しおにぎり

産道に食欲と睡眠欲しか落ちていなかったのでありったけかき集めてでてきてから35年 既婚子なし、空の高さを知る蛙女がここに

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産道に食欲と睡眠欲しか落ちていなかったのでありったけかき集めてでてきてから35年 既婚子なし、空の高さを知る蛙女がここに

最近の記事

ゆめにっき④

好きだった人が浜辺にいる。 どうやらバーベキューのようだ。 相変わらず人に囲まれて、如才なく会話を交わしながら、アレコレと動いている。 手にはコカ・コーラの紙コップとトング。紙皿を持った人たちに手際よく焼けた肉を分配しているのが見える。 私は浜辺を見下ろす鄙びた宿の窓辺にいた。好きだった人の笑い声が耳に届く。 あそこには行けない、と私は思う。あそこに行けば、あの楽しげな雰囲気は消えてしまうだろう。好きだった人の顔が曇るだろう。 私は浜辺を見ている。 好きだった人は白いシ

    • ゆめにっき③

      高層ビル群の谷間。 遠い青空から真っ直ぐに日差しが降り注ぎ、背中を温めているのを感じる。 がやがやと大勢の気配はするが、認識できるのは自分の存在だけ。 暫く佇んでいると、ふっと真上から影が落ち、辺りが急に薄暗くなった。 はっとして上を見上げると、聳え立つビルの間、ぽっかりと開いた空の青を背景に、信じられないほど大きな大きな白い孔雀が優雅に羽を広げながら飛んでいく。 驚くべきことに、その孔雀は、ビルが切り取った空を覆ってしまうほどに大きかった。しかし恐ろしさは微塵もなく、ただ

      • ゆめにっき②

        藍色からオレンジへと変わる濃いグラデーションの空の下にいた。 大勢の人たちが大きくて黒い、大理石のようにつるつるとしたテーブルを覗き込んで、てんでバラバラに意見を出している。 私もそれにならうと、テーブルには紙でできたプラモデルの箱のようなものが二つ並べて置いてあった。 一つには、外国の夜景をバックに立つ男女のシルエットが描かれ、“かつてのマンハッタン”とタイトルが付いていた。 もう一つは笑い合う男女が大きく描かれていて、“やっぱりメトロポリタン”とある。 私はそれを見なが

        • ゆめにっき①

          見知らぬ建物のエスカレーターを登った先に白衣と実験で使うようなサングラスをかけた大人たちが忙しそうになにかをしている部屋があった。 そこで外国の少年に声をかけられ、「これから大変なことが起こるから外に出よう」と言われる。 連れ立ってドアから非常階段に出ると、入れ替わりに武装した男が一人入っていき、部屋の中からはなにやら怒号のような悲鳴のような物騒な声が聞こえたが、私は急いで階段を駆け下りた。 場面が切り替わり、少年は姿を消し、代わりに夫と共に自宅のマンションにいた。 どの部

          おにぎり日報8下世話な話を海苔に巻く

          昨日は離れて住む姉や甥っ子姪っ子たちと祖母宅でちょっと集合の日。このご時世で集まることには賛否あるでしょうが、お正月以来の集合は楽しかった。 話は尽きず、ワクチン接種のことから受験のこと、総裁選や芸能ニュースなど普段のり夫と二人で暮らしていると興味がなくて全く入ってこない話題があったりして、ふむふむ、と面白く聞く。 その中には某やんごとなきお嬢さんの結婚問題の話もあり、みんな概ね「ありゃどうにかならんのかねぇ」といった感想。 どうにもならないよねえ…と手巻き寿司食べながら

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          おにぎり日報7雨の日の新型エヴァンゲリオン

          随分ご無沙汰してしまいました。 夏の暑さが何となく一段落したと思ったら、今度は雨、雨、雨…どこにも出かけなくて良い日に屋根をたたく雨音を聞くのは好きだけど、先週はなんやかんやと外出していたのでまぁ、鬱陶しいったら。 どんよりとした空の下、荷物や肩が濡れないように傘の内へ内へと入り込むようにして一人歩く日々…。 さてそんな先日、のり夫の職域接種がありました。 事前にプロテインを飲ませポカリを飲ませて、注射が終わったら大好物の軟骨唐揚げを買ってあげる約束をして送り出し、私は念の

