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【高校野球宮城大会】応援背に古里で決勝戦 聖和に地元出身3人

 甲子園出場をかけた高校野球宮城大会は27日、石巻市民球場で仙台勢同士の決勝があり、仙台育英が優勝した。ノーシードで創部初の決勝に進んだ聖和学園をけん引したのは、東松島リトルシニア出身で3年の阿部航大(こうだい)投手、高橋拓英(たくえい)一塁手、石丸最強(さいが)選手。主戦として投げ抜いた阿部投手は「厳しい試合だったが、古里の皆の前で戦えて悔いはない」と清々しく語った。

 阿部選手は少年野球の大曲ドリームズ時代から主戦で活躍。矢本二中時代は高橋選手(山下中)、石丸選手(矢本一中)と共に東松島リトルシニアで腕を磨いた。聖和では速球と変化球にさらに磨きをかけ、今大会ではエースとして1回戦から全試合に登板。決勝進出の原動力となった。

 強力な育英打線に8回115球を投げ切り3失点。「満点ではないが、悔いはない。完全燃焼できた。慣れ親しんだ球場で両親や地元の友だち、小中時代の恩師(監督)の前で投げられたのは喜び。応援が力になった」と感謝を語った。

 スタンドで見守ったドリームズの安海宇秀監督(58)は「素晴らしい試合。本当に成長したな、と込み上げてくるものがあった。後輩たちの励みにもなる」、父親の俊一さん(48)は「昨夏の準決勝で仙台三に負けた悔しさをぶつけたのだろう。窮地でも粘れるようになった」とたたえていた。

試合後に育英の選手と握手する(左から)阿部投手、高橋一塁手

 5番一塁で出場した高橋選手は、4打数2安打と気を吐いた。「コロナで制限があった2年間だったが、最後に古里で決勝を戦えたのはうれしい。石巻の皆の前で勝利した姿を見せたかった」と悔しさをにじませた。

 石丸選手は、今春まで「背番号5」を背負っていたが、けがでスタメンから外れ、出場機会はなかった。それでもベンチから声で仲間を鼓舞し、チームの精神的支柱として役割を担った。「聖和に入り、阿部や高橋と一緒に頑張れて良かった。応援に来てくれた全ての皆さんに感謝」と話していた。

 高橋選手は石巻専修大学への進学を希望し、硬式野球部で継続する考え。石丸選手は救急救命士を目指す。阿部選手は未定という。【山口紘史】





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