ゆめにっき②

藍色からオレンジへと変わる濃いグラデーションの空の下にいた。
大勢の人たちが大きくて黒い、大理石のようにつるつるとしたテーブルを覗き込んで、てんでバラバラに意見を出している。
私もそれにならうと、テーブルには紙でできたプラモデルの箱のようなものが二つ並べて置いてあった。
一つには、外国の夜景をバックに立つ男女のシルエットが描かれ、“かつてのマンハッタン”とタイトルが付いていた。
もう一つは笑い合う男女が大きく描かれていて、“やっぱりメトロポリタン”とある。

私はそれを見ながら、(かつてのマンハッタンとはどんなものだろう。別れたカップルの追憶か、皆同じような経験があるのだろうか)などと取り留めもなく考えていた。

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