見出し画像

参加サークル:P.O.L

文学イベント東京 参加サークル 「P.O.L」の紹介ページです。

P.O.Lのクリエイター、ぽて様は、文芸作品だけでなく、イラスト、ノベルゲームも製作されるなど多彩な方です。


■ 「性悪貴族?なにそれおいしいの?」

 とある日、雪山で目覚めたヒューイは記憶喪失になっていた。自分の名前すら忘れていたのに、何故か記憶喪失前よりも戦闘能力アップしてるし、食べ物への執着心が大変な事になっていた彼。

 これは性悪貴族から、ぽんこつほのぼの系貴族(食欲魔王)にクラスチェンジした少年+愉快な仲間達の、のんびりドタバタな学生生活を描いた物語である。




■ 「鬼のひと」

「さしもの鬼神も酒が入れば常人と変わらぬか」
「......うる、せぇ」

 自らの腹に刀を突き立てた男の落胆を感じさせる呟きに、『鬼神』と呼ばれた鬼はすかさず毒づく。全体的な見た目はそう人と変わらぬ青年だ。額から生えた二本の角が無けれ ば、あるいは毛先に近づくにつれ鮮やかな水浅葱に染まる白髪でなければ。そして人にはあらざる金色の目でなければ。

 男に刺された腹はじくじくと痛むが、おそらく先に飲んだ酒に細工でもされていたのだろう。身体は重く、頭も働かない。内臓を傷つけられたのだろう、不意に咳き込めば吐血 していた。

「……………ふむ。かの有名な神便鬼毒酒を用いただけの事はあるか」

 その様を冷静に観察し、鬼が動けない事を確信した男は刀を抜いた。開いた傷口から流れ出る血。普段ならあっという間に塞がるはずのそれだが、今は何が起こっているのか治 るそぶりすらない。

「くっ。身体さえ動きゃあ手前ぇなんぞ………………!」
「人の身で貴様と馬鹿正直に正面からやりあうなど自殺と変わらぬよ」

 鬼の呻きを切って捨てる男。彼は退魔師だった。退魔師とは人に仇なす人ならざるもの を退治する者をさす。強大な力を持つ人ならざるものに立ち向かうには常人では矮小すぎ たのだが、その力の差を技術や策などで埋めたのが退魔師達だった。

 今回においても彼らは情報収集から始め、同胞の振りをして鬼たちのねぐらに潜り込み、更には毒を盛って舞台を整えた。故に現在、鬼は動きを封じられ手傷すら負わされている。鬼の部下たちも既に殆どが制圧され無力化されていた。

「 ――さて、酒の効果が切れる前に決着をつけねばならぬか」
「………………俺のものに手を出した代償、いつか必ず支払わせるッ!」
「それは無理だろう。貴様はここで死ぬのだから」

 男は刀を振り上げ――容赦なく鬼の首めがけて振り下ろした。

 それが『鬼神』と呼ばれた鬼の最期。かれこれ千年ほど前の出来事であった。



平和な街で陰ながら進行する『凶暴化』。
貴春はその一端に触れたせいで『鬼』になってしまう。彼は人間に戻る方法を探そうとするのだが…。



「性悪貴族?なにそれおいしいの?」1000円
「鬼のひと」1000円
は、文学イベント東京 販売予定作品


参加希望者(WEB作家さん・イラスト描きさん・漫画家さん)は以下でチケットを購入ください。


遊びに来たい方、作家の作品を買いたい方はこちら。


よろしければ、作品の自費出版の費用にさせていただきます。