見出し画像

自分の心に従って生きる。

2023年、あけましておめでとうございます。


なぜか10年ぶり?いやいや20年ぶりくらいに「アルケミスト」を読み返した大晦日。

ここ数年で1000冊以上の本を断捨離したんだけど

何故か最近目を通してすらいなかったこの本は手元に残していた。

紙に染みが出ている文庫版は1997年版のものだった。


1997年ならば、まだ新卒で入社した東京海上を辞めることもできずに悶々として心身症を呈していたときだ。

当時、大学生が就職したい会社ランキング1位の会社に入社していて

当時、付き合っていた可愛い恋人からはプロポーズをされていたのにも関わらず

ぼくは幸せを全く感じることができていなかった1997年。


当時のぼくが「アルケミスト」で一箇所だけページを折っていた。

そのページにたどり着いたとき

なぜ当時のぼくが折り目を付けたのか痛いほど分かった。

そこには錬金術師と主人公の少年のやりとりが書かれていた。


錬金術師
「夢を追求していくと、おまえが今までに得たものをすべて失うかもしれないと、心は恐れているのだ。」

少年
「それならば、なぜ、僕の心に耳を傾けなくてはならないのですか?」

錬金術師
「なぜならば、心を黙らせることはできないからだ。たとえおまえが心の言うことを聞かなかった振りをしても、それはおまえの中にいつもいて、おまえが人生や世界をどう考えているのか、くり返し言い続けるものだ。」



交通事故の示談交渉業務に携わっていた日々。

ぼくの心は今回の人生をこんなことに費やしたくない

嫌だと繰り返し言い続けていた。


その声は鎮まることなく

毎日午後になると発熱をするようになり

表情が動かなくなるという心身症を呈していた。


この錬金術師と少年のやり取りが

当時のぼくに響くわけだよね。


自分の心の声が繰り返し語りかけてきたら

従っていけばいい。

自分の心の声に従って生きはじめたきっかけとして

「アルケミスト」や「自分の中に毒を持て」を挙げている方をよく目にするよね。

人生の転機をつくってくれた本はやっぱりきっかけであって

大切なのは本の言葉に出会ってから自分の心の声に従って生き始めるかどうか。


パートナーや家族を騙すことはできても

自分の心だけは騙すことは出来ない。

健やかに、幸せを味わいながら生きていく秘密って

シンプルに自分の心に従って生きていくだけなんだろうなあ。


ちょうど「アルケミスト」を読み終えたら2023年になっていました。

本年もどうぞよろしくお付き合いください。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?