自分に負荷をかけない、子育てのストレス回避について

ひとり親だからこそ、とにかく折れないということを心がけている。そのためには自分で自分に負荷をかけないということが肝心だ。

子どもたちにダメと言わないというのにも通じるのだけど、言葉を口に出すかどうかということに気を使っている。子どもたちが部屋を散らかしているとストレスがたまる。そこで「片付けなさい」と口にする。当然子どもたちはそうかんたんには片付けをしてくれない。そうすると自分が言ったことに対して従わなかったという別の種類のストレスがたまる。そこで次第に口調を強くしていくと、それに比例してストレスも大きくなっていく。その結果エスカレートしていって、ヒステリー状態に陥ったり、最悪子どもに手を上げることになるかもしれない。そのエスカレートを避けるために、一番最初に口に出すときに気をつけるのだ。調子が悪かったり余裕がないときには、そもそも口に出さずにその場はあきらめる。そうすることで大きな負荷がかかるのを防いでいる。

絶対に譲れないこと以外は後回しにするというのも自分に負荷をかけない方法だ。僕はなぜだか子どもたちに温かい食事を食べさせるということに強いこだわりがある。ほとんどこだわりのない僕の唯一のこだわりだとも言える。だから、それ以外のことは後回しにしてもいいということにしている。忙しい時や調子の悪い時に、洗濯機に洗濯物がたまっていたり流しに食器がたまっていたりするのだけど、たまにそういうことがあっても構わないと決めているので大きなストレスを感じずに済んでいる。取捨選択が必要なのだということを知っていることが肝心で、すべてを完璧にやろうなんて思わないことだ。完璧にやればスッキリするのだろうけど、それよりも負荷をかけないということのほうがサバイバルゲームには合っている。

子どもというのはコントロールする対象ではないので、あるがままに受け入れてしまう方が負荷がかからないと思う。子どもは壁に落書きするから、敷金は返ってこないものとして考える。子どもは勝手にお菓子を食べるから、お菓子を買い置きしない。子どもは食べ物で遊ぶのだけど、星のたくさんついたレストランのシェフも食べ物で遊んでいるようなものなので、特別汚いことをしたり食べ物を粗末にしたりしない限りは放っておく。家でやっていると外でもやってしまうからと心配する親もいると思うのだけど、子どもは意外とそのへんの分別はついている。部屋を散らかすことに関しても、自分が子どものときはもっと散らかしていた記憶がある。それがいまではいかに家の中をきれいに保つかという工夫をしているのだから、教育やしつけがすべてではないということだ。こう育てればこう育つというマニュアルはないので、現時点で支障が出るであろう言葉遣いなどにだけ気をつけて、あとは楽をしてしまっていいと思う。

それでも怒りの感情が湧き出てくることもある。そういう場合には対処法がある。怒るというのは感情の高まりなのだけど、人間はそれを6秒間しか保持できないらしい。つまり、6秒経てば怒りの感情は覚める。だから、怒りそうになったら、心のなかで6数える。そうすると頭が冷静にはたらくようになる。怒る時に限らず、叱ったり注意したりするときにも、いったん間を置くといいと思う。

そうやって負荷をかけないように生きていると、自分が怠けているように感じたりしてしまうこともある。そんなときには、精神的に負荷をかけないかわりに筋トレをはじめて、自分に怠けていないアピールをしたりする。

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