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映画

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2020年9月の記事一覧

映画で知る 欅坂46、けやき坂46、日向坂46、そして櫻坂46 (後編)

アイドルに全然詳しくない映画ファンのボクが、欅坂46が「櫻坂46に改名した」というニュースに限っては、食い入るように見てしまったキッカケを作った2本の映画を紹介しています。 普通の人が知っているようなことを全然知らない人が観るとどうなるか的な感じになっちゃってます。 それまでの前提と1本目『3年目のデビュー』について書いているうちに長くなってしまったので記事を前編・後編に分けました。 前編はコチラ。 前回、ドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』によって、アイドルに全く

最高の人生のはじめ方

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2012年のアメリカ映画。愛妻を亡くして筆を断ち、酒に溺れる老作家。湖畔の家に移り住んだ夏、彼が隣家の親子と交流を深めてゆく様子を描いた、心あたたまるヒューマンドラマ作品です。 主人公の老作家を演じるのは、モーガン・フリーマン。監督は『スタンド・バイ・ミー』、『恋人たちの予感』、『ミザリー』のロブ・ライナー。原題 "The Magic of Belle Isle"。 邦題ややこしい問題。笑まず、はじめに。 本作は、ほっこりした気持ちになれ

喜劇愛妻物語の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。 まだ席は一つ空けている状態ではあるけど、久しぶりに満席のスクリーンで観た。 月曜祝日はサービスデーでもあるので、どの作品もお客さんが多くて「完売」の文字が並んでるの久しぶりにみた。 監督自身の半自伝的な作品なのだけど、ここまで容赦なく駄目人間っぷりを赤裸々に語っている映画もなかなか珍しいんじゃないかと思う。 主人公自身は駄目なのだけど、映画として彼に送る視線はかなり厳しく客観的なのが面白い。 映画でもタイピングを担当していたけど、パンフを読むと

【何度も観てしまう】歌が最高にシンクロしてる場面のある映画10選

皆さんはこんな経験はないだろうか。 映画を観ていて、物凄く刺さった場面がある。見終わった後、その場面だけを繰り返して観る。 筆者は、映画を観ていてこういう事がたびたび起きる。全体で観ると、そこまでハマらなかったのに、あの部分だけは物凄く好きだった。あの場面があるからこそ、この映画は最高だ…といったような。 そして、そういう場面は劇中で使われてる歌とシンクロして素晴らしい場面となっている事が多いと筆者は思う。 ここでは、筆者がDVDで観て、特に刺さった映画、実際に何度もリピート

映画で知る 欅坂46、けやき坂46、日向坂46、そして櫻坂46 (前編)

欅坂46の新名称が「櫻坂46」に決まりました。 このニュース今までであれば大して気にもせずスルーしていたのですが、今回はとても興味深く見てしまいました。 というのも、基本的に全然アイドルに詳しくなくて〇〇坂の区別さえつかなかったのですが、ここ最近観た2本のドキュメンタリー映画によって一気にに気になるようになってしまったからです。 今回はその2作品の紹介とともに、アイドルを全然知らない人間がファンのために作られた映画をどう観たのか、何が面白くて変わっていったのかの過程を紹

世界中で物議を醸しているムーランに対する中国ネット民たちのリアルなコメント

週末、世界中で話題となっているディズニー映画「ムーラン」を観に行きました。 プロモーション映像が出た時から注目していた映画です。その後、撮影の遅れで公開が延期され、コロナの影響で上映が延期され、海外ではオンラインのみで公開されていて(各国のSNSで炎上やボイコットも呼びかけられている)、そしてついに中国で上映が開始されました。 (↑3Dの上映でチケット代プラスオンライン手数料で51元でしたが、北京市政府の消費促進キャンペーンで20元のクーポンが使えるから31元(約470円

有料
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映画『TENET テネット』を観る前に!

