昨夜の祭りに愚痴る「ハロウィンやゾンビの面子丸つぶれ」
季語:ハロウィン(晩秋)
はろうぃんやぞんびのめんつまるつぶれ
1日遅れでハロウィンの句
ハロウィンの翌日にまたハロウィンネタですが、シンプルな俳句を一句。
ハロウィンやゾンビの面子丸つぶれ
怪物の仮装で盛り上がるハロウィン。怪物だらけで楽しむので、恐怖のかけらもありません。特にゾンビは人気があるようです。上記もゾンビにちなんだ企画でしたし、詳しくはありませんが、ゾンビネタの漫画やアニメも多いようです。
そこで、
「ハロウィンめ、ゾンビの面子を潰しやがって」といった意味の一句を作りました。念のため補足しますが、「面子を潰す」とは、
「人の面体・世間体を汚して、不評や汚名のたねを作ることなどを意味する表現。」という慣用句です。
誰がこの句を詠んだのか?
いや、あなたでしょ?というツッコミ承知の見出しです。本記事のタイトルを見直してみましょう。
昨夜の祭りに愚痴る「ハロウィンやゾンビの面子丸つぶれ」
主語が省略されていますが、
◯◯が昨夜の祭りに愚痴を言っている。「ハロウィンめ、ゾンビの面子を潰しやがって」
というように読めませんか?◯◯はお好きな怪物を想像していれてみてください。例えばこのように。
狼男が昨夜の祭りに愚痴を言っている。「ハロウィンめ、ゾンビの面子を潰しやがって」
本物の西洋の妖怪たちが、お祭りになったハロウィンに憤って愚痴を言っているシーンに変化しました。だから、ハロウィン当日でなくて翌日にする必要があったのです。
変化球な体裁の目的
俳句は575の言葉で感動や情景を描写する文芸ですが、このように地の文と句の組み合わせが珍しくなかった時代もあります。「奥の細道」は松尾芭蕉の代表的な著作ですが、句集といえば句集、旅行記といえば旅行記といった内容の著書です。旅行記としての地の文があって、見せ場に俳句がはさまるという体裁をとっています。
今は俳句は俳句として、独立した作品を鑑賞する形が普通です。前後に地の文がある現代語俳句もあるのかもしれませんが、不勉強なこともあり、拝見したことはありません。
わざわざ奥の細道のような(なんておこがましいですけど)形をとったのは、単にその方が面白そうだから、です。もちろん、江戸時代はこういう形だったということを知っていただきたい、という目的もあります。
しかし、句だけで鑑賞するよりも今回は地の文をつけた方がハロウィンというお祭りにふさわしくないかな。その方が滑稽じゃないか。ということです。
ちょっと悪ふざけです。ハロウィンですからね。Trick and Trickでした。
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