ゆめにっき①

見知らぬ建物のエスカレーターを登った先に白衣と実験で使うようなサングラスをかけた大人たちが忙しそうになにかをしている部屋があった。
そこで外国の少年に声をかけられ、「これから大変なことが起こるから外に出よう」と言われる。
連れ立ってドアから非常階段に出ると、入れ替わりに武装した男が一人入っていき、部屋の中からはなにやら怒号のような悲鳴のような物騒な声が聞こえたが、私は急いで階段を駆け下りた。

場面が切り替わり、少年は姿を消し、代わりに夫と共に自宅のマンションにいた。
どの部屋も薄暗く、なぜカーテンが閉まっているのだろうと訝しみながら、私は母に連絡をしなければとスマホを手に取る。
母に電話をかけるが繋がらない。ふと不安に襲われた私は家にいるはずの夫に声をかけるが、夫も姿を消していた。
ますます不安になり、夫の部屋を覗く。夜を匂わせる締め切られたカーテンの向こうから、何故か季節外れの蝉の大合唱が聞こえていた。
あれは、アブラゼミだ。どうして、この寒さの中あんなにも鳴いているのだろう。

夫を探してマンションの階段を降りていくと、エントランス前に救急車が停まっていた。
救急車の後ろから白衣を着て、やはりサングラスをかけた快活そうな若い女性が、私を見て「さぁ、新しい??が始まりますよ!」と笑顔で言った。

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