキュームカーの清掃をする翔を見つめるが、兄に、何の関係もない翔を許してほしいなどと口添えはしない。

三次。
どう考えても、公平へのそれは恐喝であり、法に触れる行為である。
翔への交換条件も、あくまで三次の都合のいいように設定したもの。
日当の支払いはしたものの、ちゃっかり「迷惑料」は差し引いている。

公平。
諸悪の根源。40歳以上年下のみどりに入れ込み、嘘をつきまくった上、自分が引き起こしたトラブルを翔に丸投げして知らん顔。

これはどういうことなのだろう。
全員が全員ともあまりに身勝手すぎはしないだろうか。

公平はもともとそういう設定(口が軽くて虚言癖? がある)だからまだいいとしても(良くはないが)、問題はこの兄妹。何のために登場したのだろう。

というか、「まむし」って前作のキャラとかぶってるよね。

このドラマにおける「現代」、あるいは近過去の若者キャラは、最初は大きな問題ありの設定(引きこもり・クスリなど)だが、短期間のうちに、親思い・祖父母思いの好青年に更生している。その展開がリアルかどうかと言われれば、首を傾げるところはある。それが倉本先生の理想であるならば、尊重はするけれども。

しかし、この「荒巻(という名字)兄妹」は、ストーリーに深くかかわるわけでもなく、善人とも悪人とも言えない、視聴者が感情移入しづらいであろう役。役者にとってプラスになるかはやや微妙。
名匠の脚本だから、出たくないことはないだろうが……。


以下はあくまで想像だが、

① 倉本先生が二人の現状を見かねて、このシーンを彼らのために作った
② 本人たちが「どんな役でもいいから出たい」と直訴し、結果このシーンに出演
③ 視聴者にはうかがい知れない、力関係的なアレ

とりあえず、この三つのパターンが考えられる。

もちろん真相は不明だし、この兄妹も今後出番はそんなにないだろうから、彼らがなぜこの役でこのドラマに出たかは謎ということで、あいまいなまま、この文章も終わろう


と思ったのだが、


またもや
またもや


『やすらぎ』で見過ごせないシーンが!!

それについては、また後日。

======================


【CM】



好評発売中!(内容にご満足いただけなかったら、購入後24時間以内なら返金申請可能)

※返金申請はnote会員限定

いただいたサポートは、飛田流の健全な育成のために有効に使わせていただきます。(一例 ごはん・おかず・おやつ・飲み物……)