お客様の思いがけない質問から学ぶこと
子供からの質問はシンプルなだけに答えるのが難しい
子供が話していることを聴いていると、 シンプルかつ鋭いことを言っていると感じます。
私自身、子供はいないですが、自宅の目の前の 保育園から聞こえてくる会話であったり、 通りがかりの親子の会話であったり、微笑ましいものもあれば、ドキッとすることも多いです。
「なんで、髪の毛は濡れていると黒くみえるの?」
以前、幼稚園か小学校低学年くらいの子供さんのカットしていた時に、質問されました。 ものすごく緊張した、というか背筋が伸びたのを覚えています。
「髪の毛が濡れている時に黒く見える理由は、 乾いている時と水分を含んでいる時では、髪の毛の光の透過度が違うから。濡れていると光を通しにくくなるので、黒く見える。乾いていると光を通しやすくなるので、明るく見える。」
大人であれば、この回答で理解してもらえると思います。または、「なんでだと思う?」と質問 返し(クイズ形式に)することもできたかもしれません。
ですが、相手は 5,6歳。
本人は、至って素直に思い付いたこと、疑問を聴いてくれたのですが、
何をどこから説明すればよいのか? 分かりやすい言葉で説明したとしても 意味は伝わるのか? ものすごくシンプルな質問で、答えもわかっているけれど、うまく答えられるか、
ましてや、 「大人の何気ない言葉を子供は覚えている。」ということを耳にしていたので、おかしなことも 言えない💦 という緊張感。
私は、その質問をしてくれた子供さんにとって "よく行く美容院の人、いつも髪を切ってくれる人、親、以外の大人。"です。
大人としての責任やら、美容師としての責任などが頭の中にぐるぐる回りました。
この体験は、話すときに 「相手の立場に立って考える」という 人としての在り方をしみじみと感じ、学ばせてもらったシチュエーションでした。
そして、子供のいる友人達が 「なぜなぜ期のちびっ子、おそるべしと思うよ。(笑)」と話していたのが良くわかりました。
「専門用語を分かりやすく」
同じ業種であれば伝わる言葉でも、 業種が違うと ??? ということはたくさんあります。
コスメ業界の方とお話していた時も、お互いに「○○って何ですか?」と聞き合うことはよくありました。
広く言えば、同じビューティービジネスに入りますが、美容業とコスメ、結構違います。 また、エステ、ネイルなども同じく、知っているようで知らないことはたくさんあります。
近しいと思う業種でもそうならば、 相手がお客様の場合、 「美容の専門用語を知らなくて当たり前。」と いうことが念頭にないと、 「ものすごくわかりにくい説明をする人」に なってしまうことがあります。
よく接客マニュアルなどで、 専門用語を日常で使う言葉に置き換えること、 例え話ができること、が良しとされますが、 同じ事柄を子供に聴かれたらどう答えたらよいのか?をベースした例も、自分の中に持っていると良いのだと思います。
以前、専門学校の授業でも、専門用語は伝わりにくいので、分かりやすい言葉に置き換えて、話せるようになろう!と学生に話をしました。
学生達は、お客様に近い目線でいるので、どんな言葉だと理解しやすいか、わかりやすいかもしれせん。
ですが、これはどんなに知識をつめこんで、 頭で考えても、実際に現場で接客を経験し、 相手(お客様)の反応がどうなのか?を感じ取らなければ、積み上げられない力でもあります。
だからこそ、いろいろな人と関わることで身につくこと。 いろいろな年代の人たちと関わる、話すことの 大切さを感じます。
「我以外皆我師」 自分以外は、みんな先生。
Aya Horiguchi
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