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』がすごいです! 早速、初日にIMAXで観てきました。 コロナの影響で大作映画が軒並み公開延期になってしまった中で、映画館に観客がまたたくさん戻ってくるキッカケとなってくれるような期待の話題作。 公開前からその難解さが噂になっていましたが、それでも最後まで没入してしまうほど映画としての魅力が満載の傑作でした。 詳しい方は既にご存知かと思いますが、話題作をより楽しめるように観る前にポイントをいくつか紹介したいと思い

ベタでも良い、やっぱり「ニューシネマパラダイス」は素晴らしい

 なんなのよ。「ニューシネマパラダイス」って。そんなに良いの? 熱心過ぎて好みが偏っている人たちなんじゃないの? って、よく知りもしないで20歳の頃、失礼ながらそう思っていた。映画にハマり、映画雑誌も買っていて。評論家たちが前年だったかの映画、好きだったトップ3の中に、こぞって入れていた。1990年頃の話だ。  それでも好奇心に負けて、ビデオを借りて観た。  初めて観た時の印象は、クライマックスに「なんてオシャレな……」「イキだわあ」って胸がいっぱいになった。でも大人たち

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は恋愛の全てだった。

あんな人好きになるんじゃなかった。 でも好きになるしかなかった。 人を好きになる苦しみ。 好きになることで変わってしまう不安や、好きになってはいけない人を好きになってしまうままならなさ。 色気が溢れ出す大倉忠義とどこか可愛らしさが混在する成田凌が演じる『窮鼠はチーズの夢を見る』は人が人を好きになる恋愛の葛藤全てが描かれていました。 恋愛から遠ざかっている人 好きになるってどういうことだっけ? そう思う人は今作を鑑賞すればきっと自分の恋愛観があぶり出されるはず。 たぶん辛

ネオレアリズモ映画特集 ヴィスコンティ映画2作品

ヴィスコンティのネオレアリズモ作品の紹介を、前回の続きで記事を書きました。今回は「揺れる大地」「ベリッシマ」の2作品を紹介しています。 ↓↓↓ 2作品ともヴィスコンティの初期作品の中でターニングポイントといえる必見映画です。是非記事を読んで映画を見てみてください! ↓↓↓このリンクから直接私の記事へ飛べます。 ちなみにトップ画像はアンチョビの瓶詰めをしているところ。こういう漁村の仕事の様子を撮った映画も当時貴重でした。 ↓↓ヴィスコンティの「郵便配達は2度ベルを鳴ら

太陽がいっぱい

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 1960年のフランス/イタリア映画。世紀の二枚目俳優、アラン・ドロンを世界的大スターにした極上のサスペンス作品です。監督:ルネ・クレマン。原題 "Plein Soleil"。(英題 "Purple Noon") まずはニーノ・ロータのこの曲から♩『太陽がいっぱい』。その映画のタイトルは、わたしが子どもの頃から知っていました。もちろん、有名なこちらのテーマ曲も。 哀愁を帯びたメロディーが、なんとも言えず切なくて――。良いですね~♩ 作曲は

「TENETテネット」(2020・英/米)

ネタバレないと思います。一般公開されている公式HPや予告編などで得られない情報は書いてないはず。 「TENETテネット」のあらすじウクライナ、キエフ。テロリストが襲撃した国立オペラ劇場で、ある機関に所属する男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、仲間の諜報員を脱出させる任務を実行。そのミッション中に彼は「弾痕が消える」様子を目撃した。その後、敵に捕らえられ、拷問にされるはめに。しかし隙を見て自殺ピルを飲み込むけれど、ただの睡眠導入剤だったらしく、気づけば救出されてベッドの上

それでいいよねー

今朝、身近でコロナウイルスの陽性反応が出てしまったとの連絡を受け、この4連休の大事な大事な予定をすべてキャンセルし自主自宅待機中の私ですこんばんは みなさんはいかがお過ごしでしょうか 今日の私はというと、仲の良い友人とダンスの練習をしたのち酒を飲むというアツいイベントが待っていたというのにもかかわらず、新型コロナウイルスとかいう世界をハチャメチャにする悪者ウイルス君のせいでドタキャンすることになってしまい、丸一日パジャマのままステイホームしてました 朝起きて、この4連休

われら女性(Siamo Donne)

 有名女優4名 アンナ・マニャーニ、イングリッド・バーグマン、アリダ・ヴァリ、イザ・ミランダがすべて本人役で、本人の身に実際にあった出来事らしいことを物語るというオムニバス映画。もうすでにロッセリーニとは縁が切れていたアンナ・マニャーニはヴィスコンティとのタッグ、ロッセリーニは奥さんのイングリッド・バーグマンとタッグを組んでの作品となっている。  話は総じて、「女優も結局は一人の女性である」というテーマが根底に流れていて、それを観客に再確認させるかのごとく、導入のエピソードは