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ナンパの楽しさを知ろう!(実践編76)vol.120

201◯年11月某日。

俺的には「pairs」史上、32、33人目の女である。

ここのところ、失敗が続いている。

ちょっと前に、国内線のキャビンアテンダントとやり取りをしていた。

それが32人目の女である,

俺はこの女に対して致命的なミスをした。

休日が重ならないために、なかなかデートの設定をできずにいた。

それでも軽快なテンポでお互いの気持ちの行き来をしていた二人は、下手なデート以上に確かな絆を紡いでいた。

と思っていた。

国内線なので千歳と東京の往復であったが、それぞれの地でお互いの消息を教えあう。

『寒いから暖かくしていきなねー』とかいう何気ない気遣いが、思う以上にかさねる衣服の暖かさをも上回っていく、そんな感じがしていた。

LINEのフレーズの一つ一つに女は♡マークをつけてくる。

俺の経験では、それは俺に対する言外の気持ちを表現して余りある。

だが、ある時俺は押し出しを間違ってしまった。

二人のアルバムを作りたいと、誘ってみたのだ。

実は俺自身、LINE上のこのアルバムというものを知るに至ったのは、ある女が契機となっている。

俺のことを執拗に追ってくる女であった。

俺は自分がそれを知るに至った状況というものをもっとしっかり思い出すべきであった。

男女間で、その種の好意の押し出しをするケースというのは、得てして女の深情けの一端から始まることが多い。

その当時、そういう求めを受けて、多少辟易する思いをしたのを今でも覚えている。

翻って逆に考えてみれば、俺が女に同じオファーを出したことは、あの当時の女の行動そのものであり、女は男の気持ちを薄気味悪く思ったであろう。

女は気乗りしない雰囲気を醸し出している。

俺はそのアルバムの写メを全部消去した。

その辺りから女はLINEをブロックしてきた。

そんな経緯の女とやり取りしていたのである。

それにしてもキャビンアテンダントは惜しい。

だが、キャビンアテンダントと言っても現物を見た訳ではないから、なんとも言えないのだが、いうほど美しくはない。

ただ、見るからに育ちの良さを感じさせ、いわゆる『深窓の令嬢』という雰囲気を感じさせた。

まぁ、終わったことは仕方がない。

実は俺は前後して、この『アルバム攻撃』を使っている。

その案件全てに行き詰まりを感じている。

女も感じたであろう、「男の深情けほど気持ち悪いものはない」と。笑

さて、33人目の女である。

場所は横浜。

その日は強い雨が降っていた。

前段でその女とやり取りした中に、「雨だから出来るだけ濡れない飲み屋にして」とのオファーが来た。

何か厄介そうな女だと直感した。

横浜のビブレの前で待ち合わせた。

30分遅刻する旨のLINEが届く。

俺は過去を振り返った。

初めてのデートで、どんな理由であれ、遅刻する心持の女を俺は良しとしない。

俺は基本準備のいい男である。

だから、デートの時は事前準備を怠らないし、また初めての場所には下見もする。

女の気持ちの程度がうかがわれるというものだ。

女は小柄であった。

というよりも、チビ。

もっと言ってしまえば、矮小。

とにかく、背の高さと服の感覚とのバランスが悪い。

あたかも、キューピーちゃんが纏う繭みたいな感じの服である。

服でとやかく言う筋合いはないのだが、俺が女ならデートの時には少なくともそれは着ない。

女とは、いつもの如く「安〜い居酒屋」で勝負しようと思っていた。

そんな矢先、女は自分の素性を明かしてくる。

クラブのホステスをしているという。

その直後、スナックのホステスにワードを変えた。

それはそうであろう、その格好でクラブは合わない。笑

女が自分を明かす理由は、大体こうであろう。

一つは、最初に明かすことで予防線を張り

距離を置こうとするパターン。

もう一つは、こっちを完全に好きになって、全部を話しておかなきゃと思うパターン。

今回は明らかに前者である。

俺の一挙手一投足がそもそも気に入らないようだ。

まぁ、たまにはこう言う反社会的に訳もなく反りが合わないという男女はいる。

というよりも、俺がその女について確信したのは、年齢詐称という部分である。

この女はとうに40を越えているはずだ。

明らかに見て取れる。

要は俺は女のそういう男を騙すというよりも、自分について潔くないという点に、普通に憤りを感じるタイプである。

ところで俺は完全に35歳になりきっている。

自分はさておき、女に義憤を感じているのだから。笑(終)

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