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投票率50%台前半の予想も 終盤戦 少子高齢化や格差是正熱く

―22日の投票日が迫っている。43人の立候補者は何を争点に、どんなことを訴えているのだろうか。前回、平成30年の市議選は東日本大震災からの復興完結を掲げる陣営が多かった。

■A記者 復興に伴う大規模な工事は終わりつつあるが、まちが新しくなっても住む人は減るばかり。将来も持続可能なまちづくりを訴える候補が多い。

■C記者 再建された公共施設の維持管理費や膨大な復興事業で増やした職員数の適正化が課題。行財政改革が避けられないが、有権者に伝わりにくい部分でもあり、政策パンフレットにその推進を記載していても扱いは小さいね。

■E記者 人口減少への歯止めで、若い世代の定住策を掲げる候補者が多い。雇用の確保だったり、結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援だったり。未来を担う子どもは大事で、学力向上や地域間で格差のない教育環境の整備を訴える新人もいる。

■D記者 教育だけでなく、地域振興で旧市町間の格差是正も唱えているようだ。旧町では農業、漁業といった基幹産業の振興の訴えが目立つ。

■B記者 弊社が有権者に行ったアンケートでは、医療や福祉の充実に向けた議論を望む声が多かった。旧町はもとより、旧市内でも西部に比べて東部の医療機関が少ない。西部の総合病院に行くにも、公共交通の利便性向上が望まれる。人口減少が進むと公共交通の維持が難しくなり、高齢者の〝足〟の確保を公約に掲げる候補は少なくない。

整然と並ぶ選挙ポスター掲示場

―明確な争点はなさそうだが、今後の市政も少子高齢化への対応や市域の均衡ある発展が大きなテーマとなりそうだ。議員は今以上に地域の声に耳を傾け、市政に反映させることが求められる。そうなると、気になるのは投票率。議会への関心を示す一つの指標といえる。38人で争われた前回は51.77%だった。

■B記者  市選管は投票率が55%と高くなることを想定し、開票作業の準備を進めている。具体には当日有権者約11万7700人に対して、約6万470
0人が投票するとの推計だ。新人が多いことでそれまで選挙に興味がなかった人が投票に行く可能性があるほか、昨年の市長選で投票率が前回よりも上昇しているためだね。

■D記者 ある現職の陣営は投票率50%台前半を予想していた。若い世代が急に関心が高まることはなく、投票率が上がっても数%程度と。また、別陣営も若干の上昇を予想したが、51%が60%になることはないと言い切る。

■A記者 確かに前回の立候補者数は定数が30になった前々回の26年以降最多で、新人も11人と18年以来で2ケタになった。にもかかわらず、投票率は過去最低を更新。昨年の市長選も新人同士の争いで確かに7ポイント余り伸びたが、それでも51%台だった。

―期日前投票の状況はどうか。

■C記者 市選管のまとめによると、16日から19日まで4日間で男4366人、女5644人の計1万10人。4年前の同じ4日間は男4051人、女5389人の計9440人だったから570人増えている。ただ、気になる話も。最初の3日間こそ前回より上回ったが、19日だけは下がったという。19日から投票できるようになったイオンモールで、なぜか前回を下回ったようだ。

■E記者 投票率は投票日当日の天気にも左右される。天気予報は今のところ曇り。大きく崩れたりしないようだが、市内で催し物も結構ある。期日前で投票する人は全投票者の3割ほど。選挙に関心が高い人はすでに済ませている可能性があるね。

―伸びても53%ぐらいだろうか。得票数1千票でも厳しいかな。

■C記者 前回のトップ当選は2809票、最下位当選は1194票。今回、市選管の想定通り55%の投票率だったとしても、有権者数自体が4年前よりも減っているため、投票者総数は前回(6万3543人)から1200人しか増えない。今回も1千票では厳しそうだ。

■B記者 ある陣営は投票率50%台前半の想定で、1100票台が当落の境界線と予想。仮に上位グループが得票の大部分を握ってしまえば、当落線上に複数がひしめく団子状態になる。小差の争いになれば、似た名前の候補者が多いため、あん分票や疑問票の取り扱いで当落が逆転することもあるだろうね。

―震災後3度目の市議選。被災からの住まいの再建が落ち着き、改めて自分たちの街の将来を考える心の余裕がでてきた人もいるだろう。市議選啓発のキャッチフレーズは「思い込め 未来のデザイン その一票」。今後4年間の市民の代表者を負託する重要な機会であり、棄権することなく大事な一票を投じてほしい。【市議選取材班】





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