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          おにぎり日報6みちおがいない世界に捧ぐ

          2021年8月25日の朝早く、一匹の猫が虹の橋を渡り旅に出た。 名を、みちおという。 楕円形の大きな頭に、遠い星の瞬きのように小さな目。艶の良くない黒い毛皮。トトロのような短いしっぽに、高い声がキュートなおじいちゃん猫、みちお。 みちおの猫生について、私達が知っていることは多くはない。いつの間にか姉の職場近くをウロウロするようになった野良様だということ、近隣ではボスだったということ、英雄色を好むということと、出会った時点で8〜9歳くらいの年齢だったということ。 みちおが生き

          おにぎり日報6みちおがいない世界に捧ぐ

          おにぎり日報5あの夏は思い込みのなか

          ツクツクボウシが鳴くともう夏も終わる。 気温の高い日はまだまだ続くだろう。しかし、夏は終わる。多くの人にとっての夏が。 よく、自分が子どもの頃の夏は今より…なんて台詞を聞くが、今の夏を子どもの頃の夏として生きる子どもたちには、いつだってピンとこない言い回しだろうなあと思う。 思い出すのがバニラアイスの木べらの味かマリトッツォのクリームの味かの違いだけで、大人になった時に思い出す夏のノスタルジックさに大した熱量の違いはないのだろう。 みんな、自分の世界を愛している。自分の身の

          おにぎり日報5あの夏は思い込みのなか

          おにぎり日報4天井の人

          のり夫のお盆休みも終わり、日常に戻った我が家です。 少し前から上の階に住むご夫婦のお宅に、小さいお孫ちゃんがお泊りに来ている模様。夜は大体9時くらいまで、朝は8時くらいからパタパタと走り回ってる音がする。 起きている間はずっと走っているのではなかろうかと思うほど。起きている間はずっと食べるか座るか寝るかしている私とはえらい違いで、子どもって凄いなぁと思う。 常に何か楽しいもの、興味をひくものを探し、見つけるために走っているのだろう。 たまに静かになると、(お昼寝かな)(ご飯か

          おにぎり日報4天井の人

          おにぎり日報2夏しか作れないコーンスープがおいしい

          夜の散歩はやめて結局ドライブに行きました。 高速の無料区間をはしごして、一時間くらいの短いドライブだったが月が綺麗で道もスイスイで楽しかった。遠くにぐーんと曲がりながら伸びた道の続きにライトが規則的に連なり、テニスブレスレットのようにキラキラと輝いて見えた。 のり夫は海に月の道が映っているのがお気に召したようで、何度も「いいねーすごいなー」と呟いていた。海面に帯のように月の光がたなびいていて、確かに不思議な美しさだった。 私は免許はあるけどいつも積荷なので、運転する人は景色が

          おにぎり日報2夏しか作れないコーンスープがおいしい

          おにぎり日報ナポリタンに茄子を入れる

          朝からアブラゼミとミンミンゼミの大合唱が聞こえています。ツクツクボウシはまだ先かな。今日は薄曇り。少し気温が低いほうがセミの皆さんも元気な様子。 明太子ともち麦ご飯、ゆで卵などなどの朝ごはんを食べながら、のり夫(夫)に「今日は化粧しないかな…」と言うと(外出しません宣言) 「夜に散歩するかもよ」と言う。そうか、と思い眉毛だけ描くことにする。 今はマツエクでまつ毛が増毛してるので眉毛さえあればいいのでらくちんだ。しかし、眉毛もそのまま、髪も乾かさなくていいのり夫の自由さがまだ

          おにぎり日報ナポリタンに茄子を入れる

          オラ夏に神は宿らず

          期待した分揺り戻しが凄い任天堂Switchで発売された“クレヨンしんちゃんオラと博士の夏休み〜終わらない7日間の旅〜”(通称オラ夏)の話である。 このソフトはクレヨンしんちゃんを題材にしたゲームであると同時に、名作ゲーム“ぼくのなつやすみ”の精神的続編との前評判があった中発売された、期待の新作である。 「ぼくなつの精神的続編」 このフレーズに、どれだけのかつてぼく君だった大人たちが心を揺さぶられただろうか。 朝には鳥のさえずりを、昼にはミンミンゼミの合唱を、一日の終わり

          オラ夏に神は宿